ポール・クローデル『孤独な帝国 日本の1920年代』(草思社)
以下、2002年頃書いた物。
1926年の国会では「壮士」(ヤクザ)を「政治家ら切り離すための」法案が提出されましたが、スキャンダル合戦で荒れに荒れました。結局「壮士」(ヤクザ)を「政治から切り離す」ことに失敗し、新興宗教が軍と官僚に食い込み、「壮士」(ヤクザ)による政治への反撃は、1930年代の政情不安と無軌道を招きます。
当時から「壮士」は、官僚や政治家と結託していました。今とほとんど同じです。
1920年代半ばまで軍隊は人気がなく、縮小される議論が進行していましたが、その数年後には、「壮士」(ヤクザ)は軍や官僚に完全に癒着し日本政治を振り回すことになります。
というのも、1920年代末、「普通選挙」がはじまったことにより、軍や官僚に対抗する新しい政治勢力が生まれたので、従来の既得権益集団は結託してこの新勢力(普通選挙による支持)を潰す活動をしました。その結果、イニシアチブを「壮士」(ヤクザ)へ渡すことになりました。
今年〔2002年〕の春のスキャンダル合戦〔辻元や加藤紘一のスキャンダル〕は、一説では、NPO議連を潰すための、公益法人・特殊法人利権グループの行動だとも言われます。99年に生まれたNPOという新勢力を潰すべく、70年前と同じことが政界で起きたのかもしれません。
1920年代当時の日本の「スキャンダル国会」と「政治家とヤクザの癒着」などのことは、当時の外交官ポール・クローデルによる『孤独な帝国 日本の1920年代』(草思社)にありますので、ヒマのある方は、読むと、今の政界に対して、何かヒントを得るかもしれません。孤独な帝国 日本の1920年代―ポール・クローデル外交書簡1921‐27
- 作者: ポールクローデル,Paul Claudel,奈良道子
- 出版社/メーカー: 草思社
- 発売日: 1999/07
- メディア: 単行本
- クリック: 7回
- この商品を含むブログ (10件) を見る