カルトvsオタクのハルマゲドン/カマヤンの燻る日記

表現規制反対活動を昔していた。元エロマンガ家。元塾講師。現在は田舎で引きこもりに似た何か。

読書

わりと最近読んだ本リスト

ここんとこそれなりに本を読んではいるんだが、要約を書いたりする時間と労力が割けない。2月以降読んだ本は以下。 親指はなぜ太いのか―直立二足歩行の起原に迫る (中公新書)作者: 島泰三出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2003/08メディア: 新書購入: …

「読書少女」へ贈る読書案内

「読書少女」へ約束http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20070312#1173631884していた書籍リスト。以下作ってみたので、ここへ置いておく。 「読書少女」へ贈る読書案内 私が読んで面白かったもの、ためになったものを以下にリストにします。リスト漏れもたくさん…

奇縁「喜志の舞」@『陰陽師』

安倍は安倍でも安倍晴明のほうを調べていたら、変なのを拾った。奇縁だなあ、と思う。 安倍の家系は古く、しかも多氏族にわたっていた。〔略〕海を利用して交易に乗りだした阿倍比羅夫(あべの・ひらふ)のような有力な人物が目立つ。(36p) 〔略〕河内を…

山本弘『神は沈黙せず』

http://d.hatena.ne.jp/claw/20061126 で紹介されていたので購入。面白かった。論文や論説文の面白さに気づいて以来、小説に魅力を感じなくなり久しく小説を読んでいなかったが、これは面白かった。神は沈黙せず〈上〉 (角川文庫)作者: 山本弘出版社/メーカ…

さすがに脳が疲弊している

ノンストップ不休で塾講師して(1ヶ月につき休日1日程度)http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20061210#1165684010、冬コミ合わせの同人誌作ってhttp://d.hatena.ne.jp/kamayan/20061219#1166466929、既刊同人誌をコミケへ発送して、『進歩と改革』の原稿を完成…

宮崎市定『中国文明論集』岩波文庫、1995

宮崎市定が「景気史観」を着想したのは1960-62年、欧米での客員教授を経験した頃のことだと解説にあった。以下、宮崎市定『中国文明論集』(岩波文庫、1995)収録「六朝隋唐の社会」(1964年)から引用する。小見出しはカマヤンがつけた。 1 景気史観 景気と…

『電波利権』続き/地上波デジタルは「平成の戦艦大和」

http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20060327#1143396645■[読書]『電波利権』 の続き。 第2章 民間企業の資本関係にまで行政や政治家が介入できるのは、免許という絶対的な権限を政府がもっているからである。 〔略〕日本の放送業界では、免許の申請者を「一本化…

内田樹『私家版・ユダヤ文化論』文春新書 の続き

http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20061127#1164573757 の続き。 昨日、内田樹『私家版・ユダヤ文化論』文春新書 の1章と2章の部分を紹介した。3章は「反ユダヤ主義の生理と病理」という題で、近代的反ユダヤ主義者、ドリュモンとモレス侯爵について語って…

内田樹『私家版・ユダヤ文化論』文春新書

「美徳の不幸」http://d.hatena.ne.jp/t-kawase/20060725/p1さんで紹介されていたので 内田樹『私家版・ユダヤ文化論』文春新書 を読む。深い内容である。「ユダヤ陰謀論」の本ではない。「『ユダヤ人迫害には理由がある』と思っている人間がいることには何…

絶チル/「普通の人々」

http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20060531#1149020787■[読書]絶チル の続き。 『絶チル』が打ち切りにならないで、「普通の人々」がちゃんと再登場して、これ以上キャラが増えない、と仮定した場合、「普通の人々」の黒幕は 1;兵部 2;兵部を撃った元同僚 …

「水俣病」と「有機水銀」

クッキーと紅茶と ■[南京事件]南京事件否定派が増殖するメカニズム、そして「水俣」との共通性 http://d.hatena.ne.jp/bluefox014/20061101/p1 を読んで思い出したので、ここに置いておく。以下、だいぶ前に書いたもの。 「水俣」と「水銀」について。 「水…

苅部直『丸山眞男』(岩波新書、2006年)

PCを浚っていたら、眠っていた文章を見つけたので置いておく。6月ごろ書いたもの。 ■[警察][共謀罪]オタク狩りをしてきた万世橋署(?)が「アンチ共謀罪ガールズ」(メイド服装備)に言いがかりをつける映像 http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20060618#115…

柴田哲孝『下山事件―最後の証言』祥伝社

「下山事件」とは1949年7月6日、初代国鉄総裁・下山定則が轢死体となって発見された事件だ。松本清張『日本の黒い霧』などに詳しい。当時、三鷹事件・松川事件などと並んで「公安事件」と呼ばれた。松本清張『日本の黒い霧』は私は大学生のときに古本屋で買…

呪われた天皇家

天皇家の出産の報道洪水も一息ついたとこなので、天皇家がいかに呪われているか、ということについて。 ご存知の通り天皇とは日本最大のシャーマンだと一応されている。この信仰はケガレを嫌うとされる。天皇家は江戸期には稲荷信仰の元締めに零落していたの…

エリック・ホブズボウム『創られた伝統』

Living, Loving, Thinking http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20060918 さんからトラバいただいた。リンク先で紹介されているホブズボウム『創られた伝統』は邦訳も出ている。 創られた伝統 (文化人類学叢書)作者: エリックホブズボウム,テレンスレンジャー,Er…

