カルトvsオタクのハルマゲドン/カマヤンの燻る日記

表現規制反対活動を昔していた。元エロマンガ家。元塾講師。現在は田舎で引きこもりに似た何か。

「進歩と改革」/青少年都条例二〇一〇年後半

青少年都条例二〇一〇年後半

6月にいったん否決された改定青少年都条例は、十二月に可決してしまいました。
二〇一〇年九月二十一日、定例都議会開始。九月二十三日、石原慎太郎所信表明「青少年条例改正案を早期に提出したい」
八月から十月にかけ、都青少年課〔警察からの出向〕がPTAへ八十回以上の説明会を行ないました。
「『ドラえもん』の隣にこんな本が!」
民主党議員の選挙区だけ狙い撃ちで。実際には区分済みのマンガを。〔注一〕
行政がこんなことしていいのか?
同じ時期、都と出版の話し合いもありましたが、決裂しました。
この二つが決定的で、十一月十六日「民主党が賛成する見通し」との報道。民主党が折れてしまったんですね。
十一月末から十二月にかけ反対イベントが次々打たれましたが、十一月二十二日、条文発表。十二月十三日、総務委員会で可決。十二月十五日本会議で可決。すごいスピード審議でした。
十二月十日、改定条例への抗議としてコミック十社が東京アニメフェアボイコットを表明します。〔注二〕
改定都条例はひどく曖昧で、どれが規制対象になるか不明瞭ですが、ボーイズラブ(BL)・ティーンズラブというジャンルは新たに規制対象になります。BLは「男性同士の同性愛を、女性が描き女性が消費する」ジャンルで、フェミニズム的には「女性のための言語」でして、「悪影響」とは何事かと。
改定都条例は東京都治安対策本部本部長・倉田潤が主導しました。倉田潤警察庁からの出向で、大不祥事・志布志事件に関係しています。
志布志事件…二〇〇三年四月、鹿児島県議選公選法違反容疑で、鹿児島県警が、自白の強要・長期勾留など、違法な取り調べを行った冤罪事件。
警察の出世街道から外れた倉田潤を治安対策本部へ招いたのは、竹花豊〔注三〕のようです。
改定都条例の発端である「青少年協議会」座長・前田雅英は、盗聴法・神奈川県警不祥事の関口祐弘〔注四〕元警察庁長官の娘婿です。
青少年都条例改定は、警察の警察による警察のための改定でした。

〔一〕日刊サイゾーhttp://www.cyzo.com/2011/01/post_6390.html 「〔東京都から〕公開されたのは表示図書(最初から出版社が18禁マークをつけたもの)と指定図書(都の審議会で不健全図書指定されたもの)が一冊ずつである。表示図書 は、「コミックエルオー(LO)」(2010年5月号、茜新社)、指定図書は尾崎晶氏の『人妻爆乳アナウンサー由里子さん』(10年2月、双葉社)である。」
〔二〕「講談社小学館角川書店などの出版社で構成するコミック10社会は10日、過激な性描写のある漫画の販売規制を盛り込んだ東京都青少年健全育成条例改正の動きに抗議して、石原慎太郎都知事が実行委員長を務める「東京国際アニメフェア2011」への出展をボイコットすると発表した。」(2010/12/10-18:43、時事通信
〔三〕竹花豊は2001年広島県警察本部長、03年東京都副知事。都条例を2回改定。05年に東京都青少年・治安対策本部設置。「バーチャル社会のもたらす弊害から子どもを守る研究会」「おやじ日本」を発足。
〔四〕関口祐弘は97年から00年まで警察庁長官。オウム真理教事件捜査を指揮、通信傍受法を成立させた。1999年には神奈川県警覚醒剤使用警官隠蔽事件を初めとする神奈川県警察不祥事問題が明らかになるなど、全国で不祥事が相次いだ。2000年1月に引責辞任に追いこまれた。

関連
http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20090818/1250523401
http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20091126/1259182642
http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20100521/1274369654
http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20101023/1287830447
これの前の「進歩と改革」原稿 http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20101023/1287830447

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