カルトvsオタクのハルマゲドン/カマヤンの燻る日記

表現規制反対活動を昔していた。元エロマンガ家。元塾講師。現在は田舎で引きこもりに似た何か。

バーベキューの火の起こし方

たまには宿泊客に日々説明していることを記してみる。読者にとって人生に一度くらいは役に立つかもしれない。
バーベキューという言葉は長いので、以下キャンプ業界・宿泊業界の慣例に従ってBBQと記す。
BBQで「火を起こせない」「火を起こすのにえらく手間取る」というのはよくある。以下、「火の起こし方」を記す。
ポイント。1;火は下から上に昇る。2;着火剤はたいがい使い切りなので使い切る。3;炭と炭はキッチリ詰めず、バランバランにせず、空気が通るよう、「やぐら」を組む。
1;火は下から上に昇る。
炭や着火剤の上からチャッカマンを押し当てて火を点けようとする人が時々いる。火は下から上へ昇るものだ。よって、上から下に着火しようとしている限り着火できなくて当然である。左手に着火剤を持ち、右手で着火剤の下からライターで火を点ければ、簡単に着火剤に火がつく。
2;着火剤はたいがい使い切りなので使い切る。
着火剤は固形と液体とある。液体着火剤は固形着火剤の補助として使用するのが利口である。
固形着火剤は何種類かあって、「文化焚き付け」の仲間、炭を卵のボール紙容器のようなものでコーティングしたもの、が主なものだ。
「文化焚き付け」はおが屑を油で固めたものだ。「文化焚き付け」の仲間は、だいたい、切れ目が入っているから、そこの切れ目に従って割って、まず一個に火を点ける。あとは火の点いている一個の上で次々燃やす。「文化焚き付け」の仲間は使い切りなので、全部点火して使い切る。使い残しても意味がない。
炭をボール紙状のものでコーティングしてあるタイプも、割って使う。複数に割って、やはり一個に火を点け、その上で次のものに火を点ける。
3;炭と炭はキッチリ詰めず、バランバランにせず、空気が通るよう、「やぐら」を組む。
BBQグリルには「炭置き網」が付いているので、炭置き網の上で着火剤を燃やす。
「炭置き網」は、炭の灰を炭置き網の下に落とし、空気を下からも送るために存在する。なので「炭置き網」を外して炭を燃やそうとしてはいけない。20〜30組に1組くらいの確率で炭置き網をわざわざ外す客がいる。 
燃えている着火剤は、着火剤同士重ねて置く。種火の状態では、できるだけ纏めておくことが必要だ。着火剤をバラバラに置くとスタートの火力が弱くなりすぎて炭に火が移らなくなる。
燃えている着火剤の四辺を、比較的太い炭で囲む。これが炭の台座となる。
続いて、着火剤の上に、富士山型に細い炭を組む。あるいは、炭の台座の上に、交互に細めの炭を組んでいく。火は一番底の着火剤から昇るから、それを考慮に入れ、火が燃え移るよう炭を組んでいく。
ポイントは、炭を窒息させないこと。そして着火剤の火の上に炭を組むこと。20〜30組に1組くらいの確率で炭の上に着火剤を燃やして全然火力が出ず、何個も着火剤を購入する客がいる。
このまま放っておけば、だいたい20〜30分くらいでいい感じの火力になる。
4;着火剤が燃えている間は、団扇で煽がない。
着火剤が燃えている間に団扇で煽ぐと、火を吹き消してしまう。なので着火剤が燃えている間は何もしない。〔2013/11/20 以下追記〕まだ種火の状態なのに炭バサミで炭を弄りたがる人がけっこういるが、種火の状態で弄ると火が消える。種火の間は「見守る」ことが何より大事。種火の間は煽がず弄らず見守る。たぶん子育ても同じ。〔以上追記〕
20〜30分で着火剤が燃え尽き、炭に火が移っているので、その後、団扇でできるだけ勢いよく仰ぐ。炭の表面が白くなるまで火力を強める。
焼き鳥屋や鰻屋は片手でセーブしながらパタパタと団扇を煽ぐので、それを真似て片手でセーブしながらパタパタ煽ぐ人は2人に1人以上の確率でいるが、そんなことはするべきではない。あれは充分に燃えている炭火を長引かせるためにセーブしているのであって、BBQは比較的短時間に燃やすことを目的とし、この時点では火力を強めることを目的としている。よって火が轟々と出るまで、全力で煽ぐ。全力で。全力で煽げば炭が火を噴き出す。
5;「備長炭」はBBQに向かない
備長炭」は焼き鳥や鰻などを長時間じっくり炙るための炭であり、長時間持つ代わりに、火の点きが悪い。素人では備長炭に着火させるのは無理である。よって比較的短時間で始め、普通3〜4時間、長くてせいぜい6時間程度しか燃やさないBBQには備長炭は適さない。BBQの際は普通の安い炭を購入するほうが妥当である。
6;BBQグリルで紙を燃やさない
以上の通りすれば焚き付けに紙を燃やす必要などない。紙はBBQグリルの灰を汚らしいものにするので燃やさないでほしい。特にボール紙を燃やすのはやめてほしい。BBQグリルでゴミを燃やす奴は死ね。

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