カルトvsオタクのハルマゲドン/カマヤンの燻る日記

表現規制反対活動を昔していた。元エロマンガ家。元塾講師。現在は田舎で引きこもりに似た何か。

埼玉と神奈川

http://hp1.cyberstation.ne.jp/straycat/watch/top.htm

■埼玉県 青少年健全育成審議会委員を公募
 埼玉県は「有害図書等」の審査などを行う埼玉県青少年健全育成審議会の委員を募集している。応募資格は、年5〜6回平日に開催される審議会に出席できる県内に在住、在勤または在学する2005年4月1日現在で満20歳以上の者。希望者は、「主な審議会委員歴」などを記入した所定の履歴書と「青少年の健全育成について」をテーマにした作文(800字程度)を埼玉県総務部青少年課企画・総務担当に提出する。募集期間は2005年3月1日(火)〜3月31日(木)。書類選考のあと、面接による第2次審査が行われ、5月中旬までに選考結果が通知される。詳しい応募要領は次のページで確認することができる。(2005/3/11 06:00)
▼「埼玉県/募集!!埼玉県青少年健全育成審議会委員」
http://www.pref.saitama.lg.jp/A01/BR00/seisyounen/03sinngikai/bosyuu/bosyuu.html(埼玉県)

【関連情報】
1.松沢成文・神奈川県知事は2005年3月2日の定例記者会見で、ゲームソフトを規制することについて、「今度の首都圏サミットでは、その有害図書の中のゲームソフト類、ビデオ類もきっちりと規制の対象にして、できるだけ共同の基準を作っていこうと、こういう議論になると思います」と述べ、東京都や埼玉県、千葉県に規制の共通化を呼びかける方針を示している。
▼「定例記者会見(2005.3.2)結果概要」
http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/hisyo/chiji/kaiken/050302.htm(神奈川県)
2.「有害」規制監視隊が入手した埼玉県青少年健全育成審議会の「平成15年度青少年健全育成審議会第1回全体会 第3部会」という資料には、次のような項目があった。

【有害個別指定の実績】
○図書  「悪のマニュアル」(昭和62年10月指定)
      「タイ夜の歩き方」(平成11年9月指定)
      「完全自殺マニュアル」(平成13年2月指定)
      「ザ・リベンジ」(平成13年2月指定)
○ホラービデオ
 3本(平成元年9月:昭和63年の連続幼女誘拐殺人事件に関連して)
 5本(平成9年9月:平成9年の神戸市の小学生殺人事件に関連して)
○バタフライナイフ(平成10年2月:栃木県の中学生による教師殺人事件に関連して)
○アダルト関連図書、ビデオ(平成8年7月まで、以後は包括指定)
 図書 9,964冊   ビデオ 1,539本

 この資料からは、特定の事件が個別指定のきっかけになったことを読み取ることができる。首都圏サミットでゲームソフトの規制が呼びかけられた場合、「平成17年の大阪府の教師殺人事件に関連して」といった理由でゲームソフトが個別指定されるのかもしれない。
3.『朝日新聞』2004年10月18日付2面に掲載された「選任の透明化課題」という記事には、加藤寛千葉商科大学学長(元政府税制調査会会長)の「選ぶ理由公開を」というコメントが掲載されている。この中で加藤氏は、「委員の人選は役所が密室で決めている。正式決定する前にホームページなどで発表し、その人を選ぶ理由や経歴を公開するべきだ。一般の意見を募り、反対意見があれば反映する制度にして初めて、幅広く意見を聞くという審議会の本来の姿になる」と述べている。さらに、『読売新聞』2004年11月16日付夕刊1面「規制改革に慎重発言 内定委員を“解任”」という記事や、『朝日新聞』2005年2月27日付17面「審議会見えぬ人選」という記事では、役所の意に沿わない委員が辞任に追い込まれたケースが報じられている。
 埼玉県がゲームソフトを個別指定するとすれば、今回選ばれる委員が審査、判定に携わる可能性がある。「委員の人選は役所が密室で決めている」状況では、作文や面接で「残虐ゲームソフトは規制すべき」とアピールしない限り、委員にはなれないのだろうか? いずれにせよ、現在のような選任方法は「幅広く意見を聞くという審議会の本来の姿」にはほど遠い、といえるだろう。(2005/3/11 06:30)