カルトvsオタクのハルマゲドン/カマヤンの燻る日記

表現規制反対活動を昔していた。元エロマンガ家。元塾講師。現在は田舎で引きこもりに似た何か。

ある人へ宛てた手紙/「誰もが知っていること」を「口にしない」こと

(ある人へ宛てて出した手紙を、一部改変して以下載せる)

◆1;「誰もが知っていること」を「口にしない」こと(1)

1−1;「知っている」ことを「言わせない」圧力は、ペドファイル犯罪者が被害児童に沈黙を要求するのと、構造が同じです。
「知っている」ことを「言わせない」社会は、必然的にペドファイルを作ります。
無知を称揚する言葉が日本には「純情」とか「純朴」とかありますが、これは「無知でいろ」という政治圧力の反映だと思います。で、無知でいることを要請された人は、ペドファイルになりやすいと思います。
「日本は精神年齢12歳」と言われたとおり、幼稚な人格であることを社会が要請しているのだと思います。
1−2;ヤクザに関してマスコミが沈黙し、その沈黙を読者に共有させるのは、ペドファイルが被害児童に「共犯的関係」を結ぶことで沈黙させるのと、構造が同じです。

◆2;石井紘基殺害事件と、マンガ規制・メディア規制論

石井紘基は2回、映画「バトルロワイヤル」を規制しろ、と公で発言し、マスコミがそれを取り上げました。
1回目の発言のあと、民主党青年局で石井紘基の秘書に会うことができ、石井紘基に直接会う機会を測っている間に、石井紘基が殺害されました。
石井紘基殺害は、石井紘基の政治スクールが発足する直前に起きました。私は石井紘基政治スクール名簿に名前を載せていました。
殺害される直前、映画「バトルロワイヤル」を規制しろ、と2回目の発言をテレビでしていました。秘書はそのことを知りませんでした。
映画「バトルロワイヤル」を規制しろ、という発言は支持者の誰かから要請されての発言だと思えますが、その支持者が誰なのかは、秘書は心当たりを持っていましたが口をつぐみました。私はこの秘書とは千葉県議選を3ヶ月泊り込みで一緒にしましたが、それでも秘書は口をつぐみました。
この秘書は平たくものを言う能力を欠いていて、他の石井紘基秘書の人々も説明能力がわりと乏しい人と、映画「バトルロワイヤル」を規制しろと石井紘基が発言したことをよく判っていない人で、奥さんは日本語を巧く話せないロシア人で、聞き込みをしても、誰が映画「バトルロワイヤル」を規制しろと石井紘基に発言させたか不明です。
石井紘基殺害は亀井静香周辺が殺したのではないか、と遺族周辺は思っているようです。亀井静香はご存知のとおり元公安警察官僚で、統一協会と深く関係していると言われます。
私がジャーナリズムの手法を学ぶ必要を覚えたのは、この背景を調べる手段を知る必要が私にあるからです。

◆3;「誰もが知っていること」を「口にしない」こと(2)

3−1;現在、私は社民党系機関紙『進歩と改革』で毎月マンガを描いています。
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/1274/1080423404/
で、そこに描いている内容は「このくらいのこと、政治に関わっている人なら皆知っているだろう」、と思っていたのですが、社民党でも民主党でも「全然知らなかった」、と言われました。
3−2;「日本会議」「救う会」「つくる会
日本会議」について本日言及しました。「日本会議」については以下をご覧下さい。
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%FC%CB%DC%B2%F1%B5%C4?kid=25541
救う会」「つくる会」の本体が「日本会議」です。
新潟「救う会」の代表は、右翼団体日本青年社」の現役幹部です。
右翼団体日本青年社」は、広域指定暴力団住吉会」が実体です。
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%c6%fc%cb%dc%c0%c4%c7%af%bc%d2?kid=25584
住吉会北朝鮮と銃器・麻薬の取引をしています。
つまり「救う会」は北朝鮮と銃器・麻薬などで癒着している人びとによる活動です。このことを知っていて言わないというのは、詐欺行為に加担していることになるのだと私は思います。
(でも社民党でも共産党都議でも私が言うまで知らなかったらしい。)

