カルトvsオタクのハルマゲドン/カマヤンの燻る日記

田舎の生活とか、政治関係とか、表現規制のこととか

バカ親列伝/寒々とした母親を持つ少女

彼女を昨年の11月から担当している。
「論説文を読むのが苦手なので、何か本を貸してほしい」と言っていた小6女子生徒がいた。島泰三『親指はなぜ太いのか』あたりが順当だろうと思っていたが、部屋の中をなんぼ探しても見つからず、貸せずにいた。とり急ぎ、小熊英二『日本という国』はすぐに発掘できたので、それを貸した。ここのところ毎年、受験生には『日本という国』を読ませている。以上、夏のこと。
最近また「論説文が相変わらず苦手なので本を貸してほしい」と言ってきた。たまたまその少し前に、島泰三『はだかの起源』を部屋から発掘し、再読中で持っていたので、これも何かの縁だろうと思い、貸した。
彼女はそれなりに努力家で、しかし努力のわりには得点が伸びずにいた。四谷大塚合不合判定模試では4科偏差値45くらいを低迷していた。本を貸してから1ヶ月弱、国語偏差値が跳ね上がり、4科偏差値が10上がった。
彼女は5年生時から特定一校しか受けない、という話だった。不自然な話なのだが、私より前から彼女を担当していた同僚はそれを不自然だとそれほど感じていなかったので、それについて放っていた。
ふつうは東京での中学受験は以下のように行なう。
東京の中学入試は2月1日から開始で、だいたい2月5日くらいまでにほぼ終了する。その約3週間前に県外の入試があるので、景気づけと入試の雰囲気を学んでおくために1月受験をしておく。2月1日以降は、模擬試験での数値を参考に、合格可能性50%(目標校)、合格可能性80%(押さえ・滑り止め)を組み合わせて受験する。
親が賢くなく見栄っぱりだと、合格可能性30%以下の学校だけを連続して受験させ、どこにも合格せず終了、となる。放っておくとこういう阿呆な受験をしたがるので、そんなことはしてはだめだ、もっと順当で現実的な受験をしろ、と指導するのが塾の役割だ。
この女子は一校しか受験しない、と言っていたので、それは不自然な話だった。合格可能性は30%程度。これをKK校としておく。スパルタ式にお勉強させることで定評がある。同僚のお気に入りの学校だ。
模擬試験での合格判定にいくつかの学校の名前を彼女は書いていて、その学校名はたいへんに順当だった。合格可能性70%くらい。その(受ける予定のない?)学校は地域での評判も良く、私のお気に入りの学校の一つだ。KS女子中と仮にしておく。
受験が近づいてきたので、保護者と面談した。保護者は全く受験に関心を持っていなかった。私と同僚は面談後、寒々とした感覚を覚えた。時々、自分の子どもの受験に全く関心のない保護者というのがいて、我々にとっては理解しがたい存在で、たいへん扱いにくい。過去の例としてはhttp://d.hatena.ne.jp/kamayan/20070209#1174372413 http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20090204#1233678988がそうだ。それらに、彼女の母親は似ている。
保護者面談からしばらくして、本人にKS女子中は受験するのかどうか尋ねてみた。1月受験もするほうが良い、という話をした。本人は両方とも受験したい、と言っていた。学校はKK校以外見ていない、とも言っていた。親がバカだと子どもの選択肢がムダに狭くなる。単なる厄介払いとして塾に通わせているケースというのもけっこうあり、そういう家庭は全く受験に不熱心だ。
受験についての相談相手は母親なのだと彼女は言っていた。父親は単身赴任でめったに家にいない。母は受験に協力してくれている、と彼女は言っていた。我々の目からは母親が受験に協力しているとはとても感じられない。
彼女には姉がいて、姉は高校受験をしたそうだ。中学受験もしたそうだ。高校受験の進学先を聞くと、「それは高校受験に失敗したんだね」という感じの学校だった。中学受験では姉はどこを受験したのか尋ねた。びっくりするほど偏差値の高い学校だ。ああ、高望みしすぎて中学受験にしくじって、その上高校受験にもしくじったんだね、と我々は判断した。姉に中学受験をさせたのならば受験に不熱心であることが不自然だ。姉が受験に失敗したから妹である彼女の中学受験に親は不熱心なのだろうか?
さて、それは先月のこと。
四谷大塚合不合判定模試の結果が出て、数字が跳ね上がり、KK校の合格可能性70〜80%と判定されていたので、電話した。いい数字が出ている、と、まず報告した。とはいえ実力が安定しているわけではないので、KS女子中も受けさせてほしいし、1月受験もさせてほしい、と母親にお願いした。「本人が受けるつもりがないからKK校以外受験しない」というのが母親の言葉だった。同僚にも本人がそう言ったはずだ、というのが母親の言だった。後で同僚に確認したが、本人はそんなことを言っていない。母親は受験をさせたくないのかもしれない。我々には理解しがたい。
彼女は美人であり、大人になったらもっと美人になるタイプだ。彼女は努力家なのだが、彼女の周囲には家庭の温かみが感じられない。彼女は本人が思っているより、おそらく不幸な家庭に暮らしているのだろうと我々は思う。

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画像はhttp://piapro.jp/content/9lzzp88fu73549txから。

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