カルトvsオタクのハルマゲドン/カマヤンの燻る日記

田舎の生活とか、政治関係とか、表現規制のこととか

読書

始皇帝の夫人たちと、劉邦についてのおもいつき

今、藤田勝久『項羽と劉邦の時代』を再読している。kindleで。 32%位置No.1156に以下記述があった。 『史記』には、なぜか始皇帝の夫人について、まったく記されていない。しかし始皇帝までの秦王の婚姻をみれば、すでに昭王と孝文王が楚から夫人を迎えてお…

英雄アフガーニー略伝、19世紀最大のムスリム改革者

タミル・アンサーリー『イスラームから見た「世界史」』455p〜491pから、英雄アフガーニーについて以下抜粋する。第十三章 改革運動 西暦1737〜1918 イスラームの改革と復興への三つのアプローチ 18〜19世紀、オスマン帝国後期から、イスラム世界は西洋文…

宮崎市定の文章論

1 宮崎市定『東風西雅抄』に以下記述がある。これは宮崎市定の文章論だと言っていい。以下記す。 概説と同時代史 概説書ならどの時代でも書いて見せる、といった失言がたたって、罰として今まで書いたことのない近代史の部分〔略*1〕を書かねばならぬ破目に…

中尾佐助『栽培植物と農耕の起源』

夏のシーズンの前の頃、山川出版社の「世界史リブレット」をamazonで何冊も購入した。『グローバル・ヒストリー入門』がその中でピカイチに面白かった。 その56-58pに以下記述あった。 中尾佐助『栽培植物と農耕の起源』は農耕文化基本複合という概念を用い…

礪波護とか宮崎市定とか

1 宮崎市定の解説者「礪波護」ってどんな本書いている人だろうと思ってamazonで『馮道(ふうどう)』を購入して読んだ。 馮道という五代十国時代(唐と宋の間)を代表する宰相が、現代の価値観に即すと凄い偉人で同時代的にも偉人扱いだったが、後に『新五代…

星野之宣、ホーガン、人工知能、アシモフ

1 星野之宣がホーガン原作で何作も描いていたことを知らないでいたので、まとめてamazonで購入した。 2 『星を継ぐ者』ホーガン原作。最近はてなブクマで見かけたのでまずこれを購入。原作は随分昔、大学生の頃に読んだけど、あれ? こんな話だったっけ? 印…

この頃読んだもの

この頃読んだもの 1 私たちはなぜ税金を納めるのか私たちはなぜ税金を納めるのか: 租税の経済思想史 (新潮選書)作者: 諸富徹出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2013/05/24メディア: 単行本この商品を含むブログ (10件) を見る判り易い面白い税制史。以前、ドイ…

陶朱公のエピソード

1 「史記」の「越王勾践世家」に、勾践の謀臣「范蠡(ハン・レイ)」が登場する。 「范蠡」については、なぜかニコニコ大百科に良い説明があったりする。http://dic.nicovideo.jp/a/%E8%8C%83%E8%A0%A1 越王勾践が臥薪嘗胆の末、戦国の覇者となると、越王勾…

戦前のシリアの郵便マークは?

宮崎市定『西アジア遊記』を今読んでいる。昭和19年に原書発行。昭和12年ごろに宮崎市定が中東を訪問した時の紀行文。121pに以下の記述があった。 ベイルートの街を歩いていて、ポケットに日本へ出す手紙のあることを思い出し、〒の記号のある運送店のよう…

矢部宏治『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』への感触

1 先の記述http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20150106/1420558763冒頭に以下を最初書いておいたけど、先の記述から削除し、こっちに移す。 筆者は「戦後再発見双書」の企画編集責任者で孫崎享を売り出した人で、鳩山友紀夫(由紀夫から改名したそうだ)との対…

『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』要約

売れているそうだ。読んだ。自分が知っている限りの所では間違いとか嘘は見つからなかった。 [以下、この冒頭に書いた感想を http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20150107/1420638509 へ移動の上、削除] 以下、内容を極力簡潔にまとめる。まとめるだけで力尽きた…

「幕末の攘夷論と開国論」

宮崎市定『古代大和朝廷』収録「幕末の攘夷論と開国論」に、こんなことが書いてあった。 1 問;なぜ長州藩と薩摩藩はあんなに攘夷論を熱心に説いたか、そして政権を獲った後開国に豹変したのはなぜか 答;幕末の長州と薩摩の藩財政を支えていたのは、薩摩の…