◆4;「日本会議」補足

4−1;マンガ規制運動をしていた仏教系新興宗教「念法真教」は「日本会議」の主力構成団体の一つで、民主党西村眞悟の票田でした。
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%c7%b0%cb%a1%e2%c3%b6%b5?kid=125983
4−2;「日本会議」会長・三好達は、元最高裁判官で、裁判官時代に司法予算を横領していました。
4−3;テレビにやたらと出た城内実・元自民党議員は、「日本会議」理事・城内康光セガレです。
城内康光は元神奈川警察本部長で、神奈川県警本部長時代にレイプスキャンダルを暴力団山口組後藤組)に隠蔽してもらい、その暴力団の資金源だったオウムの犯罪を看過し隠蔽したと言われています。
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%be%eb%c6%e2%b9%af%b8%f7
4−4;山口組後藤組は、元々創価学会と関係が深く、静岡を拠点としていて、県境の地上げでオウムと関係を持つに至ったと言われています。山口組後藤組は宗教ビジネスで大きくなったと言われています。
新興宗教団体はブラックマネーロンダリングの回路としても有効です。
映画「マルサの女2」「マルタイの女」などでヤクザと宗教の手法を描いた伊丹十三を「襲撃」したのが山口組後藤組です。伊丹十三は理由不明の「自殺」をしましたが、「他殺」だったと私は思います。
4−5;オウムで山口組系羽根組が幹部信者を殺害しましたが、後藤組などとの関係を隠蔽するための殺害だったと思います。
4−6;後藤組組長後藤忠政は、糸山英太郎元議員の児童買春事件をもみ消すために動き、糸山英太郎は児童買春したことは本人も検察も認めたのですが、不起訴になりました。
糸山英太郎が起訴されないで、エロ漫画家がエロマンガ描いたから「児童ポルノ法で処罰される」っつーのは、絶対に間違っている。

◆5;「誰もが知っていること」を「口にしない」こと(3)

5−1;「口にしない」ことにより、「それについて知らない」人が増えます。情報を知っている人はたまたま社会上層に生まれた人、情報を知らない人はたまたま社会下層に生まれた人、という階層分化が広がります。
階層分化に抵抗するには、情報を晒し浸透させることが有効だと私は考えます。
以上に私が書いた事柄はそれぞれ既存メディアで発表されている情報を集めただけのことです。ただしそれぞれがどう関わりあっているかはほとんど書かれていませんので、それぞれの事件を知っている人でも他の事件と比較してつながりを調べたりしていないので、「知っているのに知らない」状態になりがちです。
たとえば「日本青年社」が「住吉会」であるということは共産党が国会で複数回発言しているのだから共産党議員であるなら当然知っているだろうと思っていたのですが、直接都議会で話をした共産党都議会議員はそのことを知っていませんでした。
5−2;「松文館裁判」というのがあり、エロマンガが「わいせつ罪」で起訴されましたが、このエロマンガをタレコミしたのは、元警察官僚・平沢勝栄議員です。
http://zirr.hp.infoseek.co.jp/020359.html

◆6;「オタクの社会化」について

6−1;現在のオタクはけっこう「社会性」もあるし、むしろ仕事が有能であることも多いので「オタクの社会化」という言葉は、逆に「オタク」を「異様なもの」に定義してしまい、他のオタク諸氏に失礼なことになる可能性があるように思います。
「オタク」という言葉には定義がないので、「オタク」という「本質」が存在するわけでもありません。私はエッセンシャリズムを支持しません。唯名論を支持します。
6−2;「ロリコン」と「オタク」
現在は「ロリコン」と「オタク」は別概念で扱われていますが、歴史的には「ロリコン」という言葉(「名指し」)が先に生まれ、現在で言う所の「オタク」を「ロリコン」という言葉が意味していた時期が八〇年代初期にありました。私はその時期の人間です。だから「ロリコン」とか「ペドファイル」という言葉には、他の世代とは違う独特な思い入れがあり、アイデンティティの一部になっています。
私より下の世代になると、「オタク」というより利便な「名指し」があるので、様相が変わります。
6−3;「ペドファイル」と「イジメ」
ペドファイル」犯罪の本質は「イジメ」です。日本の政治構造が「抑圧の委譲(@丸山真男)」でありイジメ社会である限り、ペドファイルは続々と生産されます。幼女への犯罪は「イジメ」問題として整理するべきです。
6−4;「オタク」「ヤンキー」分類
日本人は大きく分けてヤンキーとオタクの2種類に分類可能だと思っています。
(男性の場合)
「父性的なものからの承認を、素朴に希求する」のがヤンキー、「母性的なものからの承認を、屈折したかたちで希求する」のがオタク。
ヤンキーは、父権を認めている、母親との関係は良好である、父親との関係は悪い。オタクは、父権が不在している、母親との関係は悪い。
日本の男性は、大きく分けて上の二つに分かれると私は思っています。だから「オタク」という言葉を私は実はものすごく広く捉えています。オタクが社会性に乏しいとされているのは、元々性質が内向的な人がオタクになるからです。はじめから外交的な人はオタクにはなりにくい。
6−5;「エスニック問題」「女性問題」との類比
「エスニック問題」「女性問題」では、常に「統合(同化)すべきか? 分離すべきか?」が問題となります。
たとえば「女性問題」では
A;「統合(同化)」の立場:「男性」社会へ「女性」は進出するべきだ、という考え。「女性」も「男性」同様に「企業戦士」としてアンデンティファイするべきである、という考え方
B;「分離」の立場:男性社会から「分離」するべきだ、という考え方
という二つの考えが対立します。
「エスニック問題」の場合だとこの「同化」と「分離」は、初代が同化主義、2代目が分離主義、3代目で調和、という順を追う傾向があります。
「オタクの社会化」という言葉は、素朴に「同化」主義を推奨していることになります。「同化」するのを私は素朴に由とはしません。
オタクも恋愛するべきだ、という論は一定の妥当性がありますが、たとえば「恋愛市場」社会に「同化」すべきだ、という論への転換がそれでは起きやすく、論としてやや危ないと思います(「電車男」は「恋愛市場に同化せよ」という嫌らしいストーリーだった)。「恋愛市場」はその市場内で散財しろと要請しているので、「恋愛市場」散財をしたらオタクはオタクとしての投資がむずかしくなり、単なる「恋愛市場」弱者に「転落」させることになるようにも思います。
6−6;オタクでかつ貧困だと、社会から実質的に離脱した状態にならざるを得ません。これを解決するのは貧困の解決の問題が一番優先されるように思います。
それ以外に、たとえば「愚痴をこぼせる場所」を日本人は皆必要としてますので、「愚痴をこぼせる何か」はたぶん必要なのだろうと思います。(だからインチキな「新興宗教」や霊感詐欺が日本に溢れている)
6−7;たとえば「風俗ではない」メイド喫茶などはかなりそれに近い機能を「癒し空間」として果たしていたように思います。
メイド喫茶は銭になる、と嗅ぎつけた警察とヤクザによってメイドビジネスは性産業の一部にさせられてしまいました。
「オタク」な草食動物系が求める「恋愛」ってのはメイド喫茶的な、学芸会的な何かで、いわゆる性産業の持つ野性味とは違う方向にあるように思います。エロマンガは性産業の側面もありますが、それ以外の何かの側面もあり、だからオタクはそれを消費するのだと思います。

