なんだこれ？ 求人【ＷＥＢポリス】ピットクルー株式会社

「ウヨホイホイ」さんのコメント欄書き込みhttp://d.hatena.ne.jp/kamayan/comment?date=20060528#cで教えてもらったのだけど、なんだこれ？　↓

http://job.goo.ne.jp/arbeit/detail/r01950766.html
求人【ＷＥＢポリス】ピットクルー株式会社
給与　時給920〜1200円　★深夜22時以降/1150〜1500円
巡回サイトは、100万人規模のコミュニティサイト・大手アミューズメント系サイト・携帯電話の着メロサイトetc…色々あります！
■仕事内容
WEBサイトの掲示板等で問題がある画像や文章が流れていないかチェックし、悪質な書き込み等があれば削除していくお仕事です。
■応募資格
18〜35歳位迄※windows基本操作できればOK

誰がこんな「仕事」に金を出しているんだ？
　関連　http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20060528#1148747176

ぽちっとな　

斎藤貴男『ルポ 改憲潮流』岩波新書、2006年

斎藤貴男『ルポ　改憲潮流』岩波新書、2006年　から。

社会的な差別や貧困を取り除く手段を伴わない抑圧的な対症療法が、新たな差別や貧困を呼び、更なる犯罪を招きかねない危険なしとしない。実際、現代の日本人が治安対策の手本としてやまないアメリカでは、その〔治安対策の〕結果、「ヘイト・クライム」が蔓延してしまっているという。民族や性別、障害などに対する差別が憎悪（ヘイト）に転じて、暴行や殺人に至る犯罪のことである。
一九九五年四月十九日午前九時頃、アメリカ中西部オクラホマ州の州都オクラホマシティーの中心部にある連邦政府ビルが爆破され、六階建ての建物がほぼ全壊した。ビル内の託児所にいた子どもたち四十人以上を含む死者の総計は百六十八人で、負傷者は五百人を超えた。ヘイト・クライムが論じられる際、必ずと言ってよいほど引き合いに出される爆弾テロ事件である。
事件発生の直後から、犯行グループはイスラム原理主義者に違いないとの憶測が流れ、警察の見込み捜査が横行した。前々年の二月にニューヨークの世界貿易センタービルの地下駐車場で七人の死者と約五百人の負傷者を生んだ爆破テロ事件の主犯格とされるイラク人が逮捕され間もない時期で、手口が似ているなどと伝えられた。ヨルダンに向かう途中の経由地で拘束され、ワシントンに強制送還された男性もいる。彼やその家族だけではなく、多くのアラブ系住民が、地域社会からすさまじい嫌がらせを受けたという。
彼らはしかし、オクラホマシティーの事件とは何の関係もなかった。真犯人はティモシー・マクベイ（当時二十七歳）という白人男性で、動機もイスラム原理主義とは正反対の、むしろ白人至上主義とでも言うべき“思想”であったらしいことが、やがて明らかになっていく。
犯行の標的は、爆破されたビルに入居していた米国アルコール・たばこ・火器取締事務局（ＡＴＦ）だったようだ。事件のちょうど二年前、オクラホマ州に隣接するテキサス州のウェーコ市郊外で、武装したカルト教団「ブランチ・ダヒディアン」が、ＡＴＦおよびＦＢＩとの銃撃戦の末に集団自殺を遂げている。マクベイは教団の信者ではなかったが、武装する共同体を認めなかった連邦当局に“報復”したのだという。
彼は一九九〇年代以降に急増した極右青年の一人だった。多様な民族や価値観を受け入れてきたアメリカ合衆国には、一方で女性の社会進出や有色人種の台頭に猛烈に反発する白人男性が少なくない。第二次世界大戦後はネオナチや秘密結社ＫＫＫ、反戦運動の前に疎外されたベトナム帰還兵たちの生き残り運動などの右翼運動が次々に登場したが、冷戦後のそれは銃の規制や影響力を強めた国際機関が主要なターゲットになっていた。
マクベイはそして、「ミリシア」と呼ばれる民間武装組織と深い関係があったとされている。ミリシアは本来、建国以前のマサチューセッツ湾植民地に端を発した民兵ないし義勇軍組織を指す普通名詞で、それらが二十世紀の初めに合衆国連邦軍の予備役「ナショナル・ガード」（州兵と訳される）として公的な位置づけを与えられてからは、区別するために「市民ミリシア」などと称されることも多い。
前期のような多彩な右翼運動とも複雑に絡み合いながら、ミリシアは全米各地に広がっていった。一九九〇年代前半に爆発的に増えたミリシアは、相互の繋がりが乏しく、ローカルラジオのトーク番組を拠点とすることに共通項があった。マクベイとの関係を噂された「ミシガン義勇軍」は、当時、一年間で会員が一万二千人に膨れ上がったと伝えられていた。
ミリシアは白人以外の人種を排斥する。〔略〕
マクベイは二〇〇一年四月に死刑を執行された。（12-15ｐ）

上記記述を読んで、「建国義勇軍」（刀剣友の会）事件を連想しましたよ。

ルポ 改憲潮流 (岩波新書)

ぽちっとな