カルトvsオタクのハルマゲドン/カマヤンの燻る日記

田舎の生活とか、政治関係とか、表現規制のこととか、狂乱している老母との生活とか

都条例敗因分析 何ができていなかったか/今後何をすべきか

私自身、今回の条例改定反対活動において、最前線ではなかった。よって情報はほとんど間接情報だ。私は幸いにして最前線方面から時々情報をいただける。しかしながら、たとえ直接情報であっても情報には避けがたい偏りが生じる。間接情報であるのならなおのこと偏りがあり、空論化の方向に思考力分析力判断力が引っ張られる。以上を前提として以下を読んでいただきたい。

1 条例案改定反対活動のターニングポイントは、今回の場合、10月頃だった。

条例や法律は、条文が書かれる前に実際には勝敗のほとんどが決する。今回の場合、勝敗のターニングポイント時点は10月ごろだったようだ。都庁職員による81回だかに上る「説明会」による議会内反対派への突き上げと、議会内反対派の民主党内影響力の拮抗バランスが崩れたのがそのくらいの時期だと言える。
よって議会や議員の方から見ると、10月頃に「規制反対派」からのアクションが希薄であったのが、今回我々が敗北した大きい要因となる。我々や出版社方面は、その時期に議会に対してもっとずっと活動をするべきだった。

2 どうすれば条文が書かれるよりも前に情報をとることができるのか、またどうすれば条文が書かれるより前に反対活動ができるのか

2-1

議会内に「味方」と言える議員を複数作っておくことが必須条件となる。出版社はここを疎かにし、それが大きい敗因となった。

2-2

今回は松下玲子都議や野上ゆきえ都議を初め、都議会内部に「味方」の議員は複数いた。この複数の「味方」と、出版側・オタク側との接触面が、狭かったことは敗因として数えられる。
ツイッター上などで議員とやりとりをしている人が多かったので、接触面が多いように錯覚していた、という言い方ができる。
政治情勢などのデリケートな話題は、どんなに「味方」の議員が誠実であっても、ツイッターには流すわけにはいかない。メールで書くわけにもいかない。微妙な件、「情勢」に関る件は、後に残るかたちで不特定多数を対象として書くと、それ自体が悪条件になるものだ。よって、基本的には対面で口頭で伝えられるものだ。
我々や出版の側で、生に議員と対面して対話した人の絶対数が、存外少なかったことは敗因である。議員が直接動けない件について、規制反対のために支援者が代わって行なえることはしばしばある。そこが今回、見かけよりもずっと乏しかったと判断できる。

2-3

接触面を増やすべきかどうかに関しては、私と「最前線」の意見は異なる。ロビーに特化して「最前線」にいると、「先を見通せる」ことを必要とするので、接触面が他に増えることは、要素が増えてしまうこととなり、「最前線」にとって必ずしもプラスにならず、むしろリスクの方が大きいからだ。たとえば「漆黒」みたいなのばかりが議員に会いに来たら「最前線」へのダメージは大きい。しかしながら、議員との接触面は原則的には増えるべきだと私は考える。接触面が狭いと、盲点が増えるからである。

2-4

接触面を継続して、可能なら常時接続状態にして、議会内の「空気」を把握しておくことは、議会へ影響力を与える場合、必須であるが、今回、出版方面は、それをしていなかった。これは大きい敗因である。今回は、というよりも、出版方面は今までそういうことをしたことが基本的にないようである。
たとえば新聞社は「政治部記者」というのがこの常時接続の役割を果たしている。よって「政治部記者」はしばしば政治家よりも政治情報を把握していることがある。それに相当するものを出版方面は持っていない。そのため、議会内の「空気」を読みそこない、政治交渉に出版方面が失敗した。これが大きい敗因である。出版方面は、至急、議会と常時接続すべき人員を配置するべきである。

3 どうすれば「普通の人」が「常時接続」できるようになるか

3-1

「味方」の議員の都政報告会には参加するべきである。その際に議員と名刺交換し、会話するべきである。
その上で、その議員が望むことを何か一つ、実現するべきである。たとえば、どんな議員でも支持者が増えることを望んでいるのだから、自分の友人を5〜6人集めて、議員にミニ集会をお願いする、というのは有益である。相互にメリットがある。