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『下流社会』と『不平等社会日本』

下流社会 新たな階層集団の出現 (光文社新書)

下流社会 新たな階層集団の出現 (光文社新書)

下流社会』を読み終えた。読んでいる間は面白かった。学術的深みはない。「SPA!」に載っていたらその記事を受け売りすると職場で受けがいい、という内容だと思う。そう悪い本ではないが、ベストセラーになるべきほどの本ではない。いわゆる便乗本の一つと言っていいと思う。
「意識調査」を元にした階層論は、昔「総中流社会」という「幻想」(偽りのリアリティ*1・「バーチャルリアリティ」)を浸透させることで、リアルな社会論を阻害した先例があるが、それと同じ傾向の本だと言えるかもしれない。
新「階層」論は、佐藤俊樹『不平等社会日本』から始まった。佐藤俊樹『不平等社会日本』はそれまであった「総中流社会」という「幻想」を崩した。SSM調査から親の学歴・収入・職歴と、子供の学歴・収入・職歴の相関関係を抽出し、団塊世代から階層の「固定化」が再び始まった、という事実を佐藤俊樹は発見した。そこから新たな「階層」論が生まれた。
が、「階層」に着目せず、自己責任論的「下流」論にそれを変質させたいという意志がかつて「偽りのリアリティ」を吹聴していたところから働き、この三浦展下流社会』もそのような役割を果たそうとしているように思える。
繰り返すが、佐藤俊樹が発見した「階層の固定化」は、若年世代の努力では階層間落差を解消できない、ということを意味する。自分の努力では階層間格差を解消できない社会で、「下層」「下流」に生まれたものに「意欲」がない(ように見える)のは当然なのに、「本人の努力では解消できない」ことを「本人の意欲」の問題に回収している点で、三浦展のこの本は悪質かもしれない。
宮台先生についての言及もあるので、宮台先生が「反応」したのはそこのところになんだろうね。で、三浦展による宮台批判は辛辣だが、正鵠を射ている。
この本で、「団塊ジュニア」世代の親が団塊世代ではなく、団塊世代の子供は第二次ベビーブームが終わった後の世代だ、ということを知って、それには「へー」と思った。日本最大のボリュームを持った世代は半分程度しか子供を作らなかったのかな。むしろそこのところを調査した報告を読みたいところだ。どんな自己イメージを持っているかなんて意識調査なんてどうでもいいから。

まとめ

佐藤俊樹『不平等社会日本』を読むべきである。

不平等社会日本―さよなら総中流 (中公新書)

不平等社会日本―さよなら総中流 (中公新書)

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*1:

人間を幸福にしない日本というシステム (新潮OH!文庫)

人間を幸福にしない日本というシステム (新潮OH!文庫)

   『人間を幸福にしない日本というシステム』毎日新聞社 19-20p から「われわれがもっと活用すべきもう一つの概念 concept を紹介する。『偽りのリアリティ false reality 』という概念である。〔略〕偽りのリアリティは、大多数の人に、たいへんもっともらしく見える。一見つじつまが合っていると思わせるからだ。独裁国家全体主義国家は、つね日頃から一連の思想を入念に創作し、それが同時に、偽りのリアリティをかたちづくっている。そして、その偽りのリアリティが、今度は、独裁制全体主義のシステムを支える基盤となる。北朝鮮朝鮮民主主義人民共和国)では、人々はそこが労働者の天国だと絶えず教え込まれている。ソ連の被支配者 subject たちは、最後まで、そこが世界で最も進んだ福祉国家だと聞かされていた。」