カルトvsオタクのハルマゲドン/カマヤンの燻る日記

表現規制反対活動を昔していた。元エロマンガ家。元塾講師。現在は田舎で引きこもりに似た何か。

枝野幸男に質問したこととか/民主党への提言

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毎年、枝野幸男「新春の集い」というのが2月頃あり、ほぼ毎年参加している。
「新春の集い」にはオープンミーティングがセットに通常なっていて、そこで質疑応答時間がある。
あらかじめ質問を考えて参加、というのをしたことはなかったが、今回は質問というか意見をしようと思って、事前に考えていた。この質疑応答時間というのはだいたいダメな人がダメチンな自意識披露時間になるのが普通で、で、ちゃんと頭を整理させておかないと質問時間以内に的確な質問というのはできないものだから、
1;質問内容はあらかじめメールで送っておいて
2;その上で当日質問する
という手順にしたいなあ、と、当日ギリギリまで思っていたが、質問内容をじっくりとまとめることが当日までできなかったので、事前にメールしておく、という手順は踏めなかった。

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当日質問をした内容は以下。
1;なぜ安倍晋三に勝てないのか? 民主党は宣伝に不熱心なのではないか。安倍晋三はNHKを持っている、読売新聞を持っている、産経新聞を持っている。民主党は対抗できるメディアを持っていない。せめて雑誌記者くらいは味方にするべきである。
2;民主党福島原発被害者に寄り添っているように見えないが、その点はどうか。
3;民主党政権時代に消費税増税を決めてしまったのは大失策だと思うがどうか。野党の時の民主党は色々良いことを言うが、与党時代の民主党財務省の言いなりだった。これでは民主党へ政権を与えようという動機が国民に生まれない。次に政権を獲る時はたとえばポール・クルーグマン財務大臣にするくらいのことをしないと政権交代は無理だと思うがどうか。
一つ目の質問以外は http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20141016/1413463241 に書いたことだ。

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上記質問は相当痛いところを突いたようで、枝野幸男の回答は大雑把には以下。
1;民主党政権への期待外れがまだ尾を引いている。民主党は(安倍晋三がしているような)恫喝といった手段がない(のでメディアコントロールできない)。また、自己宣伝というのは嫌いだ。見ている人は見ていてくれるはず。
2;福島の民主党県連は被害者のために頑張っている。
3;財政のことを少しでも勉強していれば福祉のために消費税増税が必要だということは誰にでもわかる。ただ、福祉に使うという約束を実践するためにも、順番として、増税の前に福祉に実際予算付けするなりした上で増税する、という順番の方が賢明だった。

