カルトvsオタクのハルマゲドン/カマヤンの燻る日記

田舎の生活とか、政治関係とか、表現規制のこととか、狂乱している老母との生活とか

「表現の自由」のルーツとしてのドイツ三十年戦争を調べようと思っているんですけど

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表現の自由」の法的起源は、ドイツ三十年戦争のウェストファリア(ヴェストファーレン)条約にある。
ので、ドイツ三十年戦争について、ぽっつりぽっつり、日本語で読める本を読んでいる。そんなにたくさんあるわけではないようだ。どうやらドイツ語か、せめて英語が読めないと、これを調べるのは厳しい、と、わりとすぐに判ったが、ともかく日本語で読める本をぽつぽつ読んでいる。俺は語学力が皆無ゆえ。

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ドイツ三十年戦争宗教戦争だった。少なくともその始まりは。そしてウェストファリア条約により、「信仰の自由は各人が持つ」「国家(君主)は信仰の自由に介入しない」という国際的基盤が生まれた。
ドイツ三十年戦争の時代は、1618年から1648年、日本で言うと、大坂の陣(1614〜1615)の直後から島原の乱(1937〜1938)の少し後までの時期だ。日本では島原の乱で戦争は終結するが、欧州ではこのドイツ三十年戦争のように、日本の江戸時代の間中、欧州戦国時代が続き、その間に「軍事革命」が起き、最終的に世界を軍事力で席巻した。
ドイツ三十年戦争が始まる頃、欧州はまだ中世だった。ドイツ三十年戦争が終わった時、欧州は近代に入った。
ドイツ三十年戦争の100年前に、宗教改革が始まった。ドイツ三十年戦争宗教改革の決着の一つだった。

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ドイツ三十年戦争の間に、欧州では「軍事革命」が始まった。組織的な銃の利用が行なわれ、「教練」が発明され浸透した。
一介の傭兵隊長でありながら、戦争で兵士を養うという手法を発明した一代の梟雄ヴァレンシュタインが、カトリック側最強の戦力として台頭する。その軍事力はカトリック守護者神聖ローマ帝国皇帝を凌ぎ、ヴァレンシュタインは王位すら手に届きそうになる。それがため、ヴァレンシュタインは皇帝から暗殺される。
対するプロテスタント側からは、「軍事革命」の体現者スウェーデングスタフ・アドルフが華々しく参戦する。
ドイツ三十年戦争は主に傭兵によって戦われた。ドイツ三十年戦争後、国民皆兵が始まり、兵士の量・国民の数が戦争を決するようになる。

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日本人が「三国志」を、特に横山光輝三国志とか吉川英治三国志とか柴錬三国志を娯楽として読むように、欧米人、特にドイツ人はこのドイツ三十年戦争を娯楽として読んでいる。ようだ。たぶん。
吉川三国志に相当するのが、ドイツ詩人シラーによる『三十年戦史』だ。
シラーの文章は現在のドイツの教科書にも掲載されている。…のだけど、日本ではシラーの翻訳は、なんか、あんまりなくてびっくりするんですけど、どういうことなんだろうね。

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シラーの書いた『三十年戦史』は日本語訳されて岩波文庫に収録されている。買った。挫折中。

三十年戦史 (第1部) (岩波文庫)

三十年戦史 (第1部) (岩波文庫)

第一刷1944年。時代を背負っていて、作者名は現代ドイツ語読みの「シラー」ではなくて、舞台ドイツ語読みの「シルレル」となっている。シルレルとは俺のことかとシラー言い。ギョオテとは俺のことかとゲーテ言い。
いやー、1944年て、太平洋戦争終結の前年ですよ。誰が読んだんだろうか。シラーはドイツではゲーテに次ぐ文豪だからドイツとの同盟国である日本としてはドイツ精神を学ぼうというそんなアレがあって優遇的に翻訳出版されたんじゃないかと想像するんだけど、シラー精神はナチス的ドイツ精神とは対極的じゃないかなあ。シラーの詩ってベートーベン交響曲第九の歌詞「自由賛歌」なものだし、太宰治にも影響与えて『走れメロス』でも言及されているそうだし。1944年というなんか最悪なタイミングで出版されたから全然日本人に三十年戦史が浸透しなかったんじゃないかな。第二刷は1988年。44年間で2回しか刷られていない。
岩波シルレル『三十年戦史』に挫折しているのは、文章が全て旧漢字なので、それを調べながら読むのが手間で。たとえば
丁抹、加特力、壓迫、壽府、覊軛、舊繁
こんなのが1ページの間にゾロンゾロン出てくるんですが、読めます? 今はインターネットとかIMEパッドといった便利なものがあるからまあ調べられますよ、調べられますけどね。
ドイツ語を専門にしている方は新訳を出してくれないものだろうか。たとえば菊池良生あたりが新訳してくれないものだろうか。

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日本語で読める三十年戦争関係の本って、菊池良生のが多くて、
『戦うハプスブルク家

戦うハプスブルク家 (講談社現代新書)

戦うハプスブルク家 (講談社現代新書)

『傭兵の二千年史』
傭兵の二千年史 (講談社現代新書)

傭兵の二千年史 (講談社現代新書)

『哀しいドイツ歴史物語』神聖ローマ帝国とか一応読んだんですけど、『戦うハプスブルク家』が一番ピタリと三十年戦争を扱っていて、『傭兵の二千年史』は面白かったし『哀しいドイツ歴史物語』もけっこう面白かったんですけど、この人は専門がオーストリア文学で、自意識として歴史学が専門じゃないのもあって、というか俺が読んでいるのが新書ばかりなためか、文章がムダに熱いわりに読者が躓きそうなところはわりと放っておいたり、歴史学的厳密性はそれは俺の専門じゃないよみたいなところが感じられて、なんかね。なんかね。

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菊池良生の『戦うハプスブルク家』の種本であるウェッジウッド『ドイツ三十年戦争』が日本語訳されていたので、購入。というかこの本を購入したのは菊池良生の新書を購入するのと同時かちょい前だった。あまりよく知らない時代を知るには先にイメージを少しでも掴んでおきたいと思って菊池良生とかシルレル『三十年戦争』とか購入したんだけど、ひょっとしたら最初からウェッジウッド『ドイツ三十年戦争』に取り掛かったほうが良かったかな。ウェッジウッド『ドイツ三十年戦争』はまだ冒頭を読んでいる途中で、読んでいる途中でブログに書名を書いたりすると読了できなかったことが過去何回かあったので読了してから書こうと思っていたが、とりあえず現時点、以上までをメモしておく。

ドイツ三十年戦争

ドイツ三十年戦争

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グスタフ・アドルフについては http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20130305/1362492938 とか http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20120322/1332430130 とか

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