清官と濁官

1 「清官の害は濁官の害より甚だしい」 といった言葉を初めて知ったのは、高橋和己についての評論集だったと記憶する。 学生運動が盛んな頃、高橋和己は学生から人気のある教授であり作家だったが、やがて学生から「清官の害は濁官の害より甚だしい」と弾劾…

『社会運動の戸惑い―フェミニズムの「失われた時代」と草の根保守運動』読了

凄い本だった。 1章で、「ジェンダーフリー」が原典への誤読に基づくことを明らかにしたところから凄い。原典は「ジェンダーフリー」ではなく「ジェンダーセンシティブ」を求めていた。 2章で、「バックラッシャー」本家の『日本時事評論』へ山口智美さんが…

しまたけひと『敗走記』

『アルキヘンロズカン』の書評を、深町秋生さんが書かかれた。http://www.sakuranbo.co.jp/livres/cs/2014/04/post-94.html アルキヘンロズカン : 上 (アクションコミックス)作者: しまたけひと出版社/メーカー: 双葉社発売日: 2013/02/12メディア: Kindle…

江村洋『カール五世』

1 江村洋『ハプスブルク家』を再読して、良い本だな、良い執筆者だな、と思い、ドイツ30年戦争http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20140303/1393857546に時代の近いカール5世の評伝も書いていると知り、購入、読了。 文章は奇を衒うことなく、簡明で判り易い。…

「表現の自由」のルーツとしてのドイツ三十年戦争を調べようと思っているんですけど

1 「表現の自由」の法的起源は、ドイツ三十年戦争のウェストファリア(ヴェストファーレン)条約にある。 ので、ドイツ三十年戦争について、ぽっつりぽっつり、日本語で読める本を読んでいる。そんなにたくさんあるわけではないようだ。どうやらドイツ語か、…

フェイガン『海を渡った人類の遥かな歴史』『水と人類の1万年』

『137億年の物語』に取り掛かる前の、最繁忙期前期の友として読んだ。 フェイガンの気象歴史学はすげえ面白かったんだけど、でもって『海を渡った人類の遥かな歴史』の方はフェイガンの船乗りとしての経験も語られていて、その辺は読ませるんだけど、出てく…

『137億年の物語』読了

最繁忙期の友としてちょっとずつ読んだ。読了した。 人類史部分は、『銃・病原菌・鉄』とかマクニール『世界史』の面白さには及ばない。 この本は筆者が子供の勉強の手助けとして書いたとのことだ。 人類史部分では、スペイン人が新世界のマヤの書物などを焼…

]『イスラームから見た「世界史」』、さらに続き

http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20130407/1365289368の続き。 ところで、ムハンマドと聖徳太子と玄奘三蔵は、だいたい同時代人物で、7世紀というのは、釈迦と孔子とソクラテスが登場した紀元前7世紀頃と同じく、人間の英知があるハードルを越えた時期なんだ…

『イスラームから見た「世界史」』、続き

http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20130403/1365011432 の続き。 この本によると、al-という接頭詞は、英語で言う「THE」みたいなもので、アッラーとは「THE 神」のことだそうだ。 そういえば、「FATE/ZERO」登場人物イスカンダルはアレクサンドロスのアラブで…

『イスラームから見た「世界史」』

少し前に読了した。あまりに面白くて、読んでいる間はネットするのもテレビ見るのも忘れていた。 この本は塾講師時代末に西荻窪に住んでいた時、「信愛書店」という趣味のいい本屋に飾ってあって気になっていたが、当時の財政では買うのをためらった。 一読…

『羆風』

1 矢口高雄『羆風』読了。 wikipedia:三毛別羆事件を漫画化したもの。 講談社漫画文庫で今回読んだが、俺、中巻の第11章だけ、どこかで読んでいるんだよな。たぶん雑誌で読んだんだと思うけど、何の雑誌で読んだんだろ。 と書いて記憶が蘇ってきたが、大学…

『ヨーロッパ史における戦争』とか

1 日本史と世界史の両方を高校で履修できるか片方しか履修できないかは、年代によってバランバランで、私は高校時代、片方しか履修できなかった。この時日本史と世界史のどっちを履修しようか相当悩んだんだが、当時まだ若かりし我が老母は「日本史が判らな…

