カルトvsオタクのハルマゲドン/カマヤンの燻る日記

表現規制反対活動を昔していた。元エロマンガ家。元塾講師。現在は田舎で引きこもりに似た何か。

現状に関して、連想した昔のこと

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山口拓都議が「規制派に鞍替えしたいよー」という主旨の書き込みhttp://takuchan.exblog.jp/11651490をブログでしてますよね。(← こういう表現は難があるというのは理解するが許せ)
山口拓都議は世田谷区選出で、世田谷区選出の国会議員というと小宮山洋子議員なんだな。統一地方選で山口拓都議が再選するためには小宮山洋子国会議員の力が当然に必要なんだな。小宮山洋子議員はバリバリ規制派なんだな。ちなみに小宮山洋子議員は「お育ちがお宜しすぎて、実際に苦しんでいる児童も警察による汚い動きも全然見えないで、見ても記憶に残さないで、観念的に固まっている」タイプの規制派なんだな。小宮山洋子議員から山口拓都議になんか圧力あったかもしれないね。

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ところでこの世田谷区という土地なんだが、小宮山洋子の前に国会議員やっていたのは石井紘基という人なんだな。映画『バトル・ロワイヤル』を「青少年に有害だ」と発言して大いに株を下げた方なんだな。彼と同時に規制言説をしたのは自民党自民党森岡正宏という議員だったらしいんだな。http://www.asyura2.com/2002/nihon2/msg/442.html 2002年10月のことだ。
私はこの2002年ごろ、民主党の勉強会なんかにしょっちゅう顔出していて、民主党内に表現規制反対の空気を広げようとしていたんで(「児童ポルノ法」で物凄く世話になった民主党議員諸兄への御礼のつもりもあった。御礼になっていたかどうか判らないけど)、この石井紘基の発言はすげえ精神ダメージがあって、どうにか石井紘基に会えないか模索したりした。偶然、民主党の勉強会で石井紘基の秘書の一人に会ったので、「なんで表現規制なんてバカなことを発言したんだ?」と彼に訊ねた。石井紘基は秘書に全然相談しないで色々物事を進めるタイプだった。石井紘基は当時、「特別会計」について色々調べ国会質問をしていて、「自分という政治家の発言に注目を集めるために」何かしたいと思っていた。支持者から「青少年に有害な表現の規制をお願いします」と頼まれたそうだ。「よし、『青少年に有害な表現の規制』で注目を集めよう」と石井紘基は判断したそうだ。なんちゅうバカな判断を、と、私は思うし読者同志諸姉諸兄は全員感じるだろうが、彼の年代のメディア感覚はそんなもんだ。
発言してしまったことは仕方がない、まず石井紘基に陳情して意見を変えさせないといけない、と私は考えた。石井紘基は当時政治塾を発足させる準備をしていた。それに参加すれば石井紘基に会える機会がある、と考え、私はその政治塾に登録していた。第一回の政治塾が開催される直前に、石井紘基は殺害された。結局石井紘基には一度も会えないままだった。
石井紘基が死んだ後、秘書の人たちに「石井紘基表現規制を頼んだのは誰か?」を私は訊ねた。知らない、と、全員答えた。知っているけどとぼけているな、という感触の人もいた。その人に昨年会う機会があったので再び訊ねたが、忘れたと言われた。俺はそのラインが石井紘基殺害に繋がっているとぼんやりと予想しているんで、そんな重要なラインを忘れるとはどういうことかと思うんだが、一番身近な人々はそうは思わないらしい。
http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20060831#1157031370 http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20060905#1157428508 http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20060906#1157516425 http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20060916#1158337869 http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20090221#1235146486

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世田谷区に限らないんだが、民主党には「固い規制派」の「支持者層」がいる。らしい。昔、表現規制派の民主党地方議員とメールのやり取りをしてそれを強く感じた。民主党系の勉強会には2002年前後に色々行ったんだが、どこにどういうかたちで「固い規制派」の「支持者層」がいるのか私の調べた限りでは巧く掴まえられなかった。今にして思えば、http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20101203#1291393704 ←これに類する警察の暗躍がその正体だったのかもしれない。