岸信介と60年安保闘争―小熊英二『〈民主〉と〈愛国〉』

小熊英二『〈民主〉と〈愛国〉』(新曜社、2002年)に、岸信介についての記述がある。以下、抜粋引用する。安倍晋三は岸信介と酷く似ているところと、全く似ていないところがある。キャラを比較しつつ読み味わってほしい。小見出しはカマヤンがつけた。 岸信…

「三鷹事件」と、「デマを吹聴するお仕事」

「三鷹事件」の被害者慰霊碑にお参り。昨日の日付で画像を上げておく。http://d.hatena.ne.jp/images/diary/k/kamayan/2006-09-02.jpg 安倍晋三の祖父・岸信介や岸信介の弟・佐藤栄作が黒幕である「下山事件」と同年、「三鷹事件」という奇怪な事件が発生し…

石原千秋『評伝 中学入試国語読解法』新潮選書

国語の塾講師としてはなるべく早期に読むべきだった。私が現在担当しているのは小六だが、ぎりぎりどうにか間に合うか。火急習得し、講義に生かすようにしなくては。 漱石研究者が自身の息子の中学受験に関わる中で中学入試「国語」を解析した、興味深い本。…

岡義武『近衛文麿』岩波新書、1972年

日本現代史上最凶のヘタレ、『近衛文麿』について伝記風にまとめたもの。近衛文麿がいかに決定的なところで決定的に無責任に振舞い、グダグダと15年戦争へ日本へ引きずり込んだか調べるために読んだ。筆者の記述は冷静で、正確であるように思える。日本現…

ポール・クローデル『孤独な帝国 日本の1920年代』(草思社)

以下、2002年頃書いた物。 1926年の国会では「壮士」(ヤクザ)を「政治家ら切り離すための」法案が提出されましたが、スキャンダル合戦で荒れに荒れました。結局「壮士」(ヤクザ)を「政治から切り離す」ことに失敗し、新興宗教が軍と官僚に食い込み、「壮…

海上自衛隊の先制攻撃論

斎藤貴男『ルポ改憲潮流』(岩波新書、2006年)から。 靖国神社問題で揺れた二〇〇六年の初頭は、一方では官公庁や大企業が管理している重要情報が大量に漏洩する事件が相次いだ時期でもあった。愛媛県警の捜査資料やNシステム(全車両の移動をカメラとコン…

絶チル

■[雑記][読書]椎名高志『絶対可憐チルドレン』少年サンデーコミックス http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20060524#1148409856 の続き(笑) 『絶対可憐チルドレン』のヒロイン三人の超能力はマンガ版『幻魔大戦』*1の東丈(薫)、サンボ(葵)、ルナ姫(紫穂)…

斎藤貴男『ルポ 改憲潮流』岩波新書、2006年

斎藤貴男『ルポ 改憲潮流』岩波新書、2006年 から。 社会的な差別や貧困を取り除く手段を伴わない抑圧的な対症療法が、新たな差別や貧困を呼び、更なる犯罪を招きかねない危険なしとしない。実際、現代の日本人が治安対策の手本としてやまないアメリカでは、…

辻泰明・NHK取材班『幻の大戦果 大本営発表の真相』NHK出版、2002年

辻泰明・NHK取材班『幻の大戦果 大本営発表の真相』(NHK出版、2002年)読了。「台湾沖航空戦」に関する本。瀬島龍三という国賊が犯したあまたある犯罪のうちの一つに、「台湾沖航空戦は誤報である」という情報部・堀英三少佐の指摘電報を大本営陸軍部…

『日本宗教史』『日本共産党』

以下二冊読了。 日本宗教史 (岩波新書)作者: 末木文美士出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2006/04/20メディア: 新書購入: 10人 クリック: 42回この商品を含むブログ (57件) を見る 丸山真男の「日本の〈古層〉」論を批判的に展開。 日本共産党 (新潮新書)作…

椎名高志『絶対可憐チルドレン』少年サンデーコミックス

私のブログではえらい珍しいことだが、マンガの話題を。 久しぶりにマンガを買って、久しぶりに繰り返し繰り返し読んでいる。椎名高志はたいへんに作業の丁寧な漫画家であり、『椎名百貨店』*1収録作品とか、『GS美神』1話とかは、マンガ作成の模範作とし…

山口定(やすし)『ファシズム』岩波現代文庫

山口定(やすし)はファシズム研究の第一人者。山口定のファシズム研究をちゃんと読んだことがなかったので、読んでみた。たいへん示唆に富んでいる。ファシズム研究の現在の先端がどうなっているのかを丁寧に説いてあった。 以下は本の中では枝葉部分になる…

小熊英二『日本という国』理論社

小中学生向けに書かれた、小熊英二の本。第一部が明治の近代化、第二部が第二次大戦後を扱っている。とくに第二部が面白い。 まず結論部分を以下引用する。 一九九五年に沖縄で女子小学生が米兵に集団暴行されたとき、沖縄住民の米軍基地反対運動はもりあが…

小熊英二『対話の回路』新曜社

小熊英二の対談集。素敵なギャグがあるので、まずはそれのみ紹介。上野千鶴子との対談部分。 小熊 [略]ある種のナショナリズム批判の方法は、ナショナリストを他者化しすぎる危険性があると思います。いわば「彼ら」を立ち上げてしまう。 上野 ありもしな…

「俺を愛せ、さもなくば死ね」と脅迫する何か

1 ラ・ロシュフコー『箴言集』(岩波文庫) 「愛国心」とは「恋愛」にひょっとしたら似ているのだろうか。 ならばラ・ロシュフコーの以下の箴言(しんげん)を「俺を愛せ、さもなくば死ね」と脅迫する何かへ贈ろう。 思慮分別と恋とは相性がよくない。恋が高…