カルトvsオタクのハルマゲドン/カマヤンの燻る日記

表現規制反対活動を昔していた。元エロマンガ家。元塾講師。現在は田舎で引きこもりに似た何か。

「入学金」は日本特有の因習

http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20060123#1137988243《「一斉入試」という、日本特有(東アジア特有)の因習》の続き2つめ。

http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/edu/wadai/archive/news/2006/02/20060202ddlk45040476000c.html
大学進学調査:家計負担、重い98% 入学費用、平均176万円 /宮崎
 〔略〕回答によると、受験料、受験地への交通費、納付金(入学しなかった大学への納付も含む)、引っ越し代などの入学費用は平均176万2000円(前年161万円)。大学別では国公立が139万5000円、私立が205万2000円だった。〔略〕
毎日新聞 2006年2月2日

という記事を見て、『反社会学講座』の以下の記述を思い出した。

意外と知らない人が多いようなので改めて申し上げますが、ヨーロッパの国立大学では授業料はタダか、徴収しても日本円にして年間数万円くらいの場合が多いのです。授業料を負担するのは学生でも親でもなく、国なのです。ヨーロッパでは私立の大学はほとんどありませんので、結局、ほとんどの学生は授業料を払っていないことになります。
フランスでは、健康診断・学生社会保険料などを含め、年間日本円にして三万数千円ほどを納付金として払うだけです。
ドイツでは大学は国立ではなく州立ですが、授業料がタダという点では変りません。やはり年に二万円弱を払いますが、この費用には、交通機関の無料パスも含まれます。大学生なら、市内の地下鉄・市電・バスの料金まで無料ということです。留学生にもこのパスは発行されるとのことですから、〔略〕定期代の出費だけでもバカにならない日本の学生さんからしてみれば、うらやましく、また、ねたましいかぎりです。〔略〕
授業料がないくせして、なおかつ国の奨学金制度もあります。ヨーロッパでは奨学金は、おもに生活費や本代としての意味合いで支給されるのです(衣食住の費用は日本に比べて安いけど、本は高い)。奨学金のほとんどが授業料に消えてしまい、生活費にまでまわるはずもない日本とはエライ違いです。
しかもヨーロッパの奨学金には貸与ではなく給与のものが多いのです。もらえちゃうわけです。アメリカでも、国がやっているペルグラントなんて奨学金には返済義務がありません。〔179-180p〕
アメリカの大学は日本のようにきっちり授業料を取ります。しかも安くありません。州立の総合大学では四〇万円を超えます(2001年)。授業料だけ見れば日本の国立大学と大差ありませんが、日本には入学金という独自の制度があります。欧米の大学には入学金はありません。〔182p〕

反社会学講座

反社会学講座

なんだって我々はこんなに過剰に金を支払わされ続けにゃならんのだろう、と思う。これらの支出に耐えられる人だけしか行政には携わらないのだから、この制度の不合理性も永続してしまうのかな。あ、もちろん皮肉で書いてます。
ついでに雑学を書いておくと、引越しの時の「礼金」も法的根拠すらない日本の因習だそうだ。
反社会学講座』のweb版はこちら→ http://mazzan.at.infoseek.co.jp/ 

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