3-2

「味方」の議員と生で会える機会を、可能な限り増やすべきである。面識が深くなれば、より深く情報を得ることは当然できる。一度しか会ったことのない人に言える話と、心を許せる相手に言える話は、おのずと異なる。

3-3

「味方」の議員への、年賀状・暑中見舞いなどを絶やさない。「議員」と「人間として」付き合うことは必須である。

3-4

選挙の際、ボランティアをする。これも必須である。選挙に当選するか否かは生死の次に議員にとって重要である。一有権者の意見より、選挙協力者の意見のほうが議員にとって強くなるのは当然である。

3-5

礼儀正しく振舞う。「政治活動」系・「市民活動」系の人々は、存外、議院や議会への振る舞いがぞんざいであることが多い。議員を人間と見なしていないことが多い。そのため当然に議員から信頼されず、結果、議員・議会への影響力が非常に乏しいことがしばしばある。そうなっては目的を全く達成できない。
議員・議会に対して、あくまで礼節をわきまえ、礼儀正しく振舞う。これが鉄則である。これさえしておけば、議員に接触を図ろうとする人は礼儀をわきまえない人のほうがむしろ多いとすら言えるから、議員は必ず君に好意を持つ。だから自信を持って議員と「人間として」つきあうべきである。そうすれば君は必ずや議会とオタクを結ぶ重要なパイプの一本となる。
この「パイプ」が、まだ細く狭いことが、敗因の一つである。

4  出版側はどうすべきだったか

4-1

出版業界の生殺与奪権に関る条例だったのだから、上記のように議員と「常時接続」しておくことが必要だった。これが乏しく、「議員」と出版方面の信頼関係が作られていなかったことは大きい敗因だ。

4-2

出版方面に、作戦プランがなかった。これは大きい敗因である。私が見るに、従来、出版方面は「自主規制をする」という方法論だけで過去の規制に対応してきた。
今回、出版側は「これ以上の『自主規制はしない』」という態度を示した。それへの評価は分かれるが、私はこの態度を肯定的に評価する。[12/19 23:00 訂正]それについて私は断固支持する。[以上訂正] しかし、「自主規制をしない」のなら、「どうやって条例改定という『動き』に対応するか」について、作戦プランが当然に必要だった。私が知る限り、出版側にこの「作戦プラン」が存在していなかった。それでは勝てない。

4-3

冒頭に掲げた「ターニングポイント」の時期に出版方面は議会方面に対して、適切な働きかけをしなかった。これでは勝てない。
議会内の「空気」を変えるために出版にできたことは複数ある。

5  出版側に何ができたか

出版物、特に自社週刊誌に、81回だか「説明会」をしている都庁職員の行動を調査させ、それをスキャンダルとして記事にする、という方法はありえた。自社週刊誌を使って、「不要な条例改定が、なぜ行なわれようとしているのか」について、長期キャンペーンを張ることは当然にできた。規制側の論拠とするものへの反論を、自社出版物への小冊子ならびに電車などの吊広告、あるいはテレビでの広告枠を用いて、発表する手段があった。
これらの手段の何もどれもなぜ使わないのか、私には昔から理解不能であり、今も理解不能である。私は今はもう出版との接点を全然持たないので、出版内の「空気」が私に伝わることはないため、出版内事情は私のところには全く来ない。よって私には昔から理解不能であり今も理解不能である。これらのことをしておけば、東京アニメフェアボイコットという荒業に至る必要もなく、それ以前に充分に条例改定阻止ができたはずである。

6  今から出版に何ができるか、何をすべきか

6-1

京アニメフェアボイコットという荒業を用いた以上、東京都へ対し弱腰になることは厳に慎まれるべきである。

6-2

出版には「作戦参謀」が必要である。出版が持つ人脈を使えばそんなのはすぐに確保できそうに私には思えるが、誰を参謀にしていいのかもしも判らなければ、河合幹雄を作戦参謀とするのが妥当だと思われる。

6-3

都知事選挙統一地方選に向けて、「青少年条例」についての継続的キャンペーン記事を、各社週刊誌を用いて記載するべきである。幸いにしてこの問題に関心を持つ人の数は今回の騒動で相当に増えたから、キャンペーンは商業的に全くペイしないわけでもないはずである。それにより、都知事選と統一地方選の大争点の一つとして「青少年条例」を位置づけさせるべきである。

