カルトvsオタクのハルマゲドン/カマヤンの燻る日記

田舎の生活とか、政治関係とか、表現規制のこととか、狂乱している老母との生活とか

まんが家の労働争議

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以下メモ。みなもと太郎大塚英志、『まんが学特講』、角川文芸出版225-226p

大塚英志 そういえば水野英子さんが少女マンガ界でストライキをやったというのは、本当なんですか?
みなもと太郎 話しにくいことばかり聞いてくるね、君は(笑)。そういう労働闘争はまんが界では、時々起きては潰されてます。
大塚英志 水野英子さんが描かなくなったのは、そのことがきっかけだったという説明を聞いたような気もするんだけど。
みなもと太郎 水野英子さんが「このままではいけない」ということで、自宅に少女まんが家を集めて訴えたわけですよね。それが洩れて、編集者が個別訪問をあとからやる。『水野宅にはもう行くな』と言われたとか言われなかったとか。それで〔水野英子の代表作の〕『ファイヤー!!』は最終回を二回か三回早めに打ち切られてます。
大塚英志 それがきっかけで?
みなもと太郎 かもしれない。やっぱりその時に、二十四年組少女まんが家たちに対する殺し文句が「もうあんたたちは水野英子の時代を卒業しているんだから」だったという。ここらへんはマズイかなあ……。洩れ聞きですヨ(笑)。動労闘争の話は、少年画報社とか集英社とかは年がら年中やってるからね。
大塚英志 まんが家がですか?
みなもと太郎 編集者がやるんですよ。集英社は編集者がやったこともあって、大きな争議があって、『アストロ球団』につながる話は知っているでしょ?
大塚英志 知らないです。
みなもと太郎 あれ読めば書いてある。西村繁男の『さらば、わが青春の「少年ジャンプ」』。あれに詳しく集英社争議のことは載ってる。当時バイトだったのがいちばん音頭とってやって、潰されてクビになって、それでもめげずにまんが原作者になったという。その争議の時に否が応でもまんが家は巻き込まれるわけです。その時に編集者に言われて先頭に立ったお人よしのまんが家は、後で会社との和解が成立した時に、干されるわけですな。それがたとえば末永史。大判「りぼんコミック」のギャグのトップだった末永史がいきなり消える。その穴にバーッと出てこれたのが土だよしこ。で、末永史は『ガロ』に描き出したわね。

末永史について外部リンク
http://homepage1.nifty.com/aochanworld/book.cover2.html
http://www.book-navi.com/book/syoseki/nikai.html

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これ読んで思い出したんですが、AMIに参加していた頃、他の中枢メンバーの漫画家さんが「労働争議だと見なされないようにしよう」とえらい気を遣っていました。その人は上記労働争議の件をそれなりにご存知だったんですね。私はほとんど何も知らなかったけど。だから潰されないだけで御の字で、業界から金引っ張ってこよう、という発想には全然至りませんでした。

まんが学特講  目からウロコの戦後まんが史

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さらば、わが青春の『少年ジャンプ』 (幻冬舎文庫)

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画像は http://piapro.jp/content/tzq689r89czuweky (かつくみ)から。