カルトvsオタクのハルマゲドン/カマヤンの燻る日記

田舎の生活とか、政治関係とか、表現規制のこととか

十四日正月の世話人をした

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ウチの田舎では、旧正月が1月14日にあって、これを「十四日正月」と呼ぶ。道祖神祭りの一形態だ。
集落住民が交代で「世話人」というのを担当して、これを執り行う。
俺は今年「世話人」になった。
1月7日に召集され、役割を決めた。俺は会計補佐になった。
もともとこの風習は、農業社会だった時代に、農閑期に、毎日寄合して毎日宴会する、そういう娯楽だった。と思う。
今はウチの村でも勤め人が多いから、1月7日から1月14日まで毎日会合に行って、朝9時から夜8時くらいまで拘束されて、祭の作業を執り行う、というのに無理がある。
「十四日正月」で「世話人」が行なう作業としては
1;全集落民から「寄付金」を集める。各1000円くらい。集落内の事業者から特別寄付金を集める。各5000円から1万円くらい。
2;その年の「厄年」から特別寄付金を集める。各3000円から1万円くらい。その年の新婚夫婦から特別寄付金を集める。各10万円から5万円くらい(長男かそれ以外かで額の相場が違う)
3;「お神木」を切り出し、設置する。
4;「どんど焼き」を管理する。
5;宮司を手配し、祭り当日の式典の出席者を手配する。
6;「おんべ」と呼んでいる紙垂の形態が複数ある。これを作り、祭りで必要とされるところへ配置する。
7;集めた寄付金の奉納者一覧を貼り出す。
といったものがある。俺は会計の出納係だったのでひたすら寄付金収支と、全員の義務として寄付金集めと、祭の一部参加者への礼金の収支と、そういったものをパソコンに打ち込む、そういう役だった。
俺が村の人間と一週間の間共同作業するというのは生まれて47年、今回がほぼ初めてだった。
前年の「世話人」からの申し送りが貧弱で、何をどうすればいいのか判らないことばかりだった。
今年の「世話人」は集落に生まれた時から生活している人が少なかったので、どういう風習になっているのか判らないことが実に多かった。
集落に昔から生まれ育っている人は口ばかりでちっとも自分で動かない人だった。
世話人」は19人だったが、実際に作業をしたのは半分以下だった。これが原始共産制というものか、とか、柄谷行人がイメージした民主制か、とかくだらないことを思った。
世話人」の代表を「総代」と呼ぶが、今年の「総代」は、半分アル中のような人で、酒を飲むこと以外何も考えていない人だった。ちなみに俺の親戚だ。こんなに長い時間一緒にいたことがなかったのでこんなダメな人だとは知らなかった。
実質取り仕切った「副総代」は元郵便局長の、田舎の知恵者で、悪い意味で。何をどうすればいいか本人は判っているが周りに伝える能力が貧弱で、何をどうすればいいか全然。で、「副総代」は神木切り出し作業など現場へ付きっきりで、俺たち「会計」役に回された5人は、することがないので、というか何をすればいいか判らなかったので、皆、何か自分の仕事はないか、と、競って自分の仕事を探した。幸いにして「会計」に回った5人はそれなりに皆マトモで有能な人だった。
会計の実質責任者の人が現金の収支を手作業で処理していたのを、俺がPCに打ち込み出納帳を作るという、なんかそんなことをずっとしていた。
総代もアル中だったが、もっと性質の悪いアル中が「世話人」にいて、昔の「世話人」は朝から晩まで酒を飲んでいるようなそういう風習だったらしいが、夕食の時にそのアル中に酒を飲ませたということでそのアル中の家族が怒鳴り込んでくるという見幕があったそうだ。俺は幸いにしてそのときさっさと帰宅していた。そのアル中は集落生まれ集落育ちで頭がマトモならもうちょい祭を仕切って良そうなポジションの人だった。頭がマトモではないので。
そんな作業にかかっていたので、で、会計処理は1月いっぱいまでかかったので、1月の間は、ウチの宿泊客が少なくて本当なら嫁と娘と小旅行にでも行くべきだったのだが、そんな暇はなかった。

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この風習も多少は改善されていて、昔は1月1日から1月17日くらいまでずっと「世話人」として拘束されていたそうだが、現在はそれが10日間ほどに短縮している。
ウチの集落もけっこう文化人類学的な風習だと思うが、湖対岸小立地域の風習は、もっとずっと文化人類学的なアレだそうだ。世話人から「神様」の役を選ぶとか。「アニイ」の風習とか。東京からも近いことだし、そういうの研究している学生さんはちょっと調べに行ってみるといいんじゃないかと思う。
談合坂近くの集落からウチの集落に婿で来た俺の親戚が言うことには、談合坂近くの集落の小正月は子供だけで何もかも全部仕切っているそうだから、その風習も学生さんは記録しておくと良いんじゃないかな。とか思う。
ウチの集落の現在の「世話人」方式は、もう色々限界だから、10年後にはだいぶ変質していると思う。

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