カルトvsオタクのハルマゲドン/カマヤンの燻る日記

表現規制反対活動を昔していた。元エロマンガ家。元塾講師。現在は田舎で引きこもりに似た何か。

「紀伊国屋事件」で撤去されたマンガとそのシーン

児童ポルノ法」で「紀伊国屋事件」と呼ばれる事件がかつて起きた。「児童ポルノ法」での表現規制を語る上での基礎情報なので以下にそれを記す。
1999年、児童ポルノ法施行に過剰反応した紀伊国屋書店が店内から以下のマンガを撤去させた事件を「紀伊国屋事件」と呼んでいる。『バガボンド』(井上雄彦著、講談社刊)、『ベルセルク』(三浦健太郎著、白泉社刊)、『あずみ』(小山ゆう著、小学館刊)。これらは「芸術」として以下のように認められている作品である。
 『あずみ』  (1997年 文化庁メディア芸術祭 マンガ部門 優秀賞) 累計発行部数1000万部
 『バガボンド』(2000年 文化庁メディア芸術祭 マンガ部門 大賞)  累計発行部数4000万部
 『ベルセルク』(2002年 第6回手塚治虫文化賞 マンガ優秀賞) 累計発行部数2300万部
この「事件」自体は「紀伊国屋書店」の過剰反応だが、「児童ポルノ禁止法」でマンガやアニメが規制されれば、これら公式に芸術と認められた作品まで発禁となることをこの「事件」は示唆している。コンテンツ産業に与える打撃は計り知れない。日本では芸術や文学的な意図を持って描かれたものでも規制対象になる。外国はそうではない。http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20080424#1208973266 井上雄彦著『バガボンド』は、吉川英治の小説『宮本武蔵』を漫画化した作品で、文化庁メディア芸術祭大賞受賞作品であるが、17歳の性交シーンがあったということから撤去された。また人物画を書く上で不可欠なヌードデッサンなども製造罪になりうる。
以下、実際に撤去された作品で、撤去の根拠となったシーン。
バガボンド』↓ 作中の男性(「武蔵だ」と名乗っている又八)が17歳という設定なので、規制対象だと見なされた。

http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/29/3b/7482e9010d731e3fcce827b2e476616d.jpg
ベルセルク』↓ 主人公「ガッツ」が幼少時に性的虐待を受けるシーンが規制対象だと見なされた。

http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4a/01/90ee5cc5e74be4362e90da8d5614d8b1.jpg
『あずみ』↓ 主人公「あずみ」は未成年と設定されているので、全裸で戦うシーンが規制対象だと見なされた。

http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/50/66/bcacaf6e496b84ff67c904c1d3338773.jpg
出典:http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/news/648/1034103504/153 http://members.jcom.home.ne.jp/semaki/zipo/zipokin/4.htm

感じるところのあった同志は   にほんブログ村 政治ブログへ  をクリックされたし。

ベルセルク (1) (ヤングアニマルコミツクス)

ベルセルク (1) (ヤングアニマルコミツクス)

バガボンド(1)(モーニングKC)

バガボンド(1)(モーニングKC)

あずみ (1) (ビッグコミックス)

あずみ (1) (ビッグコミックス)

マンガはなぜ規制されるのか - 「有害」をめぐる半世紀の攻防 (平凡社新書)

マンガはなぜ規制されるのか - 「有害」をめぐる半世紀の攻防 (平凡社新書)