近世イギリスを範型とした晩婚社会

川北稔『イギリス近代史講義』は実に面白い本で、その内容の全てを紹介したいが、今回は近世イギリスが晩婚社会だった件について。 イギリスは早い時期から、少なくとも17世紀から、単婚核家族社会だった。 イギリス近世は、晩婚社会だった。 イギリス近世は…

近況とか

1 http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20130213/1360764637の続き。 で、2月17日に、親戚呼んで娘の誕生祝をした。老母が仕切った。老母の好きなようにしてもらった。 それからは嫁と娘と同居している。 2 老父母が今週初めに近所の温泉ホテルに一泊した。老父母…

娘の誕生前後に読んだ本

1 『叩かれても言わねばならないこと。』『枝野幸男学生に語る 希望の芽はある』叩かれても言わねばならないこと。―「脱近代化」と「負の再分配」作者: 枝野幸男出版社/メーカー: 東洋経済新報社発売日: 2013/05/02メディア: Kindle版この商品を含むブログを…

娘の誕生前後に読んだマンガ

娘の誕生前後に読んだマンガ 1 『母がしんどい』母がしんどい作者: 田房永子出版社/メーカー: 新人物往来社発売日: 2012/03/24メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 10人 クリック: 144回この商品を含むブログ (33件) を見る親族の中で母親だけがエキセン…

小熊英二『社会を変えるには』から抜粋、第一章-2

小熊英二『社会を変えるには』第一章からの抜粋を以下続ける。 災害で問題が露呈する 〔略〕災害がおきると、それまで社会が抱えていた問題が露呈します。一九九五年におきた阪神・淡路大震災でも、それがおこりました。 それ以前の神戸の主産業は、港湾業や…

小熊英二『社会を変えるには』から抜粋、第一章-1

http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20121023/1350993371の続き。 「はじめに」から以下抜粋。 そもそも、社会を変えるというのは、どういうことでしょうか。〔4p〕 いま日本でおきていることがどういうことなのか。社会を変えるというのはどういうことなのか。…

小熊英二『社会を変えるには』のメモ

1 小熊英二『社会を変えるには』の存在は山形浩生 のhttp://d.hatena.ne.jp/wlj-Friday/20120902/1346588118で知った。山形浩生は小熊英二『社会を変えるには』をボコボコに叩いている。 実際読んでみた。良書だった。 それをなぜ山形浩生はボコボコに叩いた…

紫色のクオリア、おりこ☆マギカ

1 『紫色のクオリア』が「まどか☆マギカ」の種本だよhttp://dain.cocolog-nifty.com/myblog/2011/06/post-0f14.htmlというブログを見て、読んでみた。 感触的には、虚淵がモチーフとして利用したかもしれないけど、別物だよなあ、とか、10話のほむらの葛藤、…

アルキヘンロズカン感想

1 『アルキヘンロズカン』上下。深夜に一人没頭して読んだ。売れない漫画家が四国遍路を暗めの自己観察と遍路観察をしたもの。お遍路さんのマイナス要素を大仰でなく、けれん味なく、リアルに描き出すことで、確かにこれを歩き通すと何かが変わりそうな気が…

『ネットと愛国』読了

1 『ネットと愛国』読了。刺激的。良書。 「在特会」をきっちりと取材していることがまず凄い。取材者の安田浩一は、「在特会」の心情に沿おうとして努力している。そこが立派だ。 そこから浮かび上がる、「鬱憤晴らし」だけが目的である「在特会」の姿とい…

岡崎京子『helter-skelter』

1 岡崎京子『helter-skelter』を嫁が貸本屋から借りてきていたので、又借りして読了。 山岸涼子作品を連想した。主人公「りりこ」には、マイケル・ジャクソンを連想する。 キャラたちの下唇の描き方が、嫌味ではないが、ずいぶんと厚い。岡崎京子の絵の変遷…

『戦争の世界史』粗筋

1 マクニールの『世界史』がベストセラーになっているhttp://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120317-OYT1T00473.htmと聞いて、嬉しかったり、もにょったり。まあ嬉しいんですが。1位『世界史 上 (中公文庫 マ 10-3)』(ウィリアム・H. マクニール/中央公…

火薬帝国

1 NHKの『ヒューマン』http://www.nhk.or.jp/special/onair/human.html の第2集が投擲武器の話だった。面白かったので、おそらく元ネタであるだろう『飛び道具の人類史』読了。 クロスビーによる、ヒトの3つの特性。 1;二足歩行 2;投擲力 ヒトは他のいか…

2015年に富士山は噴火するか?

