カルトvsオタクのハルマゲドン/カマヤンの燻る日記

表現規制反対活動を昔していた。元エロマンガ家。元塾講師。現在は田舎で引きこもりに似た何か。

地元観光連盟会議出席感想

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過日、地元観光協会長の代理で、地元観光連盟の会議に参加した。
我が地元は村ごとの観光協会があり、それを束ねる観光連盟がある。大雑把に言うと、観光連盟の下部組織として各観光協会がある。
我が村の観光協会は歴史が浅いのもあり、観光連盟内での発言力は弱い。

2

過日、我が町の町長選があり、町長が交替した。
先先代町長は「やり手」で、その時のアイデアの遺産で、ウチの地方は観光地としての力がある。
先代町長は善人だったがほとんど何にもしない人だった。
現在我が町の「観光連盟」の会長は町長だが、これはいいようで悪いところもあり、町としては経費節減のために「観光連盟」を町から独立させたいと考えている。

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「観光連盟」の意思決定機関であるところの各観光協会長会議では、「民営化」したときに誰を「会長」職にするか、という、くっだらないことで、延々2年を費やしている。
ところで「民営化」に伴う規約の改定内容がものすげえ糞で、各観光協会長はその内容の糞ぶりに全然気づいていないというのが絶望的。この糞な規約を作ったのは、有能ではない「観光連盟」職員の人だ。
「観光連盟」の総会で、新民営化観光連盟規約の内容の糞さにのけぞって書いたのがhttp://d.hatena.ne.jp/kamayan/20150518/1431917531で、どう糞なのかその一部を書いたのがhttp://d.hatena.ne.jp/kamayan/20150913/1442156528だが、各観光協会長は悪い意味で善人なので規約内容の糞さに気づいていない。
総会時に糞の塊のような規約を突然見せられても、ふつうの人は「これ糞でしょ」とはなかなか勇気を持って発言はできないものだ。

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昨年総会が二回あったので、二回目の総会で「これは糞の臭いがプンプンする(大意)」と発言したが、会長の代理で出席した観光協会長会議では俺の総会の時の発言と異議申し立ては、主にその有能ではない「観光連盟」職員の人によって存在しないことになっていて、すげえ不愉快だ。

5

ところで我が地域の「観光連盟」は複数の村のうち1村だけが突出して力があるということになっていて、会長候補もその1村だけに2人いたりする。
この2人のうち片方は断りなく俺の村で鈴木宗男の講演会を観光協会名義でした生臭い人で。
もう片方は、自分で新しい観光協会を立ち上げて、「民営化」規約で自分の子分を複数役員に入れた生臭い人だ。
我が村の観光協会長は良い意味でも悪い意味でも善人なので、後者の子分だ。後者の子分をしていたからといって、我が村に恩恵がさほどあるわけでもないのだが。

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で、その代理出席した会議では主に発言していたのは隣村の観光協会長だった。隣村の観光協会長は前出の後者候補を新規「民営化」連盟会長にしたいという意図があった。隣村は富士山周辺の観光地の焦点に現在なっているところで、本人は今回町長選に色気があった人で、後者候補と色々儲け話の打ち合わせをしていそうに思う。
その隣村の観光協会長の話の進め方が上手だったら俺は地元観光協会長から含められていた通り後者候補の会長就任に反対しないということも考えていたんだが、話の進め方が下手過ぎて、後者候補本人が一年間現体制のまま延期しようと発言したので、おお、後者候補本人がそう言ってくれるのならそれに絶賛賛成しようと思い、一年延期となった。

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後者候補は採決の段になって、自分が自分に不利な提案をしたと気づいたらしく、あるいは採決内容を大いに勘違いしたのかどうかよく判らないけど採決方法に反対しはじめたが、会議の流れ的に後者候補が採決方法に抵抗しても無駄な流れになったので、無事一年間延期という採決結果になった。
この後者候補は各観光協会長の中では「やり手」だが、別ルートからの情報だと、自分の商売は手を広げすぎて大赤字とのことだ。
「民営化」という言葉はプラスイメージがあるが、英語に直して再翻訳すると「私物化」となる。俺はこの「やり手」の後者候補が自分の商売の赤字を町の予算を使って補填するつもりなのではないかということを危惧する。
観光協会長たちは悪い意味で善人揃いなので、そこまで思考が回らない。