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苦しい回答だ。オープンミーティングでの質疑応答には再質問というのはない。なので以下に自分の意見と疑問を述べる。
まず俺は民主党の、というか枝野幸男の熱烈な支持者だ。だから枝野幸男を責める気は毛ほどもない。提言ができると嬉しいと思っている。
1;安倍晋三は歴代自民党総裁の中でも相当低能だ。森喜朗と同じくらいに。
低能な安倍晋三が長期政権となり、自民党安倍晋三を「降ろす」勢力がなく、民主党安倍晋三を政権から降ろす能力がないのはどういうことだ。
というのが質問の主旨だ。
俺的には、日本では小選挙区制というのはこう機能するんだな、という気がする。つまり世襲政治家により有利に選挙制度が働き、政策の競争など実質的には起きず、自民党内の自浄能力も枯渇する。小選挙区は選択肢を狭める制度だ。
民主党議員は「自民党と対等」という自意識を持っていることが多いが、それが大きな間違いだ。民主党自民党とは全く対等ではない。大手新聞社も官庁も「昔から権力を握っていて今も権力を握っている」勢力を補完するために最適化している。その社会に野党の席など存在しない。
全く対等でない立場から政権を望むには、情報戦宣伝戦くらいしか手段がない。で大手メディアは安倍晋三補完勢力として最適化させられているのだから、そこから零れ落ちたところにしか民主党の味方はいない。
たとえばメディア規制法と90年代から俺は付き合ってきたが(枝野幸男には俺以上に最前線に立っていただいた)、メディア規制法はいつでも大手新聞社とテレビ局は「すでに取り込み済み」で、潰そうとしているのはそれから零れ落ちた雑誌ジャーナリズムだった。だから、雑誌ジャーナリズムが潰える前にそれを味方にするのが、数少ない選択肢の一つだ。安倍晋三政権がもう少し長続きしたら雑誌ジャーナリズム(webマガジンも含む)も潰える。
余談だが、安倍晋三による情報統制で最も効果を発揮したのは、名誉棄損罪の重罰化だと俺は思う。ジャーナリズムがスキャンダルを拾って発表しても、名誉棄損として立件され敗訴されたらその雑誌の売り上げではペイできない。スキャンダルを報じるリスクが媒体にとって大きくなりすぎた。それで政権批判がぜーんぜん語られないようになり、スキャンダルも恐る恐るな報道しかされないのだろうと思う。 参照→ http://gendai.ismedia.jp/articles/-/42109
新聞社の有力者が安倍晋三の食事接待を受けているのはその従属的な現象で、安倍晋三はマトモな人間ではないから、マトモでない人間に直面したら、逆らうのはやめておこうと考えるのは人情であり、だからこそ食事接待など受けるべきではないのだが。
エロマンガの自由よりずっと前に、報道の自由の方は、自民党の、安倍晋三のコントロール下に入ってしまったようだ。残念なことだ。
ところで、民主党はwebの利用とwebでの発信に最も不熱心な政党だ。webを用いて新たな支持者を開拓しようという意思が非常に乏しい政党だ。どういうことだ。
 関連→ http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20150103/1420294947
たとえば訓練を積んだフリー記者に「国会質問ダイジェスト」というのを国会期間中毎日webで配信させるだけで全然違ってくるだろうに。先日の国会での黄川田議員の復興庁に関する質問を偶然聞いたが、あれはしみじみと良かった。
2;俺の友人で、福島原発事故の比較的近くに住んでいた人がいて、それなりに長く避難生活をしていた。
事故当時、「この圏内の人は避難してください」「この圏内の人はできれば避難してください」という政府からのアナウンスがあったが、「できれば避難してください」と言われて「避難したいけどできないよ」という状況の人はたくさんいて、こういう人は当時の民主党政権を恨んでいる。恨んでいた。たぶん今でも恨んでいる。
事故当時安倍晋三政権だったりしたら日本は終わっていたと俺は思うが、それは高所からの展望で、当時から今に至る苦しみにせめて寄り添え、と要求するのは当然な感情だ。
政治の側というのは宿命的に鈍感に動くものだ。
とはいえ鈍感に自民党と同じようなことを民主党がしてしまったら、「じゃあ力のある分、自民党の方がマシだ」と自然に感じるのであって、民主党福島原発事故被害者に寄り添おう、寄り添おう、として、やっと自民党とトントンくらいになる。
民主党議員と民主党議員候補は、俺が見た限りだと、お育ちがお宜しすぎて、貧困とか困窮とか弱者とか、そういうものへの感度が鈍いケースが実に多い。感度が鈍いのだ、という自覚を持って、それでも寄り添おう、とにじり寄る姿勢が必要だ。
だいたい、民主党自民党とは対等ではないのだ。民主党が100の善行を積んで、やっと自民党の1の善行もしくは利権に匹敵する、そういう力関係なのだ。
3;消費税はいずれどこかで必ず上がった。
財務省と自公は、その汚れ仕事を民主党にさせ、それによって民主党政権の命を絶った。
まず「汚れ仕事だ」という自覚はどの程度あったか。その「汚れ仕事」は「政権交代可能な二大政党」という幻想を断つに値する「汚れ仕事」だったか。
民主党がすべきは、福祉の予算をガンガンと付けることだった。保育所など火急に必要で目に見える形で。〔← この一文は我ながらちょっとおかしい。後日別項に追記する〕
自民党民主党のどっちが「汚れ仕事」をするかというババの押し付け合いで、なぜ民主党が自党の将来の政権可能性をぶち壊してまで「汚れ仕事」を引き受けたのか、バカなのか。お人好しだったのか。そんな駆け引き能力で大丈夫なのか。
バカでないのなら、踏むべき手順はもう少しあったはずだ。民主党の観客は自公なのではなく国民だったのだから。増税で直撃食らうのも国民だったのだから。
  関係してそうなちょっとすごい年金保険料制度改善案を見つけたのでリンクしておく。→ http://blog.goo.ne.jp/keisai-dousureba/c/8264526a84ac82a1ff50ab81f62f257a#

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この記事は後で枝野幸男事務所にも投稿します。

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 関連  http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20150103/1420294947

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