カルトvsオタクのハルマゲドン/カマヤンの燻る日記

表現規制反対活動を昔していた。元エロマンガ家。元塾講師。現在は田舎で引きこもりに似た何か。

「知的財産基本法」という口実による愚民化政策に、以下書き送った。

知的財産基本法」という口実による愚民化政策に、以下書き送った。

知的財産基本法の施行状況に対する意見募集」へ対し、意見を述べます。
「知的財産推進計画」(2005年版)の以下の箇所は悪い冗談にしか思えません。もし冗談でないのなら、これを記載させた責任者の名称をそれぞれの官庁ごとに明確化してもらいたい。

〔以下引用〕
第1章 コンテンツをいかした文化創造国家への取組
└I.コンテンツビジネスを飛躍的に拡大する
〔略〕
(2)新しいビジネスモデルと技術を開発する
 4) コンテンツを安心して利用するためのシステムの開発・普及を行う
 ii) インターネット上において違法・有害な情報が増大し、これらに関係する可能性のある事件、犯罪が多発している等の状況にあって、利用者が安全なコンテンツを容易に選択できるよう、2005年度中に、コンテンツの安全性を事前かつ容易に判断できるようにするためのマーク制度の創設に向けた検討を行い、結論を得て、必要に応じ所要の措置を講ずる。(総務省
〔略〕
 (4)青少年の健全育成への自主的な取組を奨励・支援する
 i) 一部のコンテンツが青少年を含め社会全般に悪影響を及ぼしているとの指摘があることを踏まえ、健全なコンテンツの普及拡大を図る観点から、2005年度も引き続き、有害なコンテンツから青少年を守るための業界による自主的な取組や、一部のコンテンツが身体に及ぼす影響も含めて、業界等による定量的な調査研究等の取組を支援する。(警察庁総務省文部科学省経済産業省
〔以上引用〕

以上引用した部分は、インターネットに検閲制度を設ける、という読み取りかた以外の読解が可能だとは思えません。インターネットに検閲制度を設けることがいったい日本の知的財産推進に何の貢献をするのか全く理解不能です。それぞれの官庁の天下り先が作られ、まったくムダな、ムダなばかりか日本の知的活動にとって有害な活動に大量の税金を使うよ、という宣言にしか読めません。
私は今「日本の知的活動にとって有害な活動」と記述しました。説明します。
「一部のコンテンツが身体に及ぼす影響」なんていう意味不明の言説が、まさか日本の責任あるはずの官庁から出るとは思ってもみませんでしたが、いったいこの言説は何に依拠しての言説ですか? 利権獲得のために根拠のない言説を撒いているとしか読めません。
次に、「インターネット上において違法・有害な情報が増大し、これらに関係する可能性のある事件、犯罪が多発している等の状況にあって、」というひどくヘタクソな悪文について。この悪文は故意に誤読を誘うために作文されていると思いますので、解体します。内容は以下です。
1;インターネットに違法な情報が増大している。
2;インターネットに有害な情報が増大している。
3;インターネットの情報に関係する【可能性】のある事件が多発している。
4;インターネットの情報に関係する【可能性】のある犯罪が多発している。
1から4までは、それぞれ、別なことを言っています。以下それぞれについて解析します。
1は「違法な情報」というのがインターネット上に存在する、という主張。ならばそれを取り締まればよいだけのことだ。
2は「有害な情報」がインターネットにある、という主張。「有害な情報」とは違法ではない情報、という意味だ。違法性のない情報を官庁(や天下り先)が統制していいはずがない。違法ではないが「有害」な情報とはたとえば官庁のスキャンダルなどを指すのだろうか? 警察がどのような犯罪を行なったのかというリストなどを指すのだろうか? 警察の主観から見たらそれは「有害」かもしれない。しかしそれは民主制社会を支えるために絶対に統制されてはならない情報だ。
3はずいぶん回りくどい発言だが、つまりインターネットの情報が事件に関係しているとは断言できない、という発言だ。事件に関係していると断定できない情報を権力が統制していいはずがない。仮に事件に関係していると断定できたとしても、それを官庁(や天下り先)が統制していいかどうかは全く別問題だ。そもそも情報統制は行政がするべきことではない。
4は犯罪に関係していると断定できない情報、という意味だ。もちろんそれを行政が統制していいはずがない。
以上から、行政が情報を統制することを全く正当化できない。もちろん行政や官庁の天下り先に情報を統制させていいはずがないし、そんなことをしてコンテンツ産業促進も行なおうというのは、全く政策として矛盾している。
以上。

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