カルトvsオタクのハルマゲドン/カマヤンの燻る日記

表現規制反対活動を昔していた。元エロマンガ家。元塾講師。現在は田舎で引きこもりに似た何か。

「プロジェクトX」は「水曜スペシャル」と同趣旨らしい

プロジェクトX」は「水曜スペシャル」と同趣旨らしい

http://www.sacj.org/openbbs/bbs43.html
o.717 :射場の風景 ●添付画像ファイル
投稿日 2003年5月8日(木)22時12分 投稿者 松浦晋也
〔略〕ところで、今週のNHKプロジェクトX」は、宇宙研が1985年に行ったハレー彗星探査が取り上げられていました。
当地で聞いたお話。その1
 鹿児島では昨日が放送で、とある関係者が集まる宿ではテレビの前に皆集まって放映を待ったそうなのですが…放映が始まるとテレビの前から一人帰依二人消え、どんどん消えと見るのをやめていき、残った者の間では「探査機はどうした」「『さきがけ』『すいせい』という名前すら出てこなかったぞ。探査機が『特殊カメラに』にされてしまっていた」「あれは日本、ソ連、欧州の共同観測だったはずで一番ハレー彗星に近づいたのは欧州の『ジオット』だったのだがそういうことはひとこともでなかったぞ」と語り合いモードに突入したとかしないとか。
その2
 「プロジェクトX」ではH-IIロケットを扱った回(これはNASDAのOBが「島秀雄さんのことが一言も出てこないとは何事か」「アメリカは敵ではなく寛大な技術供与をしてくれたのだ」と猛反発した)、で宇宙研某教授が「宇宙研の貢献もあったのだ」とNHKに抗議したそうです。
 NHKの答えは「これはフィクションですので」というものだったとか。

ならば「フィクションだ」とテロップを入れておけ。タチ悪いなあ。

http://www.platz.or.jp/~takase/diary2/200311.htm#1114
2003年11月14日(金)/「プロジェクトX」の嘘  晴
 日本のマスコミが堕落しているのは周知の事実ですが、何となく……本当に何の根拠もなく、「NHKは大丈夫」的な信頼感がありました。この後に及んでトンだ甘ちゃんですよ全く。
 言わずと知れた感動気質のワタクシ、「プロジェクトX」が大好きでした。問答無用に感動させてくれるこの番組、「真実は小説より奇なり」のオンパレードで、中島みゆきの主題歌「地上の星」の「♪地上にある星を誰も覚えていない、人は空ばかり見てる♪」の下りでは涙腺全開ということも少なくありません。
 目立たず、注目されず、しかし確かな偉業を成し遂げた地上の星たちの無言の活躍が、そらもう日本人に受ける受ける。
 こんな「プロジェクトX」ですが、既に過去2回に渡ってヤラセの摘発を受けているようで(※注)、その度に「あ〜あ、視聴率狙いで事実の感動仕立てってヤツか〜」とガックリ来ていたのですが、不思議なもので「まぁでも全くの嘘ってワケじゃないんでしょ」と諦め気味に事実を受け入れ、そしてまた次回の放送では感動の涙を流すと……馬鹿丸出しの繰り返しをしている訳です。
(※注:2001年放送の第57回「父と息子 執念燃ゆ 大辞典〜30年・空前の言葉探し〜」、第60回「白神山地 マタギの森の総力戦」です。他にもゴロゴロありそうですが、公表されたのはこの2件だと思います)
 しかし今回、本当に身近なところからこの「プロジェクトX」の事実の歪曲、捏造、感動仕立ての演出の裏側を知り、漸く肌身に感じて「ふざけんなっ!」と思うに至りました。身近なところとは伯父で、お題目はロケットです。
 伯父はこのロケット製作のプロジェクトに関わっており、内情をよく知っている立場の人間ですが、とにかく放送を観てその事実捏造に唖然としたと言います。功労者も違えば、関係者として出演した人間の語る事実も違う。第一、このプロジェクトの中心メンバーとして番組に出演した方は実際の中心メンバーではなく、彼は他人がしたことまで自分がやったと語っており、恐らくこれはNHKの「あーもー面倒だから、連絡取れて出演してくれるこの人が全部やったことにしちゃおうぜ」というノリなんだろうな、と簡単に推測できます。
 この番組を見たプロジェクトの関係者たちは何度もHNKに抗議したそうですが、暖簾に腕押しで、全くのシカト状態だったそうです。
 全く関係ない第三者からすると、「この提案をしたのがAさんだったのか、Bさんだったのか」、「ここでこの発言をしたのがCさんだったのか、Dさんだったのか」というようなことは、言わばどうでもイイコトになりがちです。正確な名前が放送されたところで翌日まで覚えているかどうか。また、細かい事実関係も杜撰に受け止めてしまいがちです。視聴者が求めているのはドラマであり、NHKはドキュメンタリーではなくドラマを作ることで視聴者のニーズに応えていると、そういうことなのでしょう。
 しかし、実際に関わった人々は違います。自分たちの功績や思い出、当時の感情、すべてのものが、たった1回の放送でズタボロに汚され、壊されるのです。その放送は感動に飢えている人たちによって軽く持てはやされ、そして簡単に忘れられて行く。やってもいない人が「私がやりました」と語り、事実が捏造されて放映されても誰も真剣に取り合わない。
 こんなことがまかり通る環境を作り上げてしまったのは、「嘘でもいーから感動させて」と馬鹿みたいにエンタメを追い求める私たち視聴者なのです。
 それにしても「プロジェクトX」という番組は、一見地上の星たちにライトを当てているかに見えて、実は一番彼らを食い物にし、馬鹿にしているとしか思えません。番組の製作者にとって「当時の功労者たち」はただの視聴率稼ぎのコマでしかなく、事実がどうとか、当時どんなことがあったのかとか、そんな真剣な話はどうでもいいのでしょう。要は、実際にあったことを元ネタにした方が感動も得られ易く、脚本も作り易い。ドキュメンタリー風のドラマをいかに作るか。その程度のことなのです。
 私たちは毎週見せられる感動秘話に踊らされてイイ気持ちになっていますが、その裏で、歯噛みするほど悔しい思いに囚われている当事者たちがいることを忘れちゃならんと思うのでした。

