アンゴルモアの標語
98年から99年にかけてホームページ「アンゴルモア」に掲げていた「今月の標語」の一部を発掘したので、ここにクリップしておく。このHPは98年1月に作成、98年6月から公開していた。
99,9
(1)
苦痛などいくらでも耐えられる。ただし他人の苦痛に限る。
(2)
よく知らないけど、「恐怖の大王」も夏コミ、ダミーサークルと見なされて落ちたのかな? だから夏コミに来なかったのかな?*1
99、8
ペドやら児童ポルノやらの論者の方がお増えになられて、私的には嬉しく思います。 ところで、「ロリコン」とか、「ペド」という言葉は、「幼稚な人格」に置き換えてみると、色々すっきり見えるものがあるように思います。 お試しあれ。*2
99,7
生きている蟹を茹でる時には、水から茹でる。初めから湯に蟹を入れると、蟹が逃げるからだ。だから、水から徐々に熱していく。蟹は逃げずに、茹で死にする。我慢強くて聞き分けが良い方は、お気をつけなされ。
99,6
矮小であることと、凶悪であることは、両立する。 他者の嗤い者になっている者が、世界を震撼させることはしばしばある。 怖いですね。
99,5
幸運にもささやかな努力で成果を得ることができた者ほど、他者へ超人的努力を要請する。 他者の幸運を嫉む者は、幸運な者ほども努力してはいない。 個人へ超人的努力を要求する社会は、システムに欠陥がある。 システムの問題は、しばしば個人の問題へ転嫁される。
99,4
「人間はなんて弱いんだ」
弱いのは俺だ。
99,3
臆病な駝鳥(ダチョウ)は、天敵を見ると、地中に頭を埋める。 自分から敵が見えなくなれば、敵からも自分が見えなくなる、と、思っているらしい。 *3
99,01
恐怖の大王なんかに負けません。*4
98,12
安全圏にいる誰かにとって都合のいい正義など、存在しない。
98,12
権威「的」なものを嫌悪する者は、権威「的」なものに存外弱い。 権威「的」なものには敏感だが、なにが「権威」であるかを存外知らない。 だまされまい、としている者は、存外、だまされたくてだまされたくて、ウズウズしている。
98,11
人間個々人の能力は、たかが知れている。
他者にとってできて当然なことができないことをもって卑下するのは誤りである。同時に、自分にとってできて当然なことができない他者を憤慨するのも誤りである。「自分にとってできて当然なこと」を、才能と呼ぶ。
個々人の能力はそれぞれ十全でないから、人は各人置き換えが効かず掛け替えがないのである。だから人間個々人の能力はたかが知れていても人間総体の能力は驚異に値する。
思考する際、我が身、我が心の「保身」を無意識に優先させる者を信用してはならない。保身は他者への残酷の温床である。事の真偽正邪を十分に考慮した後に、自身の安全を考慮し行動しなくてはならない。この順序は逆ではない。まず徹底して観念的に、しかる後に徹底して現実的に。状況に敗北し状況に振り回され続けることは、決して「現実的」態度ではない。
98,10
「判断保留」は、「思考停止」ではない。
「思考停止」は、愚かさの証明である。「思考停止」した人間は、いい加減なでたらめを延々吐き続ける。
「判断保留」は、賢明さの証明である。これのできない人間は、いい加減なでたらめを延々吐き続ける。
「思考停止」した人間には、「区別」と「差別」の「区別」ができない。人為と天災の区別がつかない。他者の行動は「思考停止」した人間にとって、全て天災に等しく、自分の行動によって変化させることはできないと感じている。世界は自分の意志と断絶していると感じるから、世界に対し責任を覚えない。世界とは、自身の行為の結果にすぎないのだが、自分の行動による達成感をかつて感じたことがないので、自分が世界を構成している自覚を感じない。自身の判断がどういう結果をもたらすかについて前向きな想像力が発育不全なので、自身の判断に責任を覚えない。
98,9
「世間は甘い」が、つかこうへいの座右の銘だという。
自分で自分に限界を設けるな、ましてそれを「世間」という架空のものに責任転嫁しようとするな、という意味だと私は解釈する。
「世間」は厳しいのではない。「世間」は自分に何もしてくれないだけのことだ。「世間」は、甘い。
98,8
「ソクラテスもプラトンも、ニーチェもサルトルも、みんな悩んで大きくなった」と歌ってウイスキーのCMをしていた野坂昭如は、アル中になった。
感じるところのある同志は をクリックされたし
画像は http://piapro.jp/t/lp2q から
*1:「ノストラダムスの大予言」で襲来するとされていた「恐怖の大王」が襲来しなかったことに対して
*2:この標語は今は成立しないかもなあ。この12年で随分この界隈の風景が変わった。「ペド」という言葉の受容ニュアンスも変わったように思う。
*3:駝鳥のこの話は嘘だとどこかで見たような気もするけど、どうだろうね
*4:「ノストラダムスの大予言」では、1999年7月に空から「恐怖の大王」が降り、その前後の期間、「アンゴルモアの大王」が支配する、と記述されていたそうだ。それを意識してHPのタイトルを「アンゴルモア」とした。