カルトvsオタクのハルマゲドン/カマヤンの燻る日記

表現規制反対活動を昔していた。元エロマンガ家。元塾講師。現在は田舎で引きこもりに似た何か。

傭兵企業

「フリージャーナリスト志葉玲のブログ」から。

http://reishiva.exblog.jp/d2005-05-10
10日10:30 Hartグループは結構有名なセキュリティー企業のようです。イラクでは15000〜2万人の「警備会社」の社員が活動していると言われますが、これらは復興企業等の警護だけでなく、軍事作戦にも参加している、いわば「傭兵企業」のようです。少し古い情報ですが↓ご参考。
【転載】イラク戦争の民営化http://www.doblog.com/weblog/myblog/10644?YEAR=2004&MONTH=5&DAY=13
〔略〕負傷した人間はたとえ兵士であってもジュネーブ条約に従い人道的に扱われるべきなのですが、アンサール・スンナ軍はそんなことは恐らく配慮しないでしょうし、そもそも米軍はジュネーブ条約なんか全く気にせずやりたい放題しているので(ファルージャ総攻撃の際には負傷したイラク人達を戦車でひき潰していたとの情報もあり)、かなり厳しいですね(ーー;。〔略〕
10日22:50 Hartグループの名はどこかで聞いたことがあると思っていたのですが、思い出しました。けっこうとんでもない企業ですね。
 昨年の4月、Hartグループに雇われていた南アフリカ人がバグダッドから南東に185キロのクートで殺害されました。その男の名はグレイ・ブランフィールド(享年55歳)。ブランフィールド氏は、1980年代のアパルトヘイト下の南アフリカ軍で、ジンバブエボツワナザンビアなど、国外に避難していた反アパルトヘイト活動家たちの追跡、暗殺を任務としていた人物です。たとえば、ブランフィールド氏は、ジンバブエで逮捕された彼のチームの隊員を解放させるために、警官の家族を人質に取っています。また、ボツワナでは反アパルトヘイト活動家への襲撃を支援していましたが、この作戦では子どもを含む14人が殺害されました。
 Hartグループの広報担当は、ブランフィールド氏の「経歴」については知らなかったとコメントしているようですが、同グループは、南アフリカの退役軍人達を何人も雇い入れています。南アフリカでは、反アパルトヘイト活動家だった、ネルソン・マンデラ氏が大統領となると、多くの軍人たちが国外に脱出しました。彼らの仕事は「殺人と拷問と同義だった」(元南アフリカ憲法裁判所判事のリチャード・ゴールドストーン氏談)からです。
 ブランフィールド氏やHartの例に限らず、紛争地で活動する民間軍事企業やその関係者達はアパルトヘイト下の南アフリカピノチェト政権下のチリ、ミロシェビッチ政権下のユーゴスラビア等で残虐行為を働いてきたことが批難されています。そしてイラク戦争/占領においてもアブグレイブ刑務所での虐待にもタイタン社やCACI社などの民間軍事企業の社員が直接関与していたとされています。「警備会社」と言えば聞こえはいいのですが、その実態は戦争請負業者とも言えるものです。民間企業ゆえに軍事規律やジュネーブ条約にもその行動を左右されない、非常にやっかいな存在といえるでしょう。
 齊藤さんは米軍の警護支援の仕事をしていたと報じられていますが、まだその詳細はわかりません。しかし、いずれにしても今回の事件がそれまでの人質事件と全く違う意味を持っていることは確かでしょう。

http://reishiva.exblog.jp/d2005-05-16
 奇しくも、ジャーナリストの橋田信介さんと小川功太郎さんがイラク中部マハムディーヤで襲撃を受け亡くなられてからもうじき一年だ。私はこの事件について、マハムディーヤの住民から話を聞いたのだが、現地では「日本人は米軍のスパイ」だと思われており、橋田さんと小川さんは、そのために襲撃を受けたのではとのことだった。イラクで外国の民間人が殺されたり、誘拐されたりするようになった原因の一つとして民間軍事企業が情報収集等でも米軍に協力していたことがあるが、橋田さん・小川さんのケースもそうである可能性が高い(関連情報http://www.doblog.com/weblog/myblog/10644/263800#263800)。
 今回、齊藤さん拘束事件は、アルジャジーラなど中東のメディアでも報じられたようだが、NPO代表の相澤恭行さんが懸念 しているように、「日本人は自衛隊を送るだけでなく、武器まで持って米国と共にイラク人と戦いに来たのか」とイラクや他のイスラム圏での対日感情がますます悪化するかもしれない。橋田さんと小川さんの死後、現地のメディアはいっせいに「日本人の善意」をイラクの人々に伝えただけに、二人の犠牲はこれで無駄になるかもしれないと思うと、全くやりきれない。