カルトvsオタクのハルマゲドン/カマヤンの燻る日記

表現規制反対活動を昔していた。元エロマンガ家。元塾講師。現在は田舎で引きこもりに似た何か。

ヤクザ不況関係

「東京万華鏡日本の金融中枢にヤクザを引き込んだのは誰か?」高野孟(インサイダー編集長)より引用。(「野村証券不正利益供与事件に露出した日本のヤクザ資本主義構造」
http://page.freett.com/artemis/yakuza.htmから重引。)

ヤクザに頭を下げた大蔵省
 私〔高野孟〕が主宰するニュースレター『インサイダー』の85年3月15日号に「大蔵省と山口組」についての小さな記事が載っている。山口組は関西地方をテリトリーとする日本最大の暴力団である。1年前の阪神大震災では、山口組の組長が神戸市の高台の豪邸の前でかいがいしく人々に救援物資を配る写真が世界中に流れて話題になった。当時、大蔵省は主として関東地方を地盤とするいくつかの相互銀行のスキャンダルに頭を痛めていた。相互銀行は資金量も小さく経営体質も弱い。多くは関東系のヤクザに蝕まれて、株式や土地の投機に失敗して大穴をあけたりしていた。大蔵省OBを役員に送り込んで何とか経営を立て直し、ヤクザの関係をクリーンアップしようとしたがうまくいかない。そこで、インサイダーは書いている。「大蔵省は84年末、OBの地下人脈を通じて山口組の竹中正久組長(当時、故人)に東京に進出して、関東系のヤクザを相互銀行から追放するのを助けて欲しいと依頼した」。
 当時、山口組は内部分裂を起こして組長は資金を必要としていた。すぐに承諾して東京に出て、関東系のヤクザと交渉を始めたが、すぐに何者かの手で銃殺されてしまった。しかしこれをきっかけに山口組は、関西から関東へと活動領域を広げただけでなく、大蔵省の了解のもとでおおっぴらに金融界のトップと付き合うようになった。例えば住友銀行は、元々大阪に本店を持ち、東京では営業基盤が弱かった。そこで85 年から86年にかけて、大蔵省が手を焼いていた東京の相互銀行の1つである平和相互銀行を吸収合併し、そのおかげで東京で一挙に店舗の数を増やして日本一の大銀行に躍り出た。その手助けをしたのが、表では当時の竹下登蔵相はじめ大蔵省であり、裏では山口組だった。
 ヤクザと銀行の抜き差しならない関係は、もちろん時代が生んだものではあるけれども、大蔵省が銀行に対して「ヤクザと付き合っていいですよ」と事実上の“行政指導”をしなければ、これほど公然たるものにはならなかった。いまこの国は(大蔵省は責任回避のために30兆円と極端な過小評価をしているが)150兆円から200兆円の不良債権を抱えて身動きが取れなくなっている。ジューセンはせいぜいその総額の10分の1程度の問題にすぎない。政治家と官僚と業界の癒着構造が日本の発展を阻んでいるが、金融に関して言えば、それにさらにヤクザが加わった4者の抱き合いの構造が出来上がっている。それを切開しない限り、この国は破滅するしかない。(2/5/96)

メモ。イトマン事件関係↓

住友銀行により百十年の〝のれん〟はかくして引き裂かれた ―― イトマン抹殺の軌跡を法廷証言を交えて検証する ―― 」野 木 昭 一 著
http://www.rondan.co.jp/html/dokusho/itoman/mokuji.html
第四章 大阪地方検察庁の冒頭陳述書
http://www.rondan.co.jp/html/dokusho/itoman/no4.html
第九章 主役伊藤寿永光の登場
http://www.rondan.co.jp/html/dokusho/itoman/no9.html
(6)住友銀行と伊藤寿永光の癒着
http://www.rondan.co.jp/html/dokusho/itoman/no9-2.html