カルトvsオタクのハルマゲドン/カマヤンの燻る日記

田舎の生活とか、政治関係とか、表現規制のこととか、狂乱している老母との生活とか

日欧同盟論

K・V・ウォルフレン『世界が日本を認める日』*1、まだ読んでいる途中なのだけど、この中でウォルフレンは日欧同盟を薦めている。私も日欧同盟が一番「現実的な選択」だと思う。
欧州との同盟となると、どうしても日独伊三国同盟を連想してしまいがちなものだが、三国同盟以前に日本には日仏同盟を結ぶチャンスがあった。ポール・クローデル『孤独な帝国』*2を読んで以来、そのことを惜しいと私は思っている。クローデルは日仏同盟が双方にとっていかにメリットあるかを熱心に説いている。もし一九二〇年代に日仏同盟を結んでいたら、第2次世界大戦での日本の役割は全く違うものになった。私は時々、日仏同盟が成立していた場合の1920-1945年を夢想する。日仏同盟していたら、ごく単純に言って、日本は連合国側だ。それ以前に日本は国際的に孤立しないで済んだ。クローデルは仏領インドシナの護衛を日本軍に代行してもらうことを提案していた。仮にそうなっていたら、日本は東南アジアから石油を輸入することが実際の歴史より容易になったと思う。アメリカの石油禁輸を原因とする日米戦争に至らなかった可能性が高くなる。また史実では仏領インドシナに日本軍が進駐したことが「日本は米領フィリピンを攻め込むのでは」という警戒心をアメリカに与えたわけだが、フランスの依頼で護衛をしていたら、史実通りドイツがフランスを「電撃作戦」で攻め込んだとき、日本軍が仏領インドシナに派兵する・駐留する意味が、史実とは違ってくる。史実のような警戒心をアメリカに与える可能性はずいぶん少なくなると思われる。
1930年代の日本は、外交的にやってはならないことばかりやっていた。愚行の連続だった。ちょうど今のブッシュ政権にそっくりだった。というかブッシュ政権日中戦争当時の関東軍&日本政府の愚行をかなり忠実に再演している。日中戦争は14年後に日本の敗北で終了したのだから、たぶんアメリカもあと13年程度で決定的な敗北に至るだろう。日米同盟を継続するのは日本のためにならないと私は思う。
クローデル『孤独な帝国』には、1920年代当時、「壮士(暴力団みたいなもの)」と政治家を分離する法案が提出され流産する記述があった。その直後、有象無象の「右翼団体」が日本政治を捻じ曲げていくわけだが、今とよく似ているね。日本最大の右翼団体日本会議」の謀略は、まるっきり70年前を再演しているように思う。70年前に内務省が謀略していたように公安警察も謀略しまくりなんだろうね、少なくとも情報戦では。左派がなぜか潰滅同然なのも70年前のまるっきり再演だが。
しかしウォルフレン以外に日欧同盟を提案する人がいないのはなぜなんだろ。私が知らないだけで実はけっこういるのだろうか。そうとは感じられないのだけど。あ。辻元清美は日欧同盟に近いことを言っていたかな。
[03:35]K・V・ウォルフレン『世界が日本を認める日』読了。日欧同盟は軍事同盟ではなく、「日本とヨーロッパは国連憲章に対する姿勢を変えてはおらず、『先制戦争』を支持しないと断言する」ことを指す。

*1:

世界が日本を認める日―もうアメリカの「属国」でいる必要はない

世界が日本を認める日―もうアメリカの「属国」でいる必要はない

*2:

孤独な帝国 日本の1920年代―ポール・クローデル外交書簡1921‐27

孤独な帝国 日本の1920年代―ポール・クローデル外交書簡1921‐27