カルトvsオタクのハルマゲドン/カマヤンの燻る日記

表現規制反対活動を昔していた。元エロマンガ家。元塾講師。現在は田舎で引きこもりに似た何か。

枝野幸男と「事業仕分け」

枝野幸男HP久々に更新来た。以下メモする。

http://www.edano.gr.jp/
Vol.208(2009年11月25日)
事業仕分け
10月の末から、行政刷新会議事業仕分けで議員チームの統括役を務めています。事業仕分けについては、多くのメディアも取り上げ、皆さんもご承知の方が多いと思います。世論調査等の結果をみても概ね好意的に受け止めていただいているようで、そのご期待にお応えすべく27日の最終日まで頑張りたいと思います。
さて、この間の報道を見ると、どうしても「いくら予算を削ったか」という点に焦点が集まりすぎ、その結果、最終結論の短いフレーズに引っ張られ、議論のプロセスを含めた事業仕分けチームとしての意思が、正確に伝わっていない部分があるように感じています。
市町村で行われてきた事業仕分けと異なり、国の場合は「事業」と言っても間接的なものが大部分です。実際の事業の現場は市町村やNPO、そして独立行政法人等にあり、国は補助金等の形で、これらに資金を渡している「事業」が大部分です。仕分けの結論として「事業の廃止」とされているものの中で、市町村やNPOが行っている現場の事業そのものを廃止すべきとしているものはごく一部にすぎません。多くの場合、国が恣意的に配分を決めている仕組みや、独立行政法人等を通じて「中抜き」されている仕組みを、廃止するよう求めています。この場合、市町村やNPO等の現場に対して、「中抜き」分を抜いた資金を流すための新しい仕組みの創造を想定した「廃止」になっています。(ですから、「廃止」と言っても、「中抜き」分が削減されるのであって、予算全額が削減されることではありません。)
また、話題になっているスーパーコンピューターの開発事業等について、大切な事業であることは繰り返し説明されたものの、「なぜ」「どう」大切なのかについて、全くと言って良いほど説明がなされませんでした。このため、本当に重要で継続が必要であるとしても、少なくとも、きちんとその意義等について総合科学技術会議等で整理し直し、十分な説明ができるようにする必要があるというのが、議論の流れでした。したがって、スーパーコンピューターについての結論を、事実上の凍結と報じているメディアが多いようですが、事実上ということなら「必要性についての再検討・再整理を求める」というのが、仕分け作業での正確な結論だと思います。
これら二点は、事業仕分けが誤解をされ批判されるだけですから、国民的には問題ありませんが、事案によっては、議論のプロセスを踏まえずに結論部分だけ予算に反映されると、とんでもなく歪んだことが生じるおそれもあり、この点をもっとも危惧しています。例えば多くの事業で「予算の○割削減」という結論を示していますが、大部分は、独立行政法人等を不必要に通していることや、天下りの高額報酬、入札制度の問題など、間接経費の削減を求めているものです。これを「○割削減」という部分にだけ着目して、天下りなどを温存したまま総額だけ削減すると、現場にしわ寄せがいくことになってしまいます。
ネット中継がなされるとはいえ、大部分の国民の皆さんが直接に仕分けのプロセスを注目し続けることは不可能です。メディアを通じて伝えられる中身がしっかりとプロセスを踏まえたものでないと、こうした仕分け結果の悪用がやり易くなりかねません。この点をしっかりとアピールし、国民の皆さんに伝えていくことが、仕分け作業本体に加えた私の大事な役割だと思っています。

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画像はhttp://piapro.jp/content/aeuj27kld5p6om7nから。

「飢えた子の前で文学は有効か」

枝野幸男HP発言の続き。「事業仕分け」関係でこんなの→ http://university.main.jp/blog7/archives/2009/11/post_824.htmlが。ブクマコメントはhttp://b.hatena.ne.jp/entry/university.main.jp/blog7/archives/2009/11/post_824.html
次いで、「事業仕分け」関係でhttp://shinka3.exblog.jp/13063761/で「飢えた子の前で科学研究は有効か」といういいフレーズを見る。
そのブクマコメント

id:y_arim ちなみに「飢えた子の前で文学は有効か」に対する筒井康隆のコメントは「間違いなく効果はあります。もっと早く死んじゃう(笑)」だった。ぼくはこの問い、自己陶酔がかっていて少し鼻につくのだけど。 2009/11/26

その筒井康隆の回答を昔読んで、その後ずっと吟味したことがあって思い出したのだけど、餓えた子の前で有効なのは唯一食べ物だけだ。よって、食べ物以外のものが有効だと主張したらそれは詐欺だ。すると、「飢えた子の前で文学は有効か」という設問は、宗教批判だったのかな、と思う。文学は宗教の代用品として機能してきた。自身の無力さにより自覚的な点において文学は宗教より優れているかもしれない。と考えた。
ところで「飢えた子の前で文学は有効か」って元々誰の設問だったんだろう…今検索したら、どうやらサルトルの設問だったらしい。http://oshiete1.goo.ne.jp/qa123273.html http://tesso.exblog.jp/2134810/すぐ解答が得られるとは、我々は良い時代に生きている。
ところで、日本ユニセフ教会とか前田雅英とか竹花豊とかアグネス・チャンとかは餓えた子の前でマンガ規制アニメ規制して警察権限拡大しようとしていますね。お気楽だね。警察天下り先を作ると今目の前で飢え死にしかかっている子どもが助かるんですかね。憤りを覚えざるを得ないが、怒りを鎮め現実行動を展開すべきだろう。警察権限を拡大させても餓えた子は食べ物を与えない限り死ぬのだという、当たり前すぎることを淡々と為政者たちに伝えるという作業を。