富士山大噴火! 不気味な5つの兆候作者: 木村政昭出版社/メーカー: 宝島社発売日: 2011/08/03メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (6件) を見る『富士山大噴火』によると、2015年あたりが富士山噴火の可能性が高いそうだ。 http://d.hatena.n…

古代の気候変動

『古代文明と気候大変動』、ざっくりとメモ。 1 第10章(294〜329p)から ヨーロッパの気候の境界線は変わりやすかった。 紀元前300年から紀元後300年頃まで、ヨーロッパ全土が地中海性気候だった。ローマ帝国の繁栄はこれに起因する。 紀元後500年から900…

日の丸はアヘンの商標

『日中アヘン戦争』(江口圭一)から、以下メモする。 日章旗の掲揚はアヘンの販売が日本側によって公認されていることの標識であった。このことから日本側にしてみれば、とんだ勘違いが生じた。関東軍総参謀副長から敗戦直前に内閣綜合計画局長官となった陸…

『進歩と改革』の原稿が描けてない件とか、神風とか

1 『進歩と改革』のマンガ、久しく描いていないけど、まあ今月はムダに変に多忙で描く時間があまり取れないんだが、オフシーズンになったので描こうかとも思うけど、今の生活は社会から隔絶していて社会の動きが全く分からなくなっているので、時間が取れて…

『夜と霧』再読

『夜と霧』を再読して、癒されている自分がいる。 http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20091208/1260225423 夜と霧 新版作者: ヴィクトール・E・フランクル,池田香代子出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2002/11/06メディア: 単行本購入: 48人 クリック: 398回…

『「東北」再生』

『「東北」再生』から以下抜粋する。この鼎談は、2011年5月1日に行なわれた。 赤坂憲雄 〔震災と原発事故の直後〕最初に僕のなかに浮かんだのは「なんだ、東北って植民地だったのか、まだ植民地だったんだ」ということです。かつて東北は、東京にコメ…

中国中世の景気/宮崎市定『大唐帝国』

1 宮崎市定『大唐帝国』のはじめのほうに、中国中世の景気・経済についての記述がある。経済が縮小期にはいっている現在は、中世に似ている点が色々ある。以下メモする。 腐敗する古代帝国 〔古代ローマ帝国がローマ市民権を征服地人民に与え懐柔したように…

書物は商品か?

内田樹『街場のメディア論』http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20110426/1303828723続き。 第六講 読者はどこにいるのか 安く買い叩こうとする買い物客と、高く売りつけようとする商人の間のゼロサム的なネゴシエーションをモデルにして、多くの人が出版ビジネ…

定型は暴走する

以下メモする。内田樹『街場のメディア論』光文社新書から。 第四講「正義」の暴走 〔略〕自分には適用できないルールを他人には平気で適用する。 そういうものを「定型」と言います。 自分の生身に突き合わせてみれば、強い違和感を持つようなことであって…

『アーロン収容所』人間の才能の型・続き

http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20110216/1297855383 の続き。ページ数は中公新書版から。書き写しながら思ったけど、この井野班長のケースは表現規制反対活動に色々応用できるところがあるんじゃないかな。 捕虜生活の新指導者 それでは、私たちの捕虜生活…

『アーロン収容所』人間の才能の型

『アーロン収容所』の中で一番好きな部分。ここを紹介したくて『アーロン収容所』を再読していた。戦闘中のエピソードが入っているから冒頭部の記述だと思い込んでいたのだが、後半にある記述だった。以下ページ数は中公新書版。 人間価値の転換 捕虜生活が…

『アーロン収容所』動物と人間の境界

『アーロン収容所』(会田雄次、中公新書、1962年)再読中。西欧史学徒だった著者が、ビルマにて英軍の捕虜となった生活をつづった名著。以下引用。 屠畜と飼育 私たちは戦争における非戦闘員や捕虜に対する処置によって、戦争犯罪を追及された。そして日本…

『アーロン収容所』社会階級と身体差

以下、『アーロン収容所』(会田雄次、中公新書、1962年)の、社会階級と身体差についての記述。 青白きインテリはいない 私たちが一見して〔英軍の〕士官と兵とを区別できたというのは〔略〕体格、とくに身長である。五尺七寸(1.75メートル)の私より背の…