カルトvsオタクのハルマゲドン/カマヤンの燻る日記

田舎の生活とか、政治関係とか、表現規制のこととか

2002年「青少年有害社会環境対策基本法案を考える」シンポジウム

以下の資料、清水英夫の発言に注目。登場人物、その後、色々展開しているなあ。とりあえず、2002年2月に書いた文章を、以下転載。
[以下転載〕

http://www.din.or.jp/~kamayan/otachan/yuugaijouhoukiseihouan.html
122 名前: 鎌やん 投稿日: 2002/02/24(日) 02:29
公開シンポジウム「青少年有害社会環境対策基本法案を考える」2・22の報告。AMIでは、鎌やん山田一人さんが観客として参加。(他にもいたかもしれないけど)鎌やんは少し遅刻して、パネルディスカッションから視聴。
壇上は、司会、亀渕(ラジオ業界)、清水英夫映倫)、橋場(毎日新聞)、田中直紀自民党)。司会が「これは吊るし上げのための集会ではない」と説明して、パネルディスカッションが始まる。
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田中直紀田中真紀子の旦那さん)の発言
「有害環境法案」は、自民党参院が作った。田中直紀が委員長。メディアの影響の研究が遅れているのは認める。法律化することで、研究を進める契機にしてほしい。
「他国に合わせる」のが、この法案を作る論拠。地域条例だけでは間に合わないし、地域から要望が多いので、国法化する。暴力と性の情報を規制する。

清水英夫の発言
清水は、20年出版社に勤めた後、20年研究者として憲法21条を研究した。その後、マスメディアの倫理に携わる。映倫、出版倫理委員会議長を勤めている。
自由と規制は、悩ましい問題である。民主主義国家ゆえの問題である。イギリスの映倫中心に、国際会議があり、出席した。「表現の自由」を基礎とする会議だった。そこでレーティング(格付)、ゾーニングという考えも出たが、あくまで「表現の自由」を基盤としている。「表現の自由」「報道の自由」を基盤とするかどうかは、民主国家であるかどうかの証明である。
「有害環境法案」の立法主旨は、「メディアの自立を促進する」だと田中直紀氏は語ったが、「自立しろ」と云いつつ「スカートの裾を踏んでいる」。

・亀渕(ラジオ業界)の発言
昨日、亀渕は、民放連として自民党のヒアリングに出席した。そこで中曽根弘文が「自主規制している、とお前たちは言っているが、俺たちが立法化の動きをしてから自主規制をはじめているじゃないか」と発言した。ここ十年は、テレビが自分たちの力にやっと気づいた十年だ。下品な番組は自主規制で減っている。たとえば「おネプ」は自主規制で止めた。国が一元的に判断するべきではない。
マスメディアには、多くの情報を国民へ与える使命がある。自由選択の幅を狭めてはいけない。

「法案の具体的状況は?」という質問へ、田中直紀が回答
田中直紀
昨年から自民党小委員会が議論を7回している。言論の自由報道の自由にちゃんと配慮している。
社会通念から言って、必要だという認識から、法案を作った。それぞれの事業者に、(規制のための、新たな)協会を作ってもらう。(そこへ「有害環境法」は、「勧告」をする) 地域の父兄(PTA)からの要望が多かったので、法案を作った。
青少年犯罪が深刻化している。環境が影響しているだろう。地域では健全育成運動をしている地域の父兄(PTA)がたくさんいるが、効果が上がらない、という父兄の要望に答えるために、法案を作った。今の社会情勢の中で、青少年が健全に育つため、という、切実さが、父兄にはある。有害な情報・過激な情報は氾濫している。
現状は放置できない状況にある。現在の社会環境を変えたい。責務を明確化するために、法案を作った。「報道の自由言論の自由を侵害しない」と謳っている。子どもの人権は、将来に渡って大人が守らなければならない。(何が都道府県で有害指定されたか、について、点数を列挙。
清水英夫が「役人は毎月指定しなくてはならないから、ムリにでも指定する」と指摘)
田中直紀はテレビを見ていない。(法案を作った人々は、テレビを見ていない)

