カルトvsオタクのハルマゲドン/カマヤンの燻る日記

表現規制反対活動を昔していた。元エロマンガ家。元塾講師。現在は田舎で引きこもりに似た何か。

判断力を劣化させる思考法

人の判断力を劣化させるためには、まず情緒を前提し、しかる後に論理展開させる。こうすると思考力判断力が衰える。
偏見、レッテル貼り、ヘイトスピーチレイシズム、など、知性を劣化させる言説はこのような構成をとることが多い。
言い換えると、「好き嫌い」だけで展開させる話法である。物事を「好き嫌い」だけで判断するのはバカのすることである。そしてバカとなるべく全力を尽くす発想法が、これである。
この思考法・話法は、詐欺師が被害者を誑(たぶら)かすときにとくに力を発揮する。前提する情緒は、共感を相手に要求するべきである。情緒は感染しやすい性質を持っている以上、感染させることはそう困難なことではない。情緒の感染にさえ成功すれば、あとは何を言おうと必ず共感する。
この情緒は憎悪や嫌悪を用いるのが比較的たやすい。説得相手、すなわち被害者は、無防備であるか疲労していることが望ましい。説得相手を疲労させる場合、自分に、つまり詐欺師に精神的に依存するよう設計しておくことが肝要である。閉鎖空間であるほうが成功しやすい。共感する以外の選択肢をあらかじめ排除しておけば、ほぼ成功する。憎悪ないし嫌悪への共感に成功すれば、被害者はこの思考法をなぞる限り自分を被害者だとは認識せず、詐欺師と同じように振る舞い、更なる被害者を再生産する。
なお、憎悪を感染させるためには「我々(詐欺師と被害者)」を無謬でキラキラしいものであるかのように感じさせる言葉を適宜使うのが望ましい。「凛とした」「毅然と」といったフレーズはしばしば有効である。

ポチッとな