カルトvsオタクのハルマゲドン/カマヤンの燻る日記

表現規制反対活動を昔していた。元エロマンガ家。元塾講師。現在は田舎で引きこもりに似た何か。

「判断を任せる」

1

老母は毎年、この時期になると体調を崩す。仕事の処理を全部自分で背負い込んでいたので、この時期には疲労が溜まり、たいへんに気が立ち、客と悶着をよく起こしていた。
長くウチで働いているおばさんが、「(老母は)丸くなった。いつもはこの時期は気が立っていて声をかけると危ないから、なるべく近くに寄らないようにしていた」とコメントしていた。

2

老母は先日来体調を軽く崩しているので、病院へ検査に行ったり、そのほか色々な用事で外に行くことが増えている。
老母「あたしンいなくても、いいな」
いない方が正直、仕事が楽だ。
老母「ケータイ持って行くから、忙しかったら、呼ばれ(呼べ)」
今日に限って、忙しくて人手がほしいということはありえない。バイトを呼んでいるからそれで人手は充分だ。老母と私は仕事の内容が被るので、老母と私が一緒にいると、少なくともこっちは倍疲労する。不愉快な思いをさせられることが多いからだ。
「忙しくて呼ぶことはない。イレギュラーが発生した時の判断を任せてくれれば、それ以外は何も連絡することもない。イレギュラーが発生した時に、自分で処理すると、老母が死ぬほど言い殺すので、それが耐えられないから判断を仰ぐ連絡をとるだけで」
老母はいつにない明るい笑顔で答えた。「判断は任せら(任せる)。もう、ひと夏経験したから、判断に心配はない。自分で判断しろ」
老母は外出した。小さいイレギュラーが発生した。自分で判断処理した。老母が帰宅した。まだイレギュラーの相手が敷地内でウロウロしていた。老母は私に問うた。そして私の処理を聞くなり、私を罵り、言い殺し、イレギュラーの相手のところに行き、戻ってきて再度私を罵り、言い殺した。
私は応えた。「『判断を任せる』といった端からそれか」
仕事がムダに辛い。
老母のこういうことを書くことも別な意味で辛い。身内の欠点を書くことが嬉しい人間などいない。

3

私の家系は思い起こすと、長男に不幸が多い。
父の兄は子供の頃、病気で死んだ。父の姉二人は、ともに長男を失っている。片方の長男は20歳の頃に自殺した。もう片方の長男は酷く苦労し、事業に失敗したあと、幼い子供二人を残して病気で急死した。私は長男だ。

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