カルトvsオタクのハルマゲドン/カマヤンの燻る日記

表現規制反対活動を昔していた。元エロマンガ家。元塾講師。現在は田舎で引きこもりに似た何か。

都条例の状況と、今週中に何をすべきか

1 今週中に何をすべきか

1;まず民主党都議執行部宛てに、「ここが問題である、こう替えられたし」というメールや電話、葉書などを今週中、15日までにガンガン送ることが必要である。(民主党若手は反対でまとまっているそうだが、執行部が賛成の方向らしい。執行部は「問題のある条例だ」という認識が鈍いらしい。そのことを私は読者へ誤って伝えていたのをブログ読者諸姉諸兄に謝罪し、そしてお願いする)
2;出版関係の業界団体(たとえば書籍協会http://www.jbpa.or.jp/・雑誌協会http://www.j-magazine.or.jp/出版労連http://www.syuppan.net/など)に「動け」とメール・電話することも必要である。
3;都内の大手出版社に「お前らの問題だ、動け」とメール・電話することも必要である。
条例案文http://yama-ben.cocolog-nifty.com/ooinikataru/2010/03/post-a2d1.html
都条例まとめサイトhttp://mitb.bufsiz.jp/

2 状況

以下コメント欄より。
藤本由香里氏のmixiより以下転載

http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1430946730&owner_id=160185
 〔略〕2月24日に、東京都青少年健全育成条例の改正案が出され、その中に、「非実在青少年」(つまり実写でなく、マンガ・アニメ・ゲームに出てくる青少年)への規制が盛り込まれています。これは、 「年齢又は服装、所持品、学年、背景その他の人の年齢を想起させる事項の表示又は音声による描写から十八歳未満として表現されていると認識されるもの」と規定されており、つまり設定が18才以上になっていても、「18歳以下に見えれば」ダメ、ということです。つまり、国の方で何度も改正(改悪)が話題に上りながらも、反対が多く先に進まないでいる「児童ポルノ法」における、「単純所持規制」(=とくに売買する意思を持っていなくとも、「児童ポルノにあたるもの」を単純に「持っている」だけで逮捕)、「マンガ・アニメ・ゲームその他、画像として描かれる青少年の姿にも児童ポルノ法を適用する」というもくろみを、都の条例で先に決め、規制してしまおうという法律です。なので、今のところ罰則はありませんが、「単純所持」も禁止されています。
 おまけに、上記に規定された意味での「児童ポルノ」(つまり非実在青少年を含む)の根絶に向けて努力し、都に協力するのが「都民の義務」と規定されています。

第十八条の六の四 何人も、児童ポルノをみだりに所持しない責務を有する。
2 都民は、都が実施する児童ポルノの根絶に関する施策に協力するように努めるものとする。
3 都民は、青少年をみだりに性的対象として扱う風潮を助長すべきでないことについて理解を深め、青少年性的視覚描写物が青少年の性に関する健全な判断能力の形成を阻害するおそれがあることに留意し、青少年が容易にこれを閲覧又は観覧することのないように努めるものとする。

 これだけ読むと、青少年が読まないよう留意すればいいのかと思うかもしれませんが、成人が読むものもすべて、規制の対象になります。都条例の改正案の全文は以下で読めます。
このうち、後半の、とくに赤で反転してあるところが重要な部分です。
http://fr-toen.cocolog-nifty.com/blog/2010/02/post-cbc1.html
〔略〕この問題に関する基本情報をまとめたサイトは以下です。http://mitb.bufsiz.jp/
「18歳以下に見える」とか、「不健全」とか、いくらでも恣意的に解釈できる条文の上に、これらの規制を推進しようとする都に対し、全面的に協力するのが「都民の義務」とするなど、これは戦前戦中のファシズムか? 「非国民」!とどこが違うの? と言いたくなるくらい問題のある法律なのですが、問題は、
今の状況だとほぼ間違いなく、この法律は通ってしまう!
ということです。
〔略〕繰り返しますが、
 今の状況だとほぼ間違いなく、この法律は通ってしまう!
 〔略〕 で、18日の13:00の付託議案審査がもっとも重要で、今月末には投票、決定、ということになります。
 現在、都議会の会派は石原都政与党(自民、公明、平成維新の会)が62議席石原都政野党(民主、生活者ネットワーク、共産、自治市民)が65議席という構成です。
 野党が全員反対にまわれば、否決できるのですが、今のところ、民主党内ですら、意見統一がとれていない。知人によれば、
①都議では野党の民主議員が全部法案可決に反対しても過半数に満たず、民主自体もきれいに可決反対で意見がまとまっているわけではない。
②今回はこの法案はケイタイ・ネットに関する法案とセットで提出されており、このケイタイ・ネット関係の法案はちょっと現段階ではあまりに穴がありすぎ、ほぼ通らないということになっていて、それが災いする可能性も高い。つまり二つあげたもののうち二つともが否決されることは珍しく、ひとつを通さない代わりにひとつを通すということは議会ではよくある。こうしたことから、この法案は何もしないでいると通る可能性が高いだろう」
ということです。
 けれど、先日、もう賛成を決めているからダメだろう…と言われていた、「生活者ネットワーク」の議員さんにヤマダさんたちと一緒にお話をしに行ってきたら、ちゃんと聞いてもらえた、という感触を持ちました。そして、この法案の危険性を訴えたのが、ほぼ私たちが初めてのようだったのが印象的でした。
 都議の方たちも、あまりにも現場から何も反対の声が上がってこないので、不思議に思う状況のようです。現場から反対の声があがらないとどうしようもない、との声も聞かれました。
 私もあまりにみんな騒いでいないので、半信半疑だったのですが、各方面に確かめても、「このままだと通る」ことは確実です。
 まだ間に合うかもしれません。広報の手段を持っている方は、この法案の危険性を、早く、広く、伝えていただければと思います。