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昔、「青少年健全育成法案」というのがあった。1999年から2004年にかけて、議論になった。当時「メディア規制三法案」と呼ばれ、個人情報保護法人権擁護法とセットで表現規制法案として話題になり、たとえば雑誌協会なんかも反対活動していた。
で、「メディア規制三法案」のうちマンガにダイレクトに繋がるのが「青少年健全育成法案」だったので、私の周辺はそれに特化して反対活動をした。
2002年ごろから、AMIとか私の管理する掲示板「オタクちゃんねる」とかを中心に、未成年が「青少年健全育成法案」に反対する活動が盛り上がり、当時未成年を中心に公明党にすごく運動してくださって、お蔭で公明党が「青少年健全育成法案」に反対し、この法案が流れる、というできごとがあった。
だからこの頃は、公明党は「表現規制反対派」陣営でした。http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20100710#1278761646
ところでですね、「メディア規制三法案」というのは有事立法の前哨戦・メディア版という側面がありましてですね、この頃からほぼ完全に大手マスコミ(とくに新聞とテレビ)が来るべきイラク戦争に備えて情報統制体制になりました。で、公明党イラク戦争に賛成しまして、情報統制派に公明党は立ち居地が完全に変わったんですね。この頃、公明党としては、従来「創価学会」が「平和」とかそーゆーのを旗印にしていたのを、どうイラク戦争賛成に一般信者を誘導していくか、というのが課題なんだなあ、と外からはそう見える動きをモゾモゾしてまして、その一環として「メディア規制派にきれいに移行したいよしたいよ、なんかいい口実ないか?」と見えるモゾモゾぶりを示しておりました。
一応書いておきますけど、「児童ポルノ法」も世界的なグローバリズムな情報統制戦略の一端という側面があります。セキュリティビジネスとかセキュリティ利権と裏表な。「児童ポルノ」(という口実)は原則的に「テロ対策」という口実と同じ扱いであります。おっと余計なことを書きました。話を戻します。
で、公明党が「明らかに規制派に鞍替えする口実を探しているなあ」というモゾモゾぶりをしている時に起きた事件がございましてですね、「プチエンジェル事件」というやつでございます。この事件の報道は最初から最後まで変でありましたが、報道が変であったその初めの理由の一つは「やったぜこれで『児童ポルノ規制派』『表現規制派』に鞍替えできる」と小躍り喜んだ某勢力がいたからではないかと私は想像しているのでありますが、実際のところはわかりません。あの事件は極めて変な終息の仕方をして、でもってあの事件がまるで存在しなかったかのように今も振舞う「規制派」への胡散臭さがひたすら募るのでありますが、それは措きます。
http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20090814#1250179787 http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20090406#1238951430 http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20060603#1149275229 http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20050422#1114123745

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でね。山口拓都議のここ数日のブログでの発言はね、当時「規制派に鞍替えしたいなあ、なんか口実ないかなあ」とモゾモゾしていた頃の公明党の動きをやたらと連想させるのであります。
規制派の利口な人が小宮山洋子を動かして山口拓都議に圧力をかけたのか、あるいは民主党の「固い規制派」な「支持者」に警察が働きかけたのか、警察の掌で踊らされるのが民主党は得意なのか、判りませんけれど。

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http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20101203#1291393704の続きで書きますが、重要な事実なので、読者諸姉諸兄は強く意識しておいてほしいのですが、東京都青少年治安対策本部がPTAなどに「説明会」をしたのは、民主党都議の地元だけであります。共産党都議の地元や生活者ネット都議の地元では、東京都青少年治安対策本部は件の「説明会」を行なっておりません。だから共産党生活者ネットは今回ガチな反対派でいてくださり、民主党がたいへん揺れているのであります。*1
ところで、賢明な読者諸姉諸兄なら当然お判りなように、ここで民主党都議が試されていることの一つは、「警察による情報操作にどう振舞うか」であります。
とはいえ、警察によって民主党の固い支持者の一角が「洗脳」「情報操作」されておるわけでありまして、都議諸姉諸兄としては、「条例に反対するにしても口実がほしい」状況なのであります。警察による情報操作にガチに闘うにしても、それは後でやるべきことでありまして、まずは「洗脳されている支持者」を一端納得させる必要が都議諸姉諸兄にはあるわけであります。
なので、東京都議としては、「条例に反対する口実」を出版業界に求めているのでありますが、出版業界はその「口実」を民主党都議に与えようとしていない、というのが現状であります。「条例に反対したい」我々の味方の都議たちはここで困っているのであります。

