カルトvsオタクのハルマゲドン/カマヤンの燻る日記

表現規制反対活動を昔していた。元エロマンガ家。元塾講師。現在は田舎で引きこもりに似た何か。

末期癌の伯父を見舞う

塾の仕事へ行く途中で、携帯電話を充電したまま部屋に忘れたことに気づいた。取りに戻れなくもなかったが、そのまま塾へ向かった。深夜に帰宅すると、留守番電話とファクスがあった。母の兄である伯父が末期癌で、数日しか意識がもたない。見舞いに行ってほしい、とのことだった。考えた。見舞いのために実家へ帰るとなるとアクセスがたいへんに悪いので一泊必要になる。翌日は2コマ授業で、夜コマのほうはテストだけだから、そのテストを誰かに代わって貰ってその夜のうちに帰郷しようか。そうすれば翌日の授業には間に合う。塾の上司に、事情をメールした。寝た。
起きた。母からファクスがあった。「急に色んな人が会いに行くと、死期が近いことが先方にわかってしまうから、見舞いに行かなくて良い」とあった。実家に電話した。父が出た。やはり見舞いに行くべきだろう、という結論に。伯父は甲府に入院しているとのこと。甲府なら一泊しなくて日帰りで行ける。本日中に色々手配しておけば明日見舞いに行くのは可能だ。
この朝は塾の研修だった。実りのない内容のないくだらない研修だった。ウチの塾は伝達力に難があり、その不安を解消するために無意味な研修を繰り返すが、根本として伝達力に難があるので、全く時間の無駄だ。研修についてのアンケートがあったので、「内容不鮮明で意味のない研修だ」と書いて提出した。
研修先で上司に会う。話す。翌日の授業までには戻ってこれるだろうが、遅刻する可能性があるから、念のため翌日2コマのうち1コマ目は代わってほしい、という話をする。その日はそのまま塾へ行き、授業をし、テスト監督をする。テスト監督する間に教室を抜け、家へ電話し、病院名と病室を確認する。翌朝は今年最初の入試応援の予定だった。それに行けない旨を同僚に伝え、帰宅する。
ネットで病院の所在地と電話番号、面会時間を調べる。病院のHPによると面会時間は午後からだが、親族ならもっと早い時刻に行っても大丈夫だろう。往路復路の時刻表もネットで調べる。就寝。
起床。雨天。「今日見舞いに行く」と家へ電話報告。本人に死期が近いことを悟られないように、近況の報告をしに行くという設定で会ってくれ、とのこと。甲府へ。往路で電車内に腕時計を落としたらしい。紛失する。安いが気に入っていた腕時計だった。見舞いのための花束を購入。
病室では、伯父の妻と、母の妹が付き添っていた。近況報告に来た、と伝える。伯父と話をすると、伯父は怪訝そうに言う。昨日の朝に私の父母から聞いていた話とずいぶん違うと。父母は私を口実に伯父の見舞いに来ていたのかなと思い、色々取り繕う。取り繕いはまあまあ成功する。伯父は死期がたしかに近い姿だった。私は湿り気の足りない人間だが、今回は湿り気が足りない人間であったことが幸いしたかもしれない。
一時間半ほどいて、退出する。「見舞いを完了した」と父母に報告する。その際伯父がこう言っていた、と父母に伝える。昨日父母が見舞った時に言った内容と伯父の記憶は内容はずいぶん違う。父母は自分が何を言っているのか把握できないところはあるが、今回は父母の言っていることは嘘でも間違いでもないと思われる。おそらく伯父は一年位前の記憶と混乱していたのだろう。伯父は頭はしっかりしているように見えたが、死期が近いので記憶も混乱していたのだろうと思われる。それに気づき、切ない思いになる。
代講をしてくれた講師たちへの土産に信玄餅を購入。帰路、あらかじめ調べていた便より30分ほど早い電車に乗る。アクセスにしくじり、結果、1時間遅れて塾に着く。後コマの授業には間に合う。

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