清水英夫
法的には、規制しなくてはならない事実があるかどうか、「表現の自由」という文脈を踏まえているかどうかが、重要だ。「有害環境法案」には、議員立法につきまとう危うさがある。これは「児童ポルノ法」のときにも思った。 内閣法制局が作ったのなら、また違ったものになったはずだ。テレビを見ていない人が決めて、運用するのは、問題だ。

田中直紀
エロ本の販売方法についての規制をする。自主規制を後押しする。報道や言論は、この法案により、アウトサイダーなものと区別され、こそこそしたものではなく堂々としたものとなるはずだ。
あくまで協会への「勧告」であり、罰則はつけない。
毎日新聞の橋場氏が「異議申立てを認めない法律というのは、どういうことか」と、指摘する)

清水英夫
1984年に自民党は「青少年の有害図書販売規制法案」というのを出した。この法案は罰金刑だった。その流れにある。

・橋場(毎日新聞
この法案の文章は、何が書いてあるのか。「有害環境を規制する」としか書いてない。法文の中の「性・暴力」を、「政治」と言い換えても通じる。意味のない法律だ。

清水英夫
映倫は、1956年にできた。初代委員長は文部大臣経験者、二代目は文部次官、三代目の清水英夫は90年から。三代目でやっと民間から委員長が出た。映倫は、日本初の「第三者機関」だ。だが、最初は紐付きだった。自主規制機関になるには、半世紀かかった。
映倫は、映画会社からは金を貰っていない。「審査料」で成立している。中国から視察にきた人は、なぜ自主規制で成立しているのかが理解できなかった。
韓国の映倫は国の機関だったが、憲法違反の判決が出て、民間化した。だが、委員長は大統領任命だ。

・田島(司会)
「有害環境法案」には、権限を濫用されたときの、救済手段が用意されていない。「子どもの権利条約13条」には、子どもの情報・言論・表現の自由/情報を受ける自由が書かれている。子どもは権利主体である。

・橋場
新聞は読者とのパイプ作りを怠ってきた。その反省を今している。苦情処理の透明性、説明責任を、反省し、実行している。

田中直紀
「有害環境法案」は、三年前から検討をはじめた。「有害環境法案」を作るというのは、民放連も参加している「青少年育成国民会議」の決定だ。放送や報道は、「アウトサイダー」によって信用を落としている。アウトサイダーを規制対象にすることの協力をお願いしたい。

・田島
実状を把握しなおして、考えなおす気はないか?

田中直紀
遅きに失した感があるから、今国会で成立させたい。罰則も規定していないし。グローバル化だし。


会場からの質問。
 山田一人さんが、「少年犯罪は減っているのだから、切迫した状況にあるという田中直紀の説明は誤りだ」と指摘。
田中直紀は「低年齢化している」と回答。
清水英夫田中直紀に「青少年犯罪が少なくなったので、比較上、低年齢の比が増えた、というのが正しい。そういう誤った解釈で立法化するべきではない」と指摘。

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鎌やんの主観的感想
1;「ゾーニング」という考えは、「時と場所を選べ」という日本的作法を、欧米が咀嚼したものではないか?
2;「有害環境法案」は、自民党がメディア・情報を一括管理するために、自民党下部組織であるPTAを焚き付けた、自作自演法案ではないか?
3;「有害環境法案」は、メディア世代でないオッサンオバサンが、若い世代との情報ギャップへの不安・恐怖を覚えていることにつけこんだ法案ではないか?
4;「有害環境法案」は、勇気ある記者の名誉を毀損するための法案ではないか?
5;自民党霞ヶ関は「有害環境法案」で、メディアと情報を一括管理する天下り先を作るつもりではないか?
6;新協会とメディアの作り手の関係は、ヤクザの親分と民衆の関係に似ている。大臣はヤクザの親分に「勧告」し、ヤクザの親分が民衆を「指導」する。大臣は自分の手を汚さず、意思を民衆へ伝える。「ヤクザ社会」的間接統治。
7;出版ゾーニング委員会に参加している秋吉という人が会場から発言したが、頭弱そうで、弁も立たない。なぜあんな人物がゾーニング委員会に参加しているのか?
8;田中直紀は、同じことばかり、延々言う。無能というほどではないが、凡庸な人物だ。
9;清水英夫と、毎日新聞の橋場の発言は、納得がいく・共感できる発言だった。
10;ラジオ業界の亀渕は「ドリフは文化であり、ネプチューンは俗悪である」という、メディア人にありがちな(政治的発言と文学的発言の区別のない、「死んだ文化がいい文化」という)自爆の多い発言をしていた。

