カルトvsオタクのハルマゲドン/カマヤンの燻る日記

表現規制反対活動を昔していた。元エロマンガ家。元塾講師。現在は田舎で引きこもりに似た何か。

天木直人のサイトから

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1月24日 05年第17号 
◇◆ 自衛隊装備のブラックボックス ◆◇
 「知る人ぞ知る」であるが、自衛隊が米国から購入する巨額の装備費に壮大な水増しがなされ、それが米国を儲けさせ、日本の防衛産業を儲けさせ、そして防衛庁天下り役人の給与になっている。その原資はすべて国民の税金である。この実態をどれだけの国民が知っているというのか。
 2月4日号の写真週刊誌フライデーはこのことを見事に告発した。すなわち、米国のいう「テロとの戦い」に即応して小泉政権は「新防衛計画の大綱」を発表し、どんどんと高価な装備を自衛隊に導入しているが、日本は米軍の使用している装備の3倍から4倍の高い価格で買わされているというのである。例えば世界で最も高価な戦闘機であるF-15を日本は約31億円のところを約108億円で買わされている。イラクで実戦投入されている戦闘ヘリコプター「アパッチ」は米軍だと約16億円だが、自衛隊はこれをなんと約72億円も払っているというのだ。
 なぜこんなに高くなるのか。米軍の兵器を日本の企業が作ると高いライセンス料がかかるという。それでも3割程度の増にしか過ぎない。日本は人件費が高いといっても知れている。米国は日本に兵器開発費を転嫁させているのだ。そして日本の防衛企業は防衛庁から儲けさせてもらっているのだ。その見返りに防衛庁はこれらの企業に天下りのポストを要求しているのだ。言い換えれば天下り官僚の人件費を税金を使って兵器の代金に上乗せしているのだ。
 兵器の輸出入は機密保持を理由に政府間で一方的に決定される。価格の決定メカニズムはブラックボックスだ。それをいいことにデタラメな血税浪費が行われているとすれば我々はバカを見ている。わずかな税負担、保険負担でも庶民にとっては大変な経済負担だ。その一方でかくも巨額な防衛費が不正支出されている。何が財政改革だ。小泉首相は郵政改革を言う前にこの無駄遣いを何とかすべきだ。
 ◇◆ なぜ大手新聞は書かないのか ◆◇
 不可解である。1月21日付の産経新聞愛媛県警の現職警官である仙波巡査部長が20日に松山市で記者会見をし、裏金作りが県警の組織ぐるみで行われており、領収書の偽造を拒否し続けたため昇進差別まで受けたと告発した事を大きく報じた。現職警官が実名で会見したのは初めてで、全国警察に大きな波紋を広げそうだと産経新聞は書いていた。私もこれは大きなニュースだと衝撃的に受け止めた。
この現職警官の勇気はこれまでの様々な告発の中でも最もインパクトがあると思った。それにもかかわらずこの問題はその後どの新聞も取り上げない。それどころかあらゆるメディアが黙殺しているかのようだ。
 もう一つ不思議な沈黙がある。大阪と広島の駅で手にした、23日付けの大阪日日新聞中国新聞に、自民党森派の政治資金収支報告漏れの記事が大きく載っていた。最近数年にわたり森派政治資金収支報告書には、所属議員へ「モチ代」として配った資金の明細が記載されておらず、森派の会長を2000年4月から一年ほど務めていた小泉首相の責任が問われると報じている(23日付大阪日日新聞)。まるで橋本派日歯連疑惑と全く同じ構図ではないか。
 23日付の中国新聞に至っては、「政治資金規制法で規定された収支報告書の信憑性を覆すもので、国会でも大きな争点になりそうだ」とまで書いている。
 しかし24日の大手各紙はこの問題をどこも取り上げていない。地方紙にスクープされたのでしゃらくさいと無視しているのか。それともこれから遅ればせながら追求していくのか。あるいは小泉政権に打撃となる記事は自主規制しているのか。いずれにしても不思議な現象である。
 愛媛県警の告発にしても森派の政治資金不正疑惑にしてもこれからの展開を私は注目する。

この記事↑へ、こんなコメント↓がありました。

http://www.asyura2.com/0411/senkyo7/msg/956.html
 今回の天木氏のコラムはすごい。どれも超ど級の怒りの起爆剤だ。〔略〕NHK対朝日の虚偽報道問題にいつまでも関わっている場合ではなさそうだ。〔略〕
 二つ目は、現職警官の内部告発と自民森派の政治資金疑惑をいっさい取り上げようとしない、TV、新聞の問題だ。これは、NHK政治介入どころの話ではない。もし大きな問題にならないとしたら、政治介入どころではない、自主規制が働いているのだ。自主規制と書けば聞こえはいいが、平たく言えば、メディアの腐敗、敗北である。〔略〕