6-4

都知事選挙の候補擁立には、出版側は積極的に絡むべきである。表立って絡めないのなら裏側からでも必ず絡むべきである。具体的には擁立されそうな候補には必ず担当を貼り付け、青少年条例反対派になるかどうか見極め、「味方」の候補を作るべきである。全候補を「味方」にできればなおのこと望ましい。
可能なら、二段構えで、都知事選に向けて、「青少年条例改廃」へのキャンペーンを週刊誌なりで継続的に展開するべきである。「青少年条例改廃」の直接請求権行使は期日が限られているので、都知事選挙直前直後*1あたりを集計締め切り日に設定するべきである。そうすれば都知事選の最大争点の一つを「青少年条例改廃」とすることができるはずである。都民の50分の1の署名も、そのタイミングでなら集められる可能性がある。*2

6-5

繰り返すが、これらのことを実践しないうちにヘタレるのはバカのすることであり、オタク以下の政治交渉力しかないことの証明となる。出版の政治交渉力はオタク以下だと私は思っているのだが、そうではないことをぜひ証明してほしいと期待する。

追記

以下の意見に賛同する。

http://twitter.com/nazokou/status/13794074309959680
次に出来ること。(1)「説明会」と称する81回のアジテーション集会開催費用の住民監査請求・(2)検閲マニュアル出版費用に対する住民監査請求・(3)検閲マニュアル出版に係る税金の拠出差し止め訴訟(20歳以上の都民税納税者なら誰でも起こせる違憲訴訟) #hijitsuzai 12:15 PM Dec 12th Keitai Webから  nazokou 謎工
http://twitter.com/nazokou/status/13795929815519232
(4)来年4月の知事選候補者に「青少年治安対策本部の廃止・解体」「青少年条例の施行前部分凍結と抜本的見直し・手続き透明化」を公約するよう協定を結ぶこと。この4点の方が条例改廃請求の署名(出しても確実に否決される)より遥かに現実的かつ実効性も高い。 #hijitsuzai 12:23 PM Dec 12th Keitai Webから  nazokou 謎工
http://twitter.com/nazokou/status/13835933677789184
追加。(5)今回の問題とは別に竹花豊の教育委員再任の同意人事は反対すべきと早めに都議会へ陳情すること。前回は昨年の選挙前で民主は賛成、共産・ネット・自治市民は反対。前田雅英中医協委員再任人事を潰した時は就任時に賛成した民主がその後の仕事ぶりで再任反対へ。 #hijitsuzai 3:01 PM Dec 12th webから   nazokou  謎工
http://twitter.com/nazokou/status/13837716982599680
と書いても「竹花って誰よ?」と言う人も多そうなので解説。東京都教育委員(来年に任期切れで再同意案が出る予定)。元副知事で、東京都青少年治安対策本部を創設した張本人。志布志事件で失脚寸前だった倉田がここの本部長になれたのは警察庁時代に竹花の子飼いだったから。 #hijitsuzai 3:09 PM Dec 12th webから  nazokou 謎工
http://twitter.com/nazokou/status/13838338599419904
と言っても、知事が石原本人かその後継者でない人物に変われば、竹花の教育委員再任の同意案そのものが出されない可能性も有り得ることは確か。 3:11 PM Dec 12th webから   nazokou  謎工

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本日の画像は 「(non title)」/「めじか」のイラスト http://piapro.jp/t/zLPH から。
本日のボカロ曲
ほぼ日Pによる、都条例と石原慎太郎をモチーフとした新曲↓

アキバヲタPと猫村いろは姐さんの美声はもっと知られるべき↓

都条例改正案に反対するアウェアネス・リボンhttp://twitpic.com/3gh25s拾った↓

思想地図β vol.1

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そらのおとしもの フォルテ Dreamy Season DXパック

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*1:[12/21 12:00訂正]

*2:[12/22 20:00]選挙期間中は直接請求署名はやってはダメだそうだ。集計期間は2ヶ月間、だそうだ。くそ、このアイデアは変更を余儀なくされた。