カルトvsオタクのハルマゲドン/カマヤンの燻る日記

表現規制反対活動を昔していた。元エロマンガ家。元塾講師。現在は田舎で引きこもりに似た何か。

「〈キリストの幕屋〉と〈日本会議〉」『進歩と改革』

〔以下は、『進歩と改革』に書いたもの〕
新興宗教「キリストの幕屋」について情報を集めだしてからまだ日が浅いのですが、中間報告を。
「新しい教科書をつくる会」は当初からアレではありますが、一応、保守系市民活動としての性格も持ってました。「幕屋」はそこに多数参入し、「つくる会」をのっとりました。

〔略〕前述した「キリストの幕屋」信者の割合が増えているのが目に見えてわかるというのだ。なぜわかるのか、と問うたところT氏(四四歳男性)とH氏(三四歳女性)が頭の上で指をくるくる回した。
「幕屋の女性の信者さんは皆ほとんど同じ髪型をしているからわかります。長くのばした髪を三つ編みにして上にあげているんです。だからすぐ分かる。」
 「戦争論2のシンポジウム(二〇〇二年二月十三日)でも、幕屋の人多かったですね。平成十年のときのシンポジウムとは、参加者が明らかに違うって感じです。〔略〕」(H氏)*1

幕屋の日曜集会って、サンケイのビルでやってんだ…*2
「幕屋」は「つくる会」の教科書採択運動の主力でした。

「『つくる会』じわり浸透 ポストに冊子・一八〇〇円の本」
朝日新聞 二〇〇一年三月十七日 三十七面記事 
 〔略〕九九年十月、『国民の歴史』が、一部の世田谷区議の自宅に届いた。差出人は、世田谷区に事務局を置く宗教法人キリスト教聖書塾」(手島千代子代表 本部・熊本市)の伝道者。「つくる会」の会員である。「百冊買って、議員や企業の役員、近所の人にも配った」と説明する。
 同じころ、別の信徒が区議会に教科書採択の陳情書を出していた。
 この団体は、六一年に設立された原始福音を重んじる宗教法人。「キリストの幕屋」という別名も持ち、全国各地で伝道活動をしている。〔略〕

で、日本における「イスラエル・ロビー」役をしているようです。

 〔略〕この岡崎久彦藤岡信勝の名前から、「新しい歴史教科書をつくる会」、チャンネル桜、産経正論につながる人脈が浮かび上がり、この人脈から宗教的な団体を見出すことができる。日本におけるユダヤイスラエル・ロビー的な役割を演じている「原始福音・キリストの幕屋」の存在である。
 これは、米国キリスト教右派ユダヤ教との同盟ネットワークが世界的な規模で拡大し、日本の保守勢力にまでその影響が及んでいる可能性を示している。そして、イラク戦争はまさしくこの不気味なネットワークの存在を見せつけるものとなった。〔略〕*3

改憲団体「日本を守る国民会議」っつーのがありまして(いけ図々しい名前だね)。それがその後、「日本会議」に名称を変えました。「日本会議」は「つくる会」「救う会」の地方組織を支えてます*4

日本会議大阪の代表幹事濱野晃吉は「つくる会大阪」の会長代行。*5
生長の家青年部「日本青年協議会」代表・服部守孝は、「つくる会愛知」代表・「救う会愛知」代表で、「刀剣友の会」(建国義勇軍)と一緒に尖閣諸島上陸。*6

…一人で何役もやってるよなあ…
日本会議」理事長・戸澤眞は勝共連合元顧問だし…
勝共連合といえば。
上田清司埼玉県知事が県教委就任を要請した高橋史朗は、右翼団体日本青年協議会をつくった人物で、統一協会のイデオローグで、アンチジェンダーフリー言説をふりまいている人です。アンチ性教育運動とか、マンガ規制とか。
キリストの幕屋」の主張はこんなんですが…

 〔略〕2000年前、東洋の一角に起こったイエスの霊的宗教と、その神秘な力は、永い間、理知的な西洋人にゆがめられて伝えられてきたが、アメリカを経て世界一周したキリスト教は極東の日本において、もう一度、昔日の面影を、それに倍する霊的光彩を取り戻さしむべく、キリストは生きて、今この大和島根にはたらき、遺れる民を集めんとて歩きつつあられるのではないでしょうか。〔略〕*7

誰か翻訳してください。まったく意味不明。

*1:上野陽子『<普通>の市民たちによる「つくる会」のエスノグラフィー』http://web.sfc.keio.ac.jp/~oguma/report/thesis/2001/ueno.htm 

*2:http://www.makuya.or.jp/hikari/sankei.htm

*3:http://www.yorozubp.com/0410/041021.htm

*4:ライブドアニッポン放送株購入で、複数の政治家が変な道徳論でライブドアを非難したが、2005年2月18日19日に産経新聞にコメントした国会議員のほとんどは日本会議系だったようだ。

*5:http://www.jca.apc.org/datu-gomanism/0207setumei.htmlより。以下も同サイトから引用。「日本会議大阪の構成団体をみると、キリストの幕屋のみならず、神道政治連盟神社本庁)・国柱会仏所護念会・IIC(霊友会)・崇教真光念法真教神道青年会などの宗教団体が名を連ねているし、大阪府遺族連合会という日本遺族会の下部団体も名を連ねている。」「〔略〕自民党『歴史・検討委員会』(奥野誠亮顧問、板垣正事務局長)が、1993年10月に行った講演でも、近藤議員は『我々自民党が表に立ってやるとまた変な誤解を生むならばやりようは考えながら、いろんな形で資金的その他でバックアップしてやる。』『先生方が勉強される際にも資金的その他必要になるでしょうね。それは我々がお手伝いしていかないといけないんじゃないですかね。』など(歴史・検討委員会『大東亜戦争の総括』展転社。)と述べている。〔略〕〔奥野誠亮自民党議員らは〕若手の議員を立て、『日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会』(中川昭一代表)を発足させた。さらに平成12年に発足した若手による自民党文教部会『教科書に関する小委員会』(小山孝雄委員長(なお、小山氏は同氏が以前秘書を務めていた村上正邦元議員と同じくKSD事件で逮捕された。村上氏は前記「歴史・検討委員会」の重鎮であった。))が、被控訴人小林〔よしのり〕らが属する『新しい歴史教科書をつくる会』が製作した教科書の検定通過と、この採択に向けた働きかけを、平成13年にかけて行った。このように、『新しい歴史教科書をつくる会』は政治家集団の協力を受けて運動を展開してきた。」以下も参照。『子どもと教科書全国ネット21』HP http://www.linkclub.or.jp/~teppei-y/tawara%20HP/2004.12.17/1.html

*6:鎌倉圭悟「なんちゃって街宣活動」『進歩と改革』2004年2月号。

*7:手島郁郎 「日本民族と原始福音」 http://www.makuya.or.jp/forjapan/nminzoku.htm