3 状況その2

「緊急集会!どうなる都条例!?」に行ってみたhttp://d.hatena.ne.jp/marinba/20100307から以下引用。

現在の状況

簡単に言うと、とても安心できる状況ではないということのようだ。都議会の勢力動向はこんな感じらしい。

自公…規制に向けて全力展開中
共産、生活者ネット民主党の動向を確認中
民主党…態度未定

じゃあその民主党はどうなのかというと、内部的にはかなりくすぶっているらしい。若手議員は危険性を肌で感じているようだが、年配議員はどっちでもいい(または賛成)という認識のようだ。というのも、民主党の中では『過激で範囲も無制限と取られかねない内容だった"答申"を、条例案でトーンダウンさせた』という実績がすでにあるから十分じゃないかという考えがあるらしい。この辺りは、法案の危険度などの話ではなく政治力学*2の話だろうと理解した。少なくとも、民主党もまだ一枚岩とは言い難いのだろう。なので、そういう発言力もある年配の民主党議員に反対派の皆さんがアプローチして説得する必要があるようだ。
なお、石原都知事が答弁で『"蔓延している/おぞましい/根絶/撲滅"という言葉を使った』事実から実質的に答申の状態に戻ったとも言えるから、その辺りが説得ポイントになるんじゃないかと思う。

可決した場合の波及効果

ネットを見ると「ならば影響する業界は東京を出て他県に拠点を置けばよい」という声もあるが、それは議員がはっきり否定された。このことは自分も想定していたとは言え、それを改めて現役の議員の口から聞かされると暗澹たる気持ちになる。

東京都は国から予算援助を受けていない独立性があり、他県への影響は絶大。
また昔から、東京は「国に先駆けて新しい法を通す」という傾向が強いらしい。
実は同様の条例を出したがっている道府県は多い。千葉が筆頭。
東京が可決すれば、一気に全国に波及するのは間違いない。
一定規模まで可決道府県が増えれば、国もそれに歩調を合わせて同様の行為を取るであろう。

各議員の態度

想像以上に動きが固いようだ。ただ、話を聞くとさもありなん。議員も人の子。票につながるかどうかは、大きな行動理由になるということ。逆に、若い世代の政治への無関心さのツケが回ってきているとも言える。

児童ポルノというレッテル、つまり「児ポ法改正に反対=児童ポルノ推進」と地元有権者やその他の議員に誤解されるのが恐い(=次の選挙で負ける)。
反対が多い20〜30歳代は一般的に投票率が低い。議員にとって「票」がすべてなので、その年代の意見はなかなか真面目に受け取っていただけない。(投票に行かない世代の100通の意見より、地元PTAの1票の方が重いという事実)

推進派の動向

エクトパックの顧問弁護士でもある委員を中心に、その母体団体の主張にそった内容を青少年問題協議会で発言しているようで、それが根拠になっているらしい*3。また警察官僚出身者は、少しでも法の網を広くするために「大人全体に規制を広げられる橋頭堡を残したい」と努力しているらしい。勿論、これは将来的に厳罰化も見据えていると思う。

業界関連の動向

歯切れの悪い情報しか出なかったが、携帯業界はそれなりに関心を持って動いているらしい。しかし出版・ゲーム・流通関連はちゃんとした形での動向はあまり聞いたことがないらしい。「業界団体はそれだけで票につながるので、彼等が動くか動かないかでその違いは非常に大きい」とのこと。

同人誌について

「業界団体への指導、監督」という文脈において、同人誌における「団体」とは「おそらく主催者を指すのでは」とのことだった。つまり、コミケであればコミックマーケット準備会である。今回の法案で念頭にあるのは「少女コミック」が一番のようだが、同人業界も同様らしい。なので、この法案が通ればおそらく大中規模の同人即売会は最優先でターゲットにされると思う。

じゃあどうすればいいのか、と言う話だけど。

イムリミット

実質的には今週末までがタイムリミットと言うことのようだ。それまでに、どれくらいの勢力を反対派に考え方を変えて貰えるかが勝負。民主党の総務部会で明確に「反対」の意向が出せなかったら、極めて情勢がマズイと言うことになる。

民主党総務部会…未定(来週半ばまでにはやるらしい)。ここで民主党の方針が決まる。
都議会総務委員会…3/18。ここで総務委員会の担当者で会合をする。
都議会予算特別委員…3/25頃。ここでもテーマになる可能性アリ。
本会議採決…3/30。

意見/陳情の出し方

ガンダムWの人ではないけど、とにかく『陳情はエレガントに』とのこと。冷静に、相手を立てて*4、簡潔に。大人の態度、ってことで。

FAXについて。送るにしてもせいぜいA4で5枚程度。できればA4一枚がベスト。逆に一人で40〜50枚送ったり、コピぺ文面で大量一斉送信は「ああ、こういう人たちか」と流されて反感を買ってしまうらしい。
地元の議員への陳情は効果絶大。直接事務所に生でやりとりできればさらに良し。やはり「票につながるか否か」は非常に大きいとのこと。
本来専門外の人も多いため、できるだけ分かりやすく簡潔にがモットー。押しつけ・脅し調が最悪。*5反対派議員に「委員会や議場で闘う武器=情報を渡してあげる」という考え方で。

関連
http://d.hatena.ne.jp/Thsc/20100308/p1
http://blogs.itmedia.co.jp/natsume/2010/03/post-2eeb.html

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画像はhttp://piapro.jp/content/igewbbkkcr1fvzxjから。