カルトvsオタクのハルマゲドン/カマヤンの燻る日記

表現規制反対活動を昔していた。元エロマンガ家。元塾講師。現在は田舎で引きこもりに似た何か。

敷地に捨て猫

1

ウチの敷地には時々捨て猫が置かれる。
ウチで今飼っている黒猫も元捨て猫だ。
黄色い虎縞の猫が先日から敷地をウロウロしている。初めて見たとき、その虎縞猫の様子は落ち着いていた。しばらく人に飼われていたのだろう。
その日のうちに、ウチで飼っている黒猫に追い払われているのを老母が見かけたと聞く。2日ほど前、湖畔道路を私が自動車で走っている時、その虎縞猫がしょんぼりとウチの方角へ向かって歩いているのを見かけた。ウチの黒猫に追い払われどこかへ行こうとしたが、まだウチの近くのほうが食べ物や雨露を凌ぐ場所があるのだろう。あの虎縞は、そう遠くないうちに自動車に轢かれる最期を遂げるだろう、と老母が言う。哀れに感じ、虎縞を迎えに湖畔道路を歩くが、遭遇せず。人の気配で山に逃げたのだろう。
湖畔道路には、古い馬頭観音の石碑が複数ある。虎縞猫を探し、馬頭観音のところに至る。小中学生の頃、通学路だったので、毎日この馬頭観音にお参りした。馬頭観音は交通の神だと私は理解していたので、ウチに事故が今まで少なかったことを馬頭観音に感謝し、これからも事故が起きないよう祈り、あの虎縞猫が轢き殺されるようなことがないよう祈った。
ウチの黒猫はふだんは愛想が悪いが、夜9時半頃になると私に酷く甘える。黒猫に言った。「あの虎縞猫をあまり苛めるなよ」通じるかどうか判らないが、時々通じることがあるので、言わないよりは言っておいたほうがいい。
今夜も虎縞猫を見かけた。人の気配にそそくさと猫は逃げたが、私は猫の鳴き真似をして声をかけた。この虎縞猫を見かけたらこう声をかけようと練習しておいた鳴き真似だ。虎縞猫がこちらを向いた。丸い穏やかな顔をした猫だ。そして逃げていった。
馬頭観音は畜生類を救う観音だそうだ。あの虎縞猫が可哀想な最期を遂げないように。

2

馬頭観音で思い出したが、ウチから見て古い馬頭観音石碑と反対の方角に、馬頭観音を掲げた「神徳寺」というインチキ新興宗教のなんちゃって寺がある。この敷地は以前は元教員の住まいだった。老後を、大きな白い犬と一緒に過ごしていた。中年の女性が老人の身辺の世話をするようになり、老人は彼女に心を許し、自分の死後、土地と家を彼女に譲る書状を書いた。中年女性は親戚にこれを見せてくる、と言ったきり、戻ってこなかった。代わりにヤクザが来て、中年女性に渡したはずのその書状を根拠として、老人を追い出した。老人の飼っていた大きな白い犬は居場所を失い、ほんの一時期だけウチと近所で餌をあげていた。白い犬はその後しばらく湖畔を放浪していたように記憶する。老人は富士山中で転落死体となった。殺害されたのだろう。そしてその老人から奪った土地に「神徳寺」がある。酷い話だ。

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画像は http://piapro.jp/content/ykqmteqbu1jvjf07 から。