カルトvsオタクのハルマゲドン/カマヤンの燻る日記

田舎の生活とか、政治関係とか、表現規制のこととか

「表現の自由」の起源とか

先日、友人と話していて、「表現の自由」の起源について、話題になった。

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表現の自由」の起源はおそらくウエストファリア条約(wikipedia:ヴェストファーレン条約)だと考えていいと思う。
ヨーロッパでは宗教改革が原因で、三十年戦争という戦乱期があった。1618年から1648年、ちょうど日本では徳川二代将軍秀忠による鎖国政策の開始(1616年、明以外の船の入港を長崎・平戸に限る)から三代将軍家光による鎖国完成(1641年、オランダ商館が出島に移転までの時期に相当する。
三十年戦争プロテスタントカトリックによる戦争だった。長い戦争の結果、ウエストファリア条約が結ばれた。この条約で、国家は国民の信仰に立ち入らないという原則が確立した。(ウエストファリア条約では同時に主権国家体制が確立した)wikipedia:三十年戦争
これが「信仰の自由」「内面の自由」「思想・良心の自由」の法的起源となる。

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日本の場合、同じ時期、徳川幕府キリスト教弾圧などを目的とし、「寺請制度」などにより寺院を国家統治機構の末端化した。「内心の自由」「表現の自由」は権利として見なされなかった。江戸時代には「錦絵」は「多色印刷は人民を堕落させる」という根拠で禁止された。
明治維新後、明治憲法は形式的には「信仰の自由」「表現の自由」を認めた。しかしながら明治政府は統治機構として「国家神道」という宗教を「これは宗教ではない」という強弁で国民に強制する「神聖国家(「思想の自由」のない国家。他に旧ソ連ナチスドイツ、ビザンチン帝国、王権神授説時代の国家など)」だった。「内心の自由」「信仰の自由」「思想・良心の自由」は制限された。たとえば「大逆事件」など。ちなみに「大逆事件」で名を上げた司法官僚は平沼騏一郎である。http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/1274/1025166092/124
さらに治安維持法という悪法が暴走し、それら「精神の自由」は粉砕され、国力を弱めた。「精神の自由」のない国家は弱体化する。
治安維持法内務省に巨大な権限を与え、内務省を太らせた。情報統制法は管轄官庁にとって巨大な利権となる。
敗戦後、現行憲法となった。しかしながら戦後の占領期はGHQによる情報統制が敷かれた。戦中の情報統制は伏字という手段をとったが、GHQは「世論誘導のために報道させる」という方法をとった。日本のテレビ放映網は反共イデオロギー広報装置として設置された。http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20060327#1143396645
これらから日本には「表現の自由」はまだ可能性の段階に留まっている。

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以下、ウィキペディアからぽつぽつ拾う。
表現の自由」は「思想・良心の自由」と一体である。「思想・良心の自由」の根幹が「言論の自由」である。

wikipedia:表現の自由
民主主義にあっては、政治上の意思決定は終局的には市民によってなされることとなるが、適切な意思決定をなすには、その前提として十分な情報とそれに基づく議論が必要となる。情報を得、また議論をなすためには表現の自由は必要不可欠な権利である。いわば、表現の自由は、民主主義の根幹をなしているのである。1689年の権利の章典など西欧の市民革命の中で勝ち取られてきた権利であり、1948年の世界人権宣言第21条、1976年の国際人権規約B規約にも定められている。
創作の自由
表現の自由報道の自由言論の自由に限らず、芸術等の創作的活動に対しても幅広く認められるべきであるとされている。この場合は特に「創作の自由」と呼ばれることもある。政治的、社会的メッセージを明示的にあるいは暗に示した作品は数多く、芸術自体としても高い評価を受けた作品も少なくない。一方で、芸術的創作性の希薄なもの、例えば単にわいせつなだけのものや犯罪の手法等といったものに対して表現・創作の自由が認められるべきかどうかについては議論の対象となっており、しばしば裁判で争われることがある。

優先度をあえてつけるとこんな感じになる。
思想・良心の自由=言論の自由報道の自由)> 創作の自由
エロマンガ表現の自由(創作の自由)は「言論の自由報道の自由」を守るためにも守られなくてはならず、それが民主政治を守ることになる。というのが一応の理屈だと思われる。
なのでエロマンガ表現の自由(創作の自由)を市民的自由権として主張する者は、「言論の(権力からの)自由・報道の自由」を尊重しないと筋がおかしい。まあ、日本で「報道」を独占している既得権益集団は自ら「報道の自由の自殺」をして民主政治の根幹をやばいことにさせているけど。
以上、理屈上の見取り図。

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