126 名前: 青環対法案解説@鎌やん 投稿日: 2002/02/25(月) 04:38
ちょいとこの書き込み↑に対して、問い合わせがあったので、徒然なるままに田中直紀の主張にツコーミをいれてみよう。
先に書きますが、
1;「青環対法案」には、ツコーミどころが多すぎて、脱力してしまう。 (´Д`;)インポサゲ
法案→ http://www.mainichi.co.jp/digital/yuugai/01.html
2;自民党議員の弁論法は、つっこまれどころを先に自分(自民党議員)が喋り、「だから」という接続詞をムリヤリくっつけて、「**しなくてはならない」と言う。論理的な対話をオレはするつもりはない、呑み込め、と、言外に言う論法ですね。仮に「没論理弁論法」と呼んでみます。
これ、田中直紀の発言に、繰り返し出てきます。つか、それしか言っていません。
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「有害環境法案」は、自民党参院が作った。

KSD事件で掴まった村上正邦小山孝夫が作ったのですね。自民党の中でも比較的ヒマな人たちが作った法案です。〔両方とも「生長の家」議員である〕

メディアの影響の研究が遅れているのは認める。法律化することで、研究を進める契機にしてほしい。

「影響」があるかどうか調べた上で、「影響」が見過ごせないから立法、というのが、筋というものです。「影響」がないと判明したら、この法律どうすんねん。この時点で法案の根拠ないこと認めているじゃん (´Д`;)インポサゲ

「他国に合わせる」のが、この法案を作る論拠。

ゾーニングは他の国でもやっている、というのを論拠にしたいらしいが、ゾーニングはどこの国でも議論の途中だし、まして「国はこう決めたから呑み込め」なんてオバカな主張をするのは日本の自民党だけです。欧米列強に近代国家だと認められようと体裁整えていた19世紀じゃあるまいし。

地域条例だけでは間に合わないし、地域から要望が多いので、国法化する。暴力と性の情報を規制する。

「規制が必要である」とする根拠を語っていない。「地方から要望がある」ことを根拠としている。ムダな公共事業と同じかよ!(´Д`;)インポサゲ
「要望」も、政策能力がないから「法律を作った」という実績がほしいヒマで無能な自民党議員と、新たな天下り先を探している霞ヶ関官僚の利害と、生長の家とか統一協会みたいな、(ユートピア思想・社会浄化思想を、法律化したいと常に考えている)宗教団体によるジサクジエン(・∀・)だと思われ。「社会をより良きものにしたい」という宗教人の願い・善意を私は否定するものではないが、客観的ルールであるべき法律に、道徳を持ち込むのは、近代法としてアウトです。説明します。
欧州の「宗教改革」のとき新教と旧教が戦争した結果、「国家権力は道徳(思想信条)に介入してはならない」という反省が生まれました。これを「政教分離の原則」と言う。20世紀に、「政教分離」原則を破棄し、「政治と道徳の一元化」を試みたのは、ソ連です。共産党が政治を決定し、共産党が真実を決定し、共産党が何が善であるかを決定した。「政治と道徳の一元化」の元では、言論の自由は存在できず、国家が弱体化します。結果、ソ連は崩壊した。自民党の政策とソ連の政策の類似性はつとに有名ですが、自民党は一層のソ連化を狙っているようです。たぶん、無邪気に。

言論の自由報道の自由にちゃんと配慮している。

どこがやねんヽ(´ー`)/

社会通念から言って、必要だという認識から、法案を作った

実体のない「社会通念」を論拠にするなよ ゴルァ(゜Д゜,,) 「社会通念」つーものを明晰に言語化しろよ プンプン ヽ(`Д´)/

それぞれの事業者に、(規制のための、新たな)協会を作ってもらう。(そこへ「有害環境法」は、「勧告」をする)