8

俺は幸いにしてこの観光協会長会議の出席者のうち約半数とは別なラインで知人だ。なので議会工作が可能だ。後者候補は議会工作を得意としているが、俺も彼の半分くらいは議会工作が可能だ。だから彼の議会工作を簡単に看過しないつもりだ。
知人で発言に最も期待した一人は、ごく最近「市町村合併」により我が町に「合併」した集落の観光協会長なので、過剰に遠慮してか、一言も会議では発言しなかった。
他の知人のうち一人は、善人の典型だ。この方は俺を高く評価してくださっているので、俺が道理を説くとそれに靡いてくださる。
他の知人のうち一人は、これまた会議中全く発言しなかった。
「沈黙は金」という格言があるが、そして日本人は「空気を読む」のを美徳とするが、各観光協会長は本来各地域を代表しているのだから各地域の利益を代弁してしかるべきなのだが、ぜーんぜんそれぞれの地域の利益を代弁しない。その意味で悪い意味で善人だ。
会社組織なら「沈黙は金」である場面がもっと多いだろうけど、観光協会はそれぞれ独立した社長たち集団を代弁しているのだから、自分が「自分の地域の社長たちを代弁しているのだ」という意識をもっと強烈に持ってしかるべきなのだが、「この人は善人だからこの人を会長に」みたいな感じの会長職が多すぎる。と俺は思う。まあ地域の観光業者が薬物中毒者とかそんなんがゴロンゴロンしている中、マトモな人はお前だからお前やれ的な会長職を、最後に言及した一人がしているらしいということも最近聞いたけど。

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「民主制」の原型というのが日本人にはイメージしにくくて、原型の一つは、日本での戦国時代から近世にあたる期間までずっと続いた欧州内乱において、欧州攻城戦で、城塞市街内部で戦争前にそれぞれの集団の利害と要求をできるだけ明け透けにはっきりと要求して議論しておくのが必要だと、その後何日も何か月も城砦に籠って敵と殺しあうのだから内部の不満の芽をあらかじめ洗いざらい吐き出して合意点を確認しておくことが必要だと、それが原型の一つだと聞いたことがあり、それは説得力がある。
俺は前出の「観光連盟」の会長職選定そのものはたいして大きい意味がなく、独立戦争時のオランダの指導部の議会みたいにすればいいじゃないかと思うのだが、そんなイメージを伝えきれなかった。だいたい組織に関してのイメージというのは所与な前提なそれで、会議の最中の説明だけで相手が理解できるはずもない。何か月かかけて何とか理解してもらえるかどうかくらいなもので。ワンマン社長たちの理解できる組織とはワンマン社長が経営する組織だけで。
会議の進め方のイメージの共有だってできない。日本社会は議論をする際の前提規範が共有されていないから、「はーい、今回はこういうローカルルールで行きまーす」という説明なきまま出席させられ、会議のローカルルールを理解するためだけに会議の時間全てが使われ、ぜーんぜん規範が一致していない状態で一から規範確認しつつ議論しなくてはならないという、すげえ負担を負いながらムダに時間を費やすという、そういう業を負わせられていて。
今回のエントリで何回も言及している後者候補は「たいがいの場合日本人はこういう際にはこう反応する」というのを知っている程度には「やり手」で俺を会議中に取り込むつもりだったようだが、生憎と俺は後者候補に猜疑心を目いっぱい持っている人間で、後者候補を推薦する気は(地元観光協会長がなぜ彼を支持しているのか理解しているということは別として、俺自身は)毛ほどもない。
そんなことがあった。

10

俺はこういう会議に出席できて、「ここぞ」というところで一年猶予を作ることができたので、前者候補後者候補の生臭い野望を膝カックン的に脱力させて、協会各参加者・一般宿泊業者・観光業者にとってリスクの少ない状況に持っていきたいと思う。規約を精査して糞な規約をマトモにして、民営化連盟会長の権限を最小限にして多選禁止にして各観光協会長が順繰りに連盟会長になる仕組みに変えるつもりだ。後者候補は自分の寿命が尽きて死ぬまで多選されるつもり満々で彼を推薦した隣村観光協会長もそのつもり満々だ。バカかお前ら。私物化すんな。
観光協会長は悪い意味での善人が選出されることが多いから、各観光協会ごとに協会長含め2人の議決権保持者を会議に出席させ、その会議を意思決定機関とする、そういう組織にするつもりだ。
そうであれば、特定1村に権限が集中せず、特定個人の作った赤字を肩代わりせず、善人な協会長に対して俺みたいな猜疑心の強い副会長が参加する権限を排除せず、会議自体は道理の通った意見が通る、そういう会議に近づくはずだ。

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今回のエントリは http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20150518/1431917531 http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20150913/1442156528 の続き。