http://www.jomon.ne.jp/~misago/projectX.html
NHKプロジェクトX、「白神山地マタギの森の総力戦」〜奇跡のブナ林・攻防2000日 への質問状
〔略〕日本自然保護協会のNHKへの質問状はこれです。プロジェクトXの問題点が今明らかに!
2001年7月26日
日本放送協会
   番組制作局長 殿
(財)日本自然保護協会
吉田正人(常務理事)
横山隆一(常務理事)
拝啓
2001年7月10日に放送された、「プロジェクトX 白神山地マタギの森の総力戦」を拝見しました。
この番組に対しては、青秋林道・奥赤石川林道の停止・中止に尽力した地元団体から抗議の声が上がっているとの報道も先日ありましたが、白神山地のブナ原生林の保護、二つの林道問題の解決と森林生態系保護地域の設定、自然環境保全地域および世界自然遺産地域の指定などに直接関わってきた当協会としても、番組における事実関係の誤認、重要な事実の不適切な割愛を指摘せざるを得ません。また、その結果として白神山地の保護に関わってきた個人・団体に関して、きわめて偏った評価及び認識が社会的になされたことをたいへん遺憾に思います。
これまでの白神山地の保護活動の中では、諸処の事情から各活動団体・個人間の関係が悪化するということが多々ありましたが、これに対し、東北地方の自然保護団体が3年がかりの会合を通じて関係修復に努め、再度団体間の信頼関係を培いつつありました。しかしこの番組の放送のためにその努力は一瞬にして無に帰してしまいました。
この番組が、白神山地の保護活動に関して入念な取材による事実確認を怠り、事実とはかなり異なる因果関係や印象を全国に伝え、その結果として、白神山地の自然保護にかかわった個人・団体間の信頼関係も崩したことは、公共の電波を使用する放送局として許されないことと考えます。
ついては、下記の点について貴職の見解を伺うとともに、きちんとした取材に基づいて、白神山地の自然保護活動の実際の経緯を的確に伝え直す新たな方策を検討するとともに、この番組のビデオ販売については中止することをここに求めます。
敬具

白神山地のブナ林が、1970年代の東北地方のブナ林保護運動にはじまり、1985年・国際森林年の秋田でのブナシンポジウムを契機として、青森・秋田両県の自然保護団体のみならず、東北地方ならびに全国各地の自然保護団体の支持と協力によって、林野庁の自然林保護政策を転換した結果として保護されたという視点が全くみられないのはなぜか。
白神山地のブナ林が、当協会のブナ原生林保護基金によせられた寄付金や1987年の1300通を越す保安林解除への異議意見書などにみられるように、全国の一般の人々の協力と支持によっても保護されたという視点が全く見られないのはなぜか。
3 映像として出された、自然保護議員連盟幹事長の岩垂寿喜男元衆議院議員の林道視察は、当協会からの調査要請もあって林道計画の見直しを目的に行われたにもかかわらず、林道推進の国会議員が次々と林道を訪れたというようなナレーションになっているが、これはなぜか。
白神山地のブナ林への脅威は、青秋林道及び奥赤石川林道の2つの林道計画とその後の森林伐採であり、これらに反対する活動は、秋田・青森両県で独立して発足・発展した。最終的には青森県側の住民の保安林解除に対する異議意見書の数の多さが、北村青森県知事の林道中止判断に大きな影響を与えたという基本的事実に関する視点が無く、むしろ秋田県側の自然保護団体の発案や指示によって青森県側の自然保護団体が動いたかのように解説されたが、これはなぜか。
5 異議意見書に関する対処方針は、当協会が意見書提出の手続き等を調査し、秋田、青森両県の自然保護団体に伝えたものである。しかし番組では、秋田県側から青森県側に作戦が伝えられ行われたとされているが、これはなぜか。
6 当協会は、1990年に世界遺産条約の早期批准と白神山地の自然遺産登録を求める意見書を内閣総理大臣に送り、これが契機となって白神山地の自然遺産登録が実現した経緯があるが、これらを一切省略した理由は何か。
以上