自らは手を汚さない、間接統治ですね ヽ(´ー`)/ 法に基づかない「行政指導」が日本社会の癌ですが、それをこの法律で増幅させたいのね ヽ(´ー`)/

地域の父兄(PTA)からの要望が多かったので、法案を作った。

要望は地方からが多いらしい。メディア世代ではない世代は、メディア世代に不安と恐怖を感じます。なぜなら、自分の知らない情報を、メディア世代は共有しているから。疎外感から、焦りと不安が生じるわけですね。地方では、長閑な田園風景で、親は兼業農家、子どもは家の中でPCゲームをしている、という凄い近代化のギャップがあるので、前近代の意識をまだ抱えている人々が、メディアと情報という近代/現代に対応している子どもに対して、抵抗感・恐怖心を感じるのですね。(´ー`)y―┛~
〔と、当時は解釈したが、むしろ地方のカルト宗教が動いていると解釈するほうが合理的だと思われる〕

青少年犯罪が深刻化している。

深刻化していません。少年犯罪のピークは60年代です。かれこれ40年も昔です。青少年犯罪は減ってます。「青少年犯罪が深刻化している」なんてのはそれこそ3流記者の垂れ流すウソ/妄説です。信じているのは「マスコミの悪影響」に毒されている純朴なオッサンオバサンだけです。「嘘は嘘であると見ぬけないと」現代社会で暮らすのはツライでしょうなあ(´ー`)y―┛~
つか、オメーラだ、「メディアの悪影響」モロ蒙っているのは。反省しる!

環境が影響しているだろう。

まあ、「青環対法」作ろうと言った村上正邦がKSD汚職していたことがばれたりして政治へ信頼をイタズラに損なう行為していりゃ、そりゃその意味「環境が影響」するかもしれませんなあ。(´ー`)y―┛~〔オマケにその汚職議員が「生長の家」議員だからお笑いだ〕

地域では健全育成運動をしている地域の父兄(PTA)がたくさんいるが、効果が上がらない、という父兄の要望に答えるために、法案を作った。

「効果が上がらない」のは、いくつかの理由を考えることができますな。
「健全育成運動」自体、間違っているから効果が思うように上がらない。とか。
「健全育成運動」推進している議員がKSD汚職容疑者だから、とか。
そもそも19世紀的教育が制度疲労起こしているとか。
夢を見るのも大切だけど、リアルな現実にもっと目を向けることをお薦めしますな(´ー`)y―┛~ リアルな現実を見るのはツライから、と、安易に政治に頼るのは、最低ですな。政治とはつまるところ正当化された暴力ですからな。

今の社会情勢の中で、青少年が健全に育つため、という、切実さが、父兄にはある。有害な情報・過激な情報は氾濫している。

19世紀的な教育をしようという枠組が間違っているのでは?(´ー`)y―┛~ 自分がメディア社会に対応できない/社会のかたちが判らない不安を抱えているからといって、その不満を子どもや近代社会にぶつけるのは、ただの八つ当たりでござるよ。〔この「有害情報」論は、むしろ「カルト宗教」たちが社会不安を煽るため警察と一緒に捏造・吹聴していると解釈するほうが、むしろ合理的だと近頃は思う〕

田中直紀の後の発言は繰り返しに過ぎないので、ツコーミはこの辺までで。
飽きました ヽ(´ー`)/

一言で言うと、
19世紀の法律かよ!こんなもん立法化したら、世界に恥かくぞゴルァ!(゜Д゜,,)
でございます。

えーと、「青少年有害環境対策基本法案」と「児童ポルノ法」は、全然別な法律なので、皆様、混同されませんように。
児童ポルノ法」は、「青環対法案」よりは、まだマシです。だって、ちゃんと理屈があるもん…


131 名前: 鎌やん 投稿日: 2002/02/27(水) 02:52

青環対法案の論拠の一つは「凶悪化する少年犯罪」ってものですが、AMIの仲間が少年犯罪の数値のグラフを作ってくれたのでリンク↓
http://xyz1984.tripod.co.jp/graph.gif

〔以上、転載〕