民主党小選挙区得票は299万票増
民主党小選挙区得票は299万票増えている。
http://sp.mt.tama.hosei.ac.jp/users/igajin/home2.htm
衆院選党派別得票数の前回との比較(万票)
比例代表 今回(2005年) 前回(2003年) 増 減 自民党 2589 2066 523 民主党 2104 2210 △106 公明党 899 873 26 共産党 492 459 33 社民党 372 303 69 国民新党 118 − 118 新党日本 163 − 163 諸派・無所属 43 − 43 合計 6781 5910 871 *国民新党、新党日本、諸派・無所属の合計は324万票
小選挙区 今回(2005年) 前回(2003年) 増 減 自民党 3252 2609 643 民主党 2480 2181 299 公明党 98 89 9 共産党 494 484 10 社民党 100 171 △71 国民新党 43 − 43 新党日本 14 − 14 諸派・無所属 326 417 △91 合計 6807 5950 857
「五十嵐仁の転成仁語」から。
http://sp.mt.tama.hosei.ac.jp/users/igajin/home2.htm
自民党が増やした得票数は523万票ですが、これを得票率で見ると前回35.0%から、今回38.2%への増となります。わずか3.2ポイントの増加にすぎません。
投票総数での割合も8%弱です。自民党の比例区での当選は、前回が69で今回は77です。8議席増ですから、それほどの増加ではありません。1割ほど増えただけです。
それなのに何故、これほどの躍進につながったのかというと、その秘密は小選挙区制にあります。自民党の小選挙区での当選者は、前回の168から今回の 219へ51も増えました。議席では130%もの増加ですが、得票数では643万票、得票率ではわずか4ポイント増えただけです。
ここに小選挙区制の特性が明瞭に表れています。第2党とのわずかな差が、議席の上ではきわめて大きな差に増幅されるという特性です。
自民党と民主党の差は771万票で、得票率からすれば11.4ポイントにすぎません。それが議席になると219対52という4倍以上もの差になってしまいます。
これが、人為的な多数派を作り出す小選挙区制の仕組みです。安定した多数派を生み出す機能だとして、これをプラスに評価したのが小選挙区制導入論者たちでした。
つまり、今回の自民党の圧勝は制度のカラクリによるもので、民主党の後退はそんなに大きなものではなく、自民党と民主党の差も見かけほど大きくはありません。民主党にとっては、十分挽回可能な位置に付けているということになります。
また、「こんなに多かったのか」というほどに、「バカな国民」が多かったわけでもありません。確かに、今回新たに自民党に投票した523万票という数字は決して小さなものではありません。
しかし、民主党は2000年衆院選の1508万票から2003年衆院選の2210万票へと702万票増やした実績があります。523万票は、決して追い抜くことのできないほどの差ではないでしょう。
得票推移
http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20050810#1123692909 と、上記データを合体させると以下。
[09/15 05:05]以下の数値は、諸派の数値を省略してある。元データは2004年までは総務省HP http://www.soumu.go.jp/senkyo/index.html#kokkai にある。2005年元データは未確認。たぶん総務省HPにあると思うけど。
[09/18 17:45]得票数値出典発掘。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050912-00000258-jij-pol
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050912-00000257-jij-pol
選挙区得票推移
2005年衆院選小選挙区 自民党 民主党 公明党 共産党 社民党 国民 日本 3252万 2480万 98万 494万 100万 43万 14万 2004年参院選選挙区 自民党 民主党 公明党 共産党 社民党 19,69万 21,93万 2,16万 5,52万 98万 2003年衆院選小選挙区 自民党 民主党 公明党 共産党 社民党 保新党 無所属の会 26,09万 21,81万 89万 4,84万 1,70万 79万 50万 2001年参院選選挙区 自民党 民主+自由 公明党 共産党 社民党 22,30万 13,08万 3,47万 5,36万 1,87万 2000年衆院選小選挙区 自民党 民主+自由 公明党 共産党 社民党 保守党 24,95万 18,87万 1,23万 7,35万 2,32万 1,23万 1998年衆院選選挙区 自民党 民主+自由 公明党 共産党 社民党 17,03万 10,04万 1,84万 8,76万 2,40万比例区得票推移
2005年衆院選比例代表 自民党 民主党 公明党 共産党 社民党 国民 日本 2589万 2104万 873万 492万 372万 118万 163万 2004年参院選比例区 自民党 民主党 公明党 共産党 社民党 16,80万 21,14万 8,62万 4,36万 2,99万 2003年衆院選比例代表 自民党 民主党 公明党 共産党 社民党 20,66万 22,10万 8,73万 4,59万 3,03万 2001年参院選比例区 自民党 民主+自由 公明党 共産党 社民党 保守党 21,11万 13,22万 8,19万 4,33万 3,63万 1,28万 2000年衆院選比例代表 自民党 民主+自由 公明党 共産党 社民党 保守党 16,94万 21,66万 7,76万 6,72万 5,60万 25万 1998年参院選比例代表 自民党 民主+自由 公明党 共産党 社民党 さきがけ 14,13万 17,42万 7,75万 8,20万 4,37万 78万