「エホバの証人」内のフォークロア「鳥山明・エホバの証人説」
『ドラゴンボール』などで世界に名の轟く鳥山明に関するフォークロアについて、友人からメモをもらったので、それを元に以下記す。
キリスト教系三大異端と呼ばれているのは、「統一協会」「エホバの証人(ものみの塔)」「モルモン教」である。
『噂の眞相一行情報大全集』(イースト・プレス)176P*1に、以下の記述がある。
この情報について、大泉実成氏が鳥山明氏にインタビューを行い、『消えたマンガ家』(大田出版/新潮OH!文庫)*2ではっきり「ガセ」だと結論づけた。
この「噂」は、「エホバの証人(ものみの塔)」内部で、信者の子どもから『ドラゴンボール』を取り上げるために恣意的に作られた可能性が高い。以下に、簡単に「噂」のストーリーを述べる。
1.鳥山明はエホバの証人2世信者を堕落させるためにサタンから入れ知恵されてマンガを描いていた。
2.しかしその後改心し入信、作品の諸権利などを手放し断筆した。
3.現在描かれている鳥山明作品は手放した会社のスタッフによるもの。
この「噂」の発信源は権田坂にある「ものみの塔」の会衆(キリスト教の教会にあたる)だとも言われるが、はっきりしていない。この「噂」にはいくつかの元ネタがある。
元ネタA
マイケル・ジャクソンらジャクソン・ファミリーも「エホバの証人」信者だが、1985年に、マイケルの「スリラー」PVの内容が問題視され、マイケルは「スリラー」に関する諸権利を手放した事がある(これは有名な事実)。マイケル・ジャクソンについては「ものみの塔」の機関紙のひとつ『目ざめよ!』に載っていた(が、ものみの塔の過去の出版物は教義や主張の変更を恐れて外部にほいほい提供されることはまずない)。
元ネタB
1950年代に一世を風靡したハードボイルド作家ミッキー・スピレインは、「ものみの塔」に入信した際、それまでの作品の内容を恥じて、断筆している。
これらマイケル・ジャクソンとミッキー・スピレイン両名の事例が、教団内のフォークロアに影響を与えた可能性は否定できない。ちなみに「ものみの塔」の内部においては、あまり創作・芸術活動をする者を歓迎しない。「ハルマゲドンを生き残り、その後訪れる楽園で好きなだけやれ」(それまではひたすら布教すべし)とのこと。
鳥山明と似たようなパターンのデマを撒かれたのが、『クレヨンしんちゃん』の臼井儀人である。やはり子どもから取り上げたかったのだろう。
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*2: