尖閣問題と田中上奏文
尖閣問題で、海外メディアは日本に対して予想以上に厳しい | 橘玲 公式サイト
http://www.tachibana-akira.com/2012/09/4870
6)日本国内の議論は、日本語の壁のなかでガラパゴス化し、自己完結しているので、海外にはほとんど発信されない。
外務省真面目に仕事しろ、外務省に真面目に仕事させろ、玄葉光一郎外務大臣。
「田中上奏文」の経緯を連想した。http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20051206/1133810677
「田中上奏文」に関しては戦前から多くの研究が行なわれ、国内ではほぼ偽書と断定されていた。(59p)
だが日本、ことに外務省は、「プロパガンダ」の恐ろしさにかなり鈍感だったようである。(60p)
松岡〔洋右〕は「上奏文の用語に熟して」いれば誰でも偽物と見抜くだろうと言った。だが、「熟して」いたのは日本人でも一部。まして一般の欧米人が「容易に」偽物と見抜けたとは到底思えない。〔略〕
〔略〕プロパガンダに対抗する最も有効な武器はメディアを活用しての応戦、場合によっては別のテーマを取り上げての攻撃である。しかし、この問題で欧米や中国メディアを使って必要十分な対抗作戦を展開した形跡は見つからない。
〔略〕大日本帝国は中国戦線の泥沼に踏み込んだことで破滅への道を進むが、中国側で日本の運命を決定づけたとも言える女性がいる。宋美齢である。日中戦争を通じ、日本軍は戦闘では中国国民党を圧倒し続けるが、宣伝戦では終始中国側の優勢が目立った。その立役者が宋美齢だった。〔略〕(62p)
メディアは戦争にどうかかわってきたか 日露戦争から対テロ戦争まで (朝日選書(778))
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それはそれとして、俺ら庶民は俺らの言説が外務省を通じてごく当然に世界に発信されているはずだと前提しているんだが、もちろん事実は全然そんなんじゃないんだが、だからごく一部のバイリンガルな人がひいひいと悲鳴あげながら作業したりしていたりするんだろうなあとか想像するんだが、外務省真面目に仕事しろ、というか我々は外務省に真面目に仕事させるよう圧力かけていいんじゃいないかと。