出生届とか
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http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20121218/1355832229の件。何があったのか語れる精神的余裕が生まれ、事態がどう転ぶのかだいたいの目処がついたので、ざっくり書きおく。
1月18日の午前に、娘の出生届けをしました。名前を記載する際、字の確認を求められました。現在名前に使用できる漢字は、私が予想していたよりずっと多くなっていて、娘の名前の漢字の旧字体が使用できる漢字の中にあったので、あ、戸籍の方は旧字体にしたい、と思い、旧字体で登録しました。
娘の名前は、姓名判断オタクでもある私が練りに練った、熊崎健翁流派での傑作だと自負していたり。
で、娘の保険証を手にしました。保険証が旧字体で印刷されてました。
…あれ?
娘の名に使用している漢字はそんなに珍しい漢字ではないのですが、旧字体で印刷されると、なんかすげえ違和感が。
里帰り出産で、嫁の実家にいる嫁のもとに報告に行きました。
嫁は旧字体であろうが新字体であろうがあまり気になさらなかったのですが、私はだんだん気になってきて、役所にもう一度行ってみました。
新字体で登録し直しできないものか、と訊ねましたが、もう処理してしまったとのこと。変えたければ家裁に申し立てるしか、とのこと。
ああ、俺はうっかりしていた。出生届期限までまだ10日近くあったのに、こんなに焦って届けるべきではなかった。届けるときには、娘の一生のことなのだから、私一人の判断ではなく、嫁に付き添ってもらうべきだった。といった事柄が頭の中をぐるんぐるんいたしました。
帰宅してからも落ち着かず、娘の公的文書や幼稚園・学校での出席簿・さまざまな役所からの通知が全て旧字体で印刷され届けられる将来を想像しました。旧字体に私が感じた違和感は、他の人間にはもっと激烈な違和感に違いない。というか俺の住むこの田舎で、旧字体が読めるほど学のあるやつがいるとはあまり思えない。娘の名前が地方ケーブルテレビで出生の放送をされることになっているんだが、そのとき旧字体で放映されたら、田舎の人間には読めない名前と認識されてしまう。
そもそも人名というものは、音で聞いて良し、字で見て良し、他の読み方ができないのが良し…という原則を我が一族は価値観として共有していました。というのも我が老母の兄の名が誤読されまくりな名だったりしたからなのですが。
ああ、それだというのに、田舎の周辺住民に読めない名前を付けてしまったとは。公的文書が全て旧字体で書かれたら、娘のアイデンティティにどれだけ悪影響があるか。
…これは戸籍名を変えるしかない。と思い、弁護士会に連絡を取りました。弁護士から連絡をいただくまで4時間ほどかかりました。
弁護士さんが言うには、家裁のHPに申請書があるから、それを書いて申請なさい、とのこと。もし今回承認されなくとも、日常の通名を5年から10年使い続ければ、その後での申請は通りやすい、とのこと。その説明を伺って、いや、重要なのはこれから10年間で、むしろ逆に10年後から先はわりとどうでもいい。とか思ったり。
家裁のHPから申請書をダウンロードしました。娘の表記の変更・改名をしたい理由、しなくてはならない理由を、A4用紙2枚ほどにまとめて書きました。書き記したことで、それまで胃がでんぐり返りそうになっていた感覚が、ようやく少し落ち着きました。
それを書く前に、伯母さんから娘の名前を褒められたのですが、その時、私は胃がでんぐり返るほどのストレスの真っただ中でありました。妹からも電話があり、名前を伝え、甥姪とも話をしたのですが、その時は私は胃がでんぐり返っている只中でありました。
この日、私は全身これストレスな状態になっていたので、午後は娘のいる嫁の実家には行きませんでした。私が漂わせているストレスまみれな「空気」は必ずや娘に不安感・悪影響を与えることを危惧いたしました。幼児というのはそういうのに敏感であります。
夜、http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20121218/1355832229 とブログに記し、眠ろうとしました。
眠れません。
布団に入るたび、5分くらいのうちに、旧字体の名であることを9歳くらいになった娘になじられる光景が脳裏にまざまざ湧いて、眠っていられません。気持ちを落ち着けるため喫煙しに屋外に出て、寒さに震え、風呂に入り、改名手続についてネットで調べ、布団に入り、まざまざと将来の最悪な光景が脳裏に浮かび、喫煙するために屋外へ行き、冷え切った体を温めるため入浴し直し…といったことを、朝まで繰り返しました。一睡もできませんでした。
で、そのとき調べて知ったのですが、
1;子供の改名は、比較的、容易である。
2;特に、字の変更は、比較的容易である。
とのこと。
私が眠れなかった理由の一つは、直前でその場で別な判断をし、それが娘の一生に関わる、という点が、私が大学入試の手続きを同じようなかたちで誤った選択をしてしまったことへの後悔を思い出させたからであります。トラウマをむちゃくちゃ刺激されたからであったりします。
ああ、人生最良の日になるはずのこの日に、なぜ私はこんなに苦しむことになったのだ、俺はバカ親だ、と、無限ループで私は私を責めるのでありました。
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その日は一睡もできず、そのまま、父母のいる店舗へ出勤いたしました。
日頃、我が老母のことをバカ親と罵ってやまない私でありますが、この日ばかりは、我が老母のことを全く非難する資格がないと私は強く思い至っておりました。難読名前を娘に与えてしまった私は、私こそがバカ親だ、と強く自分を責める気持ちが私を眠らせないのであります。
しかしながら、私が一睡もできなかったことだけは我が老母にも伝えましたが、なぜ眠れなかったのかの理由は老母には言わなかったのでありますが、我が老母は共感能力とか同情心とか優しさとかのない人で、かつ我が老母の自己中心ぶりはものすげえものがありまして、自分自身のバカ親っぷりを深く悔いている私をして、我が老母はバカ親で毒親だと改めて認識させるむちゃくちゃな発言を我が老母様はおっしゃっておりました。具体的に老母が何を言っていたのかはもう覚えておりませぬ。我が老母は悪人ではないがひどい人だ。
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改名手続をするには娘の戸籍謄本が必要なため、役場へ行きました。改名したいので、と、役場職員さんへ申し上げると、旧字体から新字体への変更は、家裁を通さずにできそうだとのことでした。現在、法務局へ問い合わせているから、その解答があったら連絡する、とのことでありました。
嫁の実家へ行き、嫁に事の次第を説明しました。
嫁は旧字体でも新字体でもあまり気にされてないので、笑っておられました。
その夜は嫁の実家に泊めていただきました。
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その翌日、法務局から返答があり、必要な手続きさえすれば、戸籍名を旧字体から新字体へ変更することは可能だと、役場から連絡がありました。そのための書類も受け取りました。
法務局の複数の部署で現在確認中であり、もう一か所からの連絡を現在待っているところだ、と役場からの説明でありました。
書類はいただきました。
ただし、戸籍名を旧字体から新字体に変更する手続きをしたら、その記録が戸籍に残る、とのことでした。
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で、その間に、地元新聞と地元ケーブルテレビでは、娘の名が新字体で出生報告なされてました。当面最も心配なその2件において新字体で発表されたのなら、焦って新字体に解明する必要はないな、と、嫁と話し合ったところであります。
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