カルトvsオタクのハルマゲドン/カマヤンの燻る日記

表現規制反対活動を昔していた。元エロマンガ家。元塾講師。現在は田舎で引きこもりに似た何か。

中学入試、のこり1日

今年は我が生徒たちの傍らに、神が寄り添ってくれたらしい。驚くほどよい受験結果となった。
今日までに我がクラスのほぼ7割の生徒が第一志望校に合格した。第二志望合格まで含めると、ほぼ全ての生徒がもう受験が終わった。
我がクラスからは、早稲田中学、早稲田実業渋谷教育学園渋谷中学、桐朋中学などの合格者が出た。例の読書少女も第一志望に合格。さまざまな展開が驚くほど巧くいった。我が生徒諸君、君達は最高の生徒だった。
まだ合格を一つもとっていない生徒のところへ昨日は応援に行った。駅で生徒と保護者と会い、ある程度長い時間話す機会を得た。バス代を保護者におごっていただくというえらいことをしてしまったが、そのおごってもらった金額に上乗せして、学校の入り口の神社の絵馬を購入し、合格祈願した。合格した。
その生徒の応援に行くとき乗っていた自転車が放置自転車として撤去されたらしい。厄払いを果たしてくれたように思う。この日、小さいトラブルがいくつもあったが、どれも深刻なものにはならなかった。
その日、我がクラスの愛らしい女生徒の一人が試験時刻ギリギリに号泣して試験場に来たそうだ。よほど試験のストレスでえらいことになってしまったのかと、同僚が心配して駆け寄ったが、母親に訊くと試験場に来る途中で自転車からコケて、それで号泣していたのだそうだ。手袋が裂けたが、当人は傷がなく、その試験は不合格だったが、その日発表の第一志望校には合格していた。
この日の夜、疲労蓄積していた私は、入試応援の割り振りのとき、美少女小学生への入試応援を断腸の思いで他の人へ譲ったのだということを同僚達の前で、つい本気で告白してしまい、えらいことを口走ってしまったと自分で後悔した。例の有能で美人の事務職の方もその私の失言を聞いていたということに後で気づいた。職場の空気が硬質なものに変わったような気がした。しかしながら、そのミスも深刻なものとしては処理されなかった。なぜなら塾講師はみな、ある意味ペドファイルだからだ。子供好きとペドファイルの間に実際には差異はない。差異があるとしたら、相手の幸せを願うか、そうでないかだ。自身を客観視できないほど人格が幼稚であるかどうかだ。誰しもが幼稚な自我を内面に持つものだが、それに対して反省的であるかどうかだけが本当の境界だ。反省的でない後者はペドファイルだから悪なのではなく、反省的思索能力を欠くから悪なのだ。ペドファイルを糾弾しさえすれば自分は正義の側にいるはずだと思っているらしい智慧の足りない人々は、反省的思索能力を欠く典型だ。
小さなトラブルの続いたこの日、私はお気に入り男子生徒へ自分の大切な、祖霊のお守りを貸していた。このお気に入り男子生徒は両親がかなり年をとった後に生まれた子供で、頭が良くてオタクで虚弱で、受験期の一番重要な時期をずっと休んでいた。受験は頭がいいほうが有利だが、頭のよさで決まるのではなく、訓練の度合いでほぼ決まる。だからこのお気に入り男子生徒は受験に合格できない。彼の父母は中学受験に対し無意味に頑なな姿勢で、彼の訓練度合いでは絶対に合格不可能なところ以外の受験を意味なしと考えていた。だから彼にとって受験は本質的に無意味だった。生徒全員のところに入試応援に行けるわけではない。不毛な受験しかしない彼のところにまで入試応援を割り振ることは不可能だった。そのことに私は哀れみを覚え、せめて私の大切なお守りを入試前日の彼に貸した。その後、同僚と相談し、この男子生徒のお気に入り講師の一人だが、他の多くの生徒から嫌われている無能な講師に急遽連絡し、彼の入試応援に行ってもらうことにした。
彼が入試だったその日、私の周辺では小さなトラブルが頻発したが、それはお守りとは何の因果関係もないただの偶然なのだろう。
例の愛しの美少女小学生も、当人が気に入り、親も納得できる学校に合格した。
入試直前、この愛しの美少女小学生に告白が続いたのだそうだ。彼氏ができた。それで、今は彼女は小学校に行くのが楽しくて楽しくてしょうがないと、彼女の母親から伺った。だから受験はもう止めて小学校に行きたいと彼女は言っていたが、それでも、我々が薦め、当初受験予定だった学校の受験を、もう一日する。その、最後の受験の応援に行く機会を同僚から割り振っていただく。この後、3時間半ほど寝たら、最後の入試応援へ向かう。
楽しい1年間だった。良い生徒達だった。こんなに綺麗に受験を終わらせることができるとは思っていなかった。よい中学受験だった。

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