カルトvsオタクのハルマゲドン/カマヤンの燻る日記

田舎の生活とか、政治関係とか、表現規制のこととか、狂乱している老母との生活とか

出版への戦術案/表現規制反対戦術

http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20101217#1292522902 の続き。
マンガ表現規制の歴史において、今回初めて、表現規制側と表現規制反対側の勢力が拮抗したと感じる。条文改定阻止はできなかったものの、それはこちら側の作戦の不備に帰すだけであり、勢力均衡においてはむしろ規制反対側が規制側を押していると私は思う。もちろんそれは大手出版社が表現規制反対という姿勢を明確にしたことによる。あとは大手出版社が的確に作戦を立て、実行できるかどうか、が鍵となる。
以下、主に出版社諸姉諸兄へ宛てて、戦術案を書きます。何らかの参考になれば。

1 議員へ「担当記者」をつけるべきである

まず、都議会や東京都から「情報を取る」ことを最優先課題として考えるべきだ。「情報を取る」ためには、都議会と出版側の「窓口」は一つに絞る必要はない。「接触面」は多い方がいい。交渉をする際には、代表窓口を向こうが必要と感じたら、その時点で窓口を一本化すればいい。常態では窓口が一つである必要は全くない。常態で窓口を変に一本化すると、接触面が減り、情報の盲点が増えるばかりで、メリットがない。
今回、10月頃の議会の「空気」を掴めなかったのが敗因だ。だから議会の情報を取るために、各都議会議員に「担当記者」をつけるべきだ。全会派の議員につけるべきだ。たしか都議会議員は全員で127人いるはずだから、127人の作家を担当するには何人の編集が必要なのか、という比喩的計算で、担当記者数を割り出すのがいい。あるいは一会派につき一人の担当、でも構わない。コミック10社のうち3社くらいが各会派につき一人ずつの担当をつけておけば、情報の「常時接続」状態にできるはずだ。
都条例の次は国会で「児童ポルノ法」でやはりマンガ規制がなされるのは充分予想できることだから、国会の法務部会などの議員にも「担当記者」をつけるべきだ。
この記者は「情報収集」を第一の役目とする。表現規制関係の「情報」「空気」がないかどうかを常に調べるアンテナとして配置する。
忘れてはならない原則は「議員は味方にすべき」ことだ。役人・官僚からも情報をもちろん取るのがこの「担当記者」たちの仕事となるが、役人・官僚は場合によっては敵になってかまわない。だが、「表現規制反対」を実現させるためには、議会で過半数の「味方」を作るのが絶対条件である。その目的のために、情報を集めるために、「担当記者」を配置する。

2 「対策チーム」「作戦参謀(軍師)」を作っておく

「議員担当記者」から情報を集めたら、専門家からなるチームで対策を検討する。考えることは専門家に任せるに限る。出版界の人脈を駆使し、しっかりとした論陣を張れるようにするべきである。学識者をこの過程で「表現規制反対」にどんどん巻き込むべきである。
「作戦参謀(軍師)」は必要である。「作戦参謀」は1人による独裁体制が望ましい。複数の人間を「参謀」にすると内部意見対立でムダなロスが生じる。内部意見対立で作戦が止まっては全く意味がない。政治的な対応に正解など存在しないのだから、警察組織などがどう動くかについて「見通せる」能力のある人物一人を「参謀」として作戦指揮させるのが妥当だと思われる。この人選、「参謀」の人選は、「警察にビビらない」人であることが必須条件である。「参謀」が警察にビビらない人であれば、作戦はぶれない。誰を「参謀」にしていいのか、もしも見当がつかないのなら、河合幹夫が妥当だと私は思う。

3 雑誌メディアをフルに使うべきである

「対策チーム」が作成した対策のうち、記事化の可能なものは週刊誌記者に次々と記事化させるべきである。可能なら、十社会が持つ週刊誌全誌で取り扱うべきである。それによって世論は表現規制反対の方向へ形成されていく。

