カルトvsオタクのハルマゲドン/カマヤンの燻る日記

表現規制反対活動を昔していた。元エロマンガ家。元塾講師。現在は田舎で引きこもりに似た何か。

警察による情報統制利権への対抗運動に参戦する諸兄へ贈る、心構え

http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20060406#1144323627 の続き。警察による情報統制利権への対抗運動での心構えを以下に確認しておく。

http://jbbs.livedoor.jp/news/535/
 1;人は、弱いものだ。
 弱いから、「運動」に負けた後の負のイメージを、ついつい想像してしまう。
 だからこそ、勝った後のイメージを、つねに胸に抱こうとし続けることが、必要だと思う。敗北した後の話に酔っ払うのは、政治の場では、悪徳だと思う。敗北した後の感覚を語りたいのなら、それはマンガなどの中で発散するべきだと思う。

政治は不定形なものであり、常に流動するものである。
クラウゼヴィッツの提唱した戦力の数式は、戦力=武力×士気 である。我々の場合、情報戦・言論戦が原則であるから、武力とは根拠・典拠に基づいた事実の提示である。士気は牛のごとき粘り強さを必要とする。この「戦い」は原則的に持久戦であるから、牛のごとく粘り強くある側が勝利する。
「強くあれ」と他者に要求するのは悪徳だ。人は弱いのだ。弱さを自覚し、弱さに溺れることなく、牛のごとくあれ

 2;人は、視野が狭いものだ。
 視野が狭いので、ごくごく狭い範囲が全世界だと、ついつい錯覚しがちだ。だからこそ、意識的に広いマッピングを心に抱こうとすることが、政治の場では必要だと思う。
 たとえば、人権という視点に立ったとき世界視野からは日本の児童ポルノ法議論はどういう位置付けになるのか、といった広範囲なマッピングをつねに想起することが必要だと思う。
 敵味方の単純な二分法に耽るのは、悪徳だ。隣にいる人との喧嘩に熱中するのは、悪徳だ。すぐ隣にいる人への憎悪をもし発散したいのなら、あくまで政治問題などとは切り離して、自分一人の責任で処理するか、あるいはマンガなどの中へ押し込めるべきだと思う。

統治者は常に分断工作を試みる。我々の武器は誠実さにある。敵は存外狭い範囲の構成人員で自作自演を繰り返している。我々は数と聡明さにおいて、敵に引けをとっていない。我々の情報収集力も、少なくとも現時点において敵にそうそう引けを取っていない。少数である敵は常に分断工作を仕掛ける。それを回避するには、我々は常に広いマッピングを心がけ、すぐ隣にいる人との喧嘩に熱中しまくる愚を犯さぬ賢明さが要求される。
我々の視野は狭い。だが広くあろうとすることはできる。

 3;人は、情緒的だ。
 情緒的だから、政治問題(あるいは、正当性の問題、正誤の問題)を、個人の情緒というバイアスをかけて、ついつい人は判断しがちだ。これは、ネチケットとはどういうものであるか、とか、人として望ましいふるまいはどういうものか、とか、倫理とは何か道徳とは何か、とかが絡んできて、かなり根が深い問題だ。
 だが、少なくとも政治や学問に関連する、正当性や正誤にかかわる事柄では、情緒に帰結させる言論は、NGだと思う。2×2=4は、好き嫌いとは関係なく、2×2=4だ。
 正誤の判定は必要だ。正当性があるかどうかを判断することは必要だ。だが、正誤判定や、正当性があるかどうかの判断の際、情緒のバイアスに敗北して「『2×2=4』ではない!」と言ってしまってはならない。これは、情緒バイアスから心が自由な人が根性いれて頑張るべきで、情緒バイアスに敗北してしまう、心の不自由な人に、要求はできないことだと思う。
 政治議論では、情緒に負けて正誤判定を誤る者が、先に敗北する。

敵の論拠は「情緒」だけである。統治の中枢に近いという地勢効果ではたしかに敵は有利にあるが、「情緒」以外の説得力を敵は持っていない。つまり情報戦・言論戦において敵は戦略レベルで不利である。敵の側に立つ者は情緒によって正誤判定をすでに誤っているか、利得に情緒の衣を被せているかのいずれかである。
たしかに、日本においては嘘に情緒の衣を着せて、それが存外長持ちするという馬鹿げたことがしばしば起きてはいる。そして我々は私的情緒に帰結させる思考法にしばしば慣らされてもいる。だが情緒に帰結させる思考法は、詐欺師を利し、敵を利するだけであり、我々に何一つ利するところはない。政治の場においては、我々は事実であるか否かを粘り強く問い続けることが肝要である。
問いは我々の武器である。事実は我々の味方である。情緒は私的領域もしくはフィクションであって実在する現実の公共的問題とは一切関係ない。学問的真実は我々の味方である。事実を広報する活動は我々の主戦場である。捏造は我々の最大の敵である。
[2006 04/26 02:58]
関連 ■異なるメディアへの「翻訳」http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20060212#1139751878

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