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地方条例と表現規制/「進歩と改革」下書き

「進歩と改革」の原稿、友人に原作手伝ってもらって、ネームだけできた。絵を入れるのが締め切りに間に合わなそう。以下に下書きとしてメモする。

表現規制では、国政で法制化に失敗した憲法違反的な悪案が地方条例で成立することがけっこうあります。
鳥取県の「フィルタリング義務化条例」〔一〕は、罰則付きだが「有害情報」の定義が曖昧だったため、検察庁が「違憲の疑いが濃厚である」と反対意見を主張したのに、鳥取県議会はろくに質疑もせず可決。
石川県「子供の携帯電話の所持規制条例」〔二〕
兵庫県「携帯フィルタリング義務化条例」〔三〕
奈良県「子どもへの声かけ禁止条例」〔四〕
なども同類です。奈良県では、親切心から子供に注意した近畿大助教授が逮捕されるという事件まで起きています。

東京都の青少年問題協議会でも、マンガやアニメを児童ポルノとして規制する条例が策定されています。〔五〕
協議会の部会長は前田雅英〔六〕で、彼が選んだ「有識者」達は以下の発言をしています。
新谷珠恵
「今回はアニメ、漫画に特化していますので〔略〕何でそういった〔反論する〕人のことまで〔略〕考えなきゃいけないのかなと思います。〔略〕マイノリティに配慮しすぎたあげく〔略〕〔規制条例が〕通らないというのはどうしても私は納得できない。」〔七〕
「そういう〔反論する〕団体の人たちに対する説明とか調査データも〔略〕示す必要もない」
大場ナナコ
「漫画のひどいものが出ているといったら〔出ているとしたら〕、その人たちはある種の障害を持っているんだ」〔八〕
「〔漫画やアニメを好む人々は〕認知障害を起こしている人たちという見方を主流化する必要があるのではないか」〔九〕
酷い差別発言だらけであります。
前田雅英は会議で以下の発言もしています。
「子どもの人権人権と言う有名な議員さん〔保坂展人議員〕が、児童ポルノといっても宮沢りえのヌード写真集は芸術できれいじゃないか、あなたはそれでも禁止するんですかと言って、その人がアグネス・チャンさんにケチョンケチョンにやられちゃうんですね。」
こんな事実は存在しない。
前田雅英発言
国会図書館でも閲覧禁止になっているし、その議員は何で見たのかといったら、国会質問するから無理やり見せてもらったんですと。アグネス・チャンさんが、十五〜六の写真、そんなにあなた見たいんですか、これが何で芸術なんですか、〔略〕、あなた、十八歳までなぜ待てないんですかと言われたときに、その人は言葉を失うんですね」
こんな事実も存在しない。前田雅英は虚偽を発言し保坂展人の名誉を傷つけています。看過すべきではないと考えます。〔十〕
東京都は出版社の九割以上が集まっていますから、この条例が施行されたら警察は出版産業・コンテンツ産業へ巨大な利権を得ることができます。
地方分権論では、地方議会地方行政の暴走についてあまり省みられません。違憲審査機関を設けて、違憲的条例には歯止めをかけるようすべきかと思われます。

〔一〕インターネットカフェにフィルタリングを義務化、罰則も −鳥取県 http://is702.jp/news/63/
東京都青少年問題協議会 第五回議事録P35 http://www.seisyounen-chian.metro.tokyo.jp/seisyounen/pdf/09_singi/28b5giji.pdf
〔二〕小中学生の携帯所持、条例で規制…石川県で全国初 http://www.yomiuri.co.jp/net/news/20090630-OYT8T00412.htm
石川の携帯電話条例に反対 大学教授らが声明を発表 http://mediajam.info/topic/944374
ネット安全モラル学会、子どもの携帯禁止条例に陳情 http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/45879.html
小中学生の携帯電話を一律規制--石川県の条例案に陳情書 http://news.livedoor.com/article/detail/4218106/
〔三〕青少年の携帯フィルタリング義務化へ 兵庫県が全国初 http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0001619641.shtml
親でもフィルタリングが外せないように条例で規制している。
〔四〕子どもへの不審な「声かけ」禁止条例案 奈良県が提出へ(朝日新聞http://www.asyura.com/0502/social1/msg/455.html
声かけで「脅迫」の近大助教授に無罪 奈良地裁 http://himadesu.seesaa.net/article/24936034.html
〔五〕東京都青少年問題協議会 http://www.seisyounen-chian.metro.tokyo.jp/seisyounen/09_28ki_menu.html
〔六〕首都大学東京教授。警察官僚の娘を嫁にもらって以来、警察の御用学者になったと聞く。
〔七〕東京都青少年問題協議会 第八回議事録 P25 http://www.seisyounen-chian.metro.tokyo.jp/seisyounen/pdf/09_singi/28b8giji.pdf
〔八〕同前 P28
〔九〕同前 P29
『上品な物以外は表現の自由は認めない』東京都青少年問題協議会 第七回議事録 P36
http://www.seisyounen-chian.metro.tokyo.jp/seisyounen/pdf/09_singi/28b7giji.pdf
〔十〕東京都青少年問題協議会 第八回議事録 P25 http://www.seisyounen-chian.metro.tokyo.jp/seisyounen/pdf/09_singi/28b8giji.pdf

以上、書くにあたり「反ヲタク国会議員リスト」メモ 2009-10-02 「規制に反対するヲタクは認知障害者」(東京都青少年問題協議会)http://d.hatena.ne.jp/killtheassholes/20091002に大いに助けられました。情報を整理蓄積することはやはり大切だ。

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