4  プレゼンテーションチームを作っておく

民主党という政党には独特の癖がある。「プレゼンテーションが巧いのが正義、プレゼンテーションがヘタなのは悪」という価値観である。今回、出版側は民主党や東京都との接触において、プレゼンテーション達者な人物を用意しなかったと聞く。これは大きい敗因である。
よって、民主党や都を説得するために、「プレゼンテーション」能力が最も高い人々を選りすぐり、「プレゼンテーション」に特化したチームを作るべきである。これは多人数である必要はない。一人でも構わない。
「対策」チームが作成した対策のうち、プレゼンテーションが必要なものは、このプレゼンテーションチームが行なう。たとえば各政党との折衝・説明、東京都との折衝、81回の東京都による「説明」がなされた相手へのカウンター「説明」は、このプレゼンテーションチームが担当する。

5 意見広告を、継続的に撃つべきである

新聞・テレビの広告枠で、都条例への意見広告を、継続的に載せるべきである。一度派手にやるよりは長く継続して行う方が世論形成のための影響力が大きいと、私は思う。広告枠が使えるのなら使うべきである。電車の吊広告でも意見広告するべきである。
もちろん自社出版物に青少年条例についての意見チラシを全て挟み込むべきである。

6  警察以外の省庁と相談する

青少年都条例とは、「警察」が出版を管轄にしようとする条例だと私は思う。警察は取り締まるのが仕事なので、警察の管轄下では出版界は自由を奪われ、経済的に困窮すると予想される。青少年条例の流れは、韓国警察が韓国のマンガを潰した時と似ていると思う。
警察以外の官庁に助けを求めるのは、これはするべきであります。たとえば経済産業省文化庁総務省などです*1。それらの官庁と協力すれば、警察による管轄化に抵抗できると思われます。

7  表現規制反対記事が書ける人を、少しは優遇するべきである

表現規制反対記事が書けるライターを出版は少しは優遇するべきだと思う。たとえば長岡義幸さんは表現規制問題を長く継続して観察してきた人物であり、表現規制問題についての知恵袋的存在として、もっと優遇されていいと思う。
たとえば山本夜羽音という「有害コミック」問題の頃からずっと表現規制反対に関ってきたマンガ家がいる。「表現規制反対」問題を「大衆化」させるために、彼に「表現規制」をテーマとした作品を描かせるべきである。それを描ける経験と知識のある人間はそうは多くない。山本夜羽音はその代表的な一人である。ここでこそ彼をマンガ家として使うべきである。知事選までの間に、彼に描かせる企画を立ち上げ、広告塔的な作品を描かせるべきである。

8  キャンペーン記事では問題を広げて展開すべきである

[12/20 02:30]追記。雑誌でキャンペーン記事を書くとして、「都条例の現在」だけでは面白く書くのが難しかったり、ネタ切れになったりするので、隣接するネタ・連想的なネタを次々投入するべきである。たとえば過去の「有害コミック」問題の歴史を振り返るとか、さらに遡って昭和頃の検閲についての記事とか、志布志事件の再考とか。あるいは表現規制反対を表明した文化人・漫画家の過去の名作群についての紹介並びに評論とか。そうやって記事の幅を広げることにより、「青少年条例条例反対」への読者の関心・注目度を上げていくべきである。以上追記。

9

上記作戦は、ある程度長期間、具体的には1997年ごろから「表現規制反対活動」を実際に私はボランティアとしてしてきましたので、その上での提言でございます。ぜひご検討されたく思います。
出版社の、とくにマンガ業界の「力」は、ここ数年がMAXとなると思います。行政による介入と少子化により、出版社の力は(国内市場にのみ限れば)長期的には今後縮小が考えられます。だからこそ、ここでしっかりと反撃をしておかないことは、国家百年の計を誤ると考えるものであります。

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*1:[2011/01/11 22:48]正直に言うと総務省はちょっと悩ましい。経済産業省へのアプローチを強めるのが賢明だと思われる