カルトvsオタクのハルマゲドン/カマヤンの燻る日記

表現規制反対活動を昔していた。元エロマンガ家。元塾講師。現在は田舎で引きこもりに似た何か。

「新聞は読んでもよく分からない」

http://dando.exblog.jp/2732590/
 もう一つは「新聞は読んでもよく分からない」と子どもたちから言われている問題である。いや、大学生からもそう言われ始めている。分からせようと書いている小学生や中学生向けの新聞は良いけど、大人の新聞は無理――我が家の下の子もこのタイプである。
 メディア職場を経験して英国に勉強に出ている方の「新聞を読む理由 個人的見解」(小林恭子の英国メディア・ウオッチ)で「必要な情報が入っていないことを、時々感じたが、『日本の新聞は、既に起きたことをいちいち書かない。これまで報道されたことは、《読者が分かっているもの》として、はぶいて書いてあると職場の先輩に説明され、その、『既に報道されたこと』を分かっていない自分の知識のなさを恥じるばかりだった」とあるのを読んで、本末転倒と思った。
 恥じる必要はない。既報分とのダブりを嫌うあまり、毎日読まないと分からない、ある日急に子どもが開いて読んで分からない新聞にしているのは大きな欠陥だ、と私は新聞社内で公言し、同意する幹部もいる。大人の読者だって毎日、全部を見ていられないはずである。しかし、活字が大きくなって減った文字数分に同じ本数の記事を無理して詰め込んでいるから、省略傾向はますます強まっている。はっきり言って読んで分からなくて当然なのだ。
 記事本数を減らしてでも、ダブりをタブー視しないで丁寧な記事を提供するしかない。それには横並び意識を捨て「特落ち」をどんどん容認するしかなかろう。新聞紙面で読者に何を提供しようとするのか――新聞編集の意思決定のあり方を深いところから変えねばならない。無難な網羅主義から早く転換しないと、新聞が読んで分かる読者をどんどん少数派にしてしまう。新聞を購読しなくなった若年無読層問題の原点は、子どもが読んで分からなくなったところにあると考えている。決して販売部門が主体で取り組む問題ではない。

この指摘↑は重要だと思う。

Commented by 黒影 at 2005-05-15 20:45 x
背景となる知識がないと理解出来ないというのは確かに新聞記事の抱える問題点の一つですね。
リンク一つで問題を解決できるネットの記事ですら取り組みがなされないのは困った物です。

「リンク一つで問題を解決できる」のにそれをしようとしないのは、政治・情報関連のあらゆるところで見られる悪癖だと思うけど、この悪癖は何に由来するんだろ。「全くの他者」というのを想定しないで「身内」相手の商売しているからなのかな。
「なぜ新聞には注釈がないんだろ?」とちょうど今日、ムラクモさんと話したところでした。
連想的に書くけど、「マンガ有害論」みたいな「迷信」をしつっこく書く大手新聞は、無知なのか悪意があるのかよお判らないけど、自分が詳しく知っている事柄について、これだけしつっこく「嘘」を連呼したりするのなら、ごく当然に他の事象についてもしつっこく「嘘」を連呼しているんだろうなあ、と、自分の脳味噌で考えることのできる人は考えるだろうね。
まあ、たぶん、新聞は本質的には広告載せるための媒体で、広告費で商売的には成立していて、記事なんてオマケで、新聞紙代なんて「泥棒に追い銭」に近いんだろうけど。
などと新聞をこき下ろしましたが、新聞社のweb配信記事は重宝してます。日本語で配信してくれる外資の通信社か独立系通信社があと10個ほどあるともっと嬉しいけど。