カルトvsオタクのハルマゲドン/カマヤンの燻る日記

表現規制反対活動を昔していた。元エロマンガ家。元塾講師。現在は田舎で引きこもりに似た何か。

ライブドアvsフジサンケイ/「マスコミ」によって作られる「悪役」と、その対抗法

http://d.hatena.ne.jp/Pupa/20050301
私の驚きポイントは大きく分けて2点。ひとつは、リーマン・ブラザーズが沈黙している2週間の間に、メディアによって作り上げられたイメージのあまりのダーティなことである。〔略〕そしてその間にメディアが牽引して社会に出来上がった「リーマン・ブラザーズ像」というのは、まるっきり“悪役”である。〔略〕この例は、何か事が起こり、憶測が飛び交う中で企業が沈黙していると、どのようにメディアによってイメージが形成されていくかの実証的な一例ではないかと思う。〔略〕わかりやすい図式、わかりやすい話は読者・視聴者のウケがいいものだ。その話の中である役割にはめ込まれると、イメージは勝手に構築されていく。危機管理コミュニケーションではやはり、早いメディア対応がダメージコントロールのカギになるということだろう。
もうひとつは、24日に出されたリーマン・ブラザーズのプレスリリースの文面と、それに対するメディアの反応である。最初にこのプレスリリースの文面を読んだ時には、その文面の平易さ〔略〕に目を疑い、呆然としたものだ。
〔略〕誰にでもわかる表現で、誰にも誤解がないように書かれている。その上、このリリースのタイトルだったCBについても「CBは、資本市場で幅広く使われている資金調達手段です。」と戦略的でありながら丁寧でわかりやすい説明付き。およそ外資系証券会社の通常のプレスリリースからはかけ離れている。
〔略〕あまりの表現の平易さに、まさかこれがリーマン・ブラザーズ広報の大きな布石になるとは思いもしなかった。ところが、TVメディアも新聞メディアも、上記のように一斉にリーマンのプレスリリースを報道。しかもほぼ発表どおりの表現で報じられている。検証してないが、これは一度メディアの中で悪役イメージをつけられてしまった企業の扱われ方としては、異例の反応と言えるのではないかと思う。
リーマン・ブラザーズ東京の広報部がどこまで状況分析、先を読んでこのリリースを書いたかは何ら推し量る術がないが、〔略〕なんだか怖そうな存在、というイメージに対して、“とっつきやすさ”“わかりやすさ”“親しみやすさ”でもってカウンターをかけたということになるだろう。〔略〕

バッシングへカウンターをかけるさい、丁寧さがいかに大切か、ということなど、色々示唆に富んでいる。
オタクバッシングへのカウンターに対して、唐沢俊一なんかは「何もしないのが一番いい」と繰返ししつっこく言っているが、唐沢俊一流戦術論は「侵略を受けたら降伏してされるがままにしろ、それが一番いい」と主張するのと同じくらい誤っている。思想的に「保守」な(などと書くのは余計か)唐沢俊一の戦術論が「非武装無条件降伏論」なのは、奇妙だと思う人が少ないことも奇妙だが、「非武装論」を戦後一番早く言い出したのは戦中に愛国だなんだとぎゃあぎゃあ言って、さんざっぱら民衆を冤罪で摘発していた特高警察の管轄官庁の長、内務大臣だったりするから、実は必然だったりする。臆病で無策な自己満足のための、頭の中だけで考えた思考法なんだよね。現実から遊離しているのさ。現実から遊離している人間に限って、自分の主張は「現実的」だとか言うんですよね。