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さて、従来、出版業界は「自主規制しますから」という「口実」を示して対応してきたという、私から見るとすげえ不名誉なことをずっとしてきた。
児童ポルノ法」以降、99年ごろ以降の表現規制反対の歴史は、ガチで反対し、ガチで筋を通す、というのが基本形だ。ただしマンガ界だけ。新聞とかテレビとかはだいぶ前に敵軍門に下っている感じがする。知らんけど。携帯電話業界なんかはガチで闘っている模様。
それ以前の表現規制反対の歴史は、「自主規制しますから」という、一種の退却戦でありまして、条例の文の中に「自主規制」が記述されていて、でもって内容でもって東京都が規制することを条文が容認していて、なんかだいぶ前にかなり後退しきったところでの戦いなので、どうも私の頭には青少年条例が巧く馴染まないし、その青少年条例の「改正」というのは二重に私の感覚には馴染まない。
で、現在の出版業界の「動き」は、ガチでやるつもりはないだろうなと私は思うんだが、そのわりに民主党に対しては頑なで、どう処理するつもりなんですか、という状況な模様。
民主党が「改正に反対する」程度の「口実」を求めているんだから、たとえば「コミケと同じ程度のジャンル分けを『自主規制』で行います」と出版界が言えば、まあそれはそれで一つの決着点ではないかなあ、と私は思うんだが、どうなんだろうね。一応説明しておきますが、コミケとか他の同人誌即売会によるサークルのジャンル分けは「自主規制」の良い例として都議会民主党に高く評価されています。だから民主党が「条例改正に反対する『口実』として、せめてコミケと同じ程度のジャンル分けを出版界に求める」というのは、けっこう現実的な妥協点なのであります。
だいぶ前に退却している戦いなので、理想を言えばここから条例廃止にもっていくのが理想なんですが、そりゃまあムリでありましょう。少なくとも出版界の側がその覚悟もないだろうし体勢も作ってないだろうし。まだ我々の力は、青少年条例廃止を現実化させるには遠いと思われる。…いや、出版界が「本気」になってガチで青少年条例廃止のために、大手出版社法務部をフル活動させて、出版物でキャンペーンでも張ってくれれば、実現可能性はないこともないと思うけどね。出版界にそんな覚悟があればいいけれど、ないんでしょ?
「落としどころをこちらから示すな」というのはガチ戦での原則なんですが、出版界がガチ戦をしているとは私は思っていないので、でもって出版界の従来の政治対策方法論が使えなくなっているみたいなので、不本意ながら、「落としどころ」というのを上記示してみました。

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http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20101127#1290868305 ← こういう記事を11/27に書いたけど、こういう「規制反対派議員への攻撃が自称規制反対派から来て辛い」という話は、表現規制反対関係では常に発生する。(だから議員に辛い思いをさせていい、というわけでは、まるっきりないが。)
今年の3月から5月にかけて、そういう「規制反対派議員への攻撃をする自称規制反対派」が無視できるほど少なかったのは、むしろ例外的な事柄だ。思慮の浅い人はいつもいて、「失礼なメール送らないでくれアナウンス」というのは表現規制反対活動には付物だ。
だからといって、「失礼なメールやFAXを理由に条例案・法案への対処の結論を変える」というのは、これまた例外的な事例でありまして。例外的事例であるからには、実際のところ、理由は他にあると考える方が妥当だろうと思われる。
それはそれとしてFAXとプライベートメールへの送信は絶対に止めてください。君が規制反対派であるのならば。
でもって礼儀の伴った手紙は、あくまでも出し続けるべきである。出版社にも新聞社にもテレビにも。

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「出版業界はガチで戦う意思がない」と私が判断するのは、ガチで戦うための方法論を出版業界は全く何にもしていないからであります。そもそもガチで闘う方法論を出版業界はぜーんぜん知らないのであります。
冒頭でリンクした、山口都議が言及したアンケートは http://www.ohtabooks.com/press/2010/12/04145222.html これを脅迫と呼ぶのは言いすぎではあるが、まあね、「このタイミングでやることですか?」と、このアンケートへの某スレッドでの評判は宜しくないよね。出版業界の政治交渉能力は、「高いはずだ」と見積もるべきではないよ。出版業界の政治交渉能力が高ければ私なんぞがあんなに駆けずり回る必要なんてなーんもなかった。今駆けずっている私の友人なんてもっとだ。

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画像は 「iPodミク」/「カルーン」のイラスト http://piapro.jp/t/mgm3 から。

*1:[12/05 02:25 追記]この事実は第三者に説明可能な証拠を必要とする。