即売会周辺ならびに出版関係は、自力でロビーに行け
考え違いしている即売会周辺の人々ならびに出版関係の人々は、現在最前線でロビー活動している人たちを大切にしろよ。
「表現を規制」するための政治活動は楽チンだ。金も入る。名誉も入る。
「表現規制に反対する」活動は、金は出ていく一方だ。何も得ない。まじめに活動して前線で体を張った人から潰れていく。マンガ業界同人業界即売会からのバックアップは何もない。それどころか「好きでやっているんでしょ」とか「体壊しても自己責任でしょ」とか冷たい言葉を吐かれて使い倒されて終了だ。AMIの中心メンバーは、ざっと思い出すと、それなりにマンガ家として活動していた人はほとんど活動で生活が潰れた。深刻に体を壊した人もいる。実際のところ、もうAMIには実体は残っていない。
今回、都条例についてはテレビだの新聞だのである程度派手に「反対派」の活動について扱ってもらっている。それは新聞などに手紙を送り続けて下さった諸姉諸兄の力のおかげが大きいと私は思う。
しかしながらですね、「ロビー活動」を実際にしている中枢メンバーはですね、ほとんど同じ人々をですね、皆が使い倒しているのですよ。最前線の人々は全く金にならないばかりか、巨大な金銭喪失して無償でやっているわけでございますが、なぜか人間は無私無償で人間の限界超えて活動している人に対して「もっと我慢しろ」と平気で言えるのでありまして、なぜか全然我慢していない人に対しては「我慢しろ」とは言わないのでありますよ。
多少なりとも自力で手紙を書き送ったり規制反対活動に自分で汗を流し真剣に取り組んでいるこのブログの読者同志諸姉諸兄なら理解できるでありましょうが、表現規制反対活動に真剣になった瞬間、オタクな娯楽を楽しむ暇などなくなるのでありますよ。よって、最前線の同志諸姉諸兄は当然ながら最前線に立った瞬間から、オタクな娯楽一切からほとんど無縁状態になっておりまして、この状態が長く続いて、かつその上、即売会関係とかから要求と依存が続いたりすると、しかも活動すればするほど収入が減ると、即売会がどうなろうがマンガなどの出版業界オタク業界がどうなろうが、正直言って知ったこっちゃない、という感覚に徐々に近づいていくのでありますよ。私ももう数年、マンガは「怪物王女」と「絶対可憐チルドレン」以外はほとんど読まなくなり、ゲームは元々全くやらないしライトノベルは読まなくなって20年近く経っているし、収入も完全にオタク業界とは無縁になりましたし同人誌即売会にもこの先おそらく参加することは死ぬまでないでありましょうから、全然オタク業界とは無縁ちゅうたら無縁なのでございますよ。最前線の人たちも似たような状態になってくるのでありますよ。だというのに即売会周辺だの出版関係だの学識者関係だの、苦労の少ない人たちは、何か勘違いをしているらしくて、自分でロビーする「勇気」と「根性」すら持たないくせして、経験者にそれをやれと要求し、そしてその過剰な要求によって市民活動最前線が潰れると「自己責任」だと言うのでありますよ。日本のために特攻した兵士たちに「自己責任だ」と言うているのとそれは同じでありますよ。
現在の表現規制反対活動は過去最高の広がりを見せているというのは一方で事実でありますが、現在の表現規制反対活動の最前線は過去最大級の活動をしておりまして、過去に比類のない、おそらく他の市民活動と比べてもあまり類のないほどの限りない無償労働をしておりまして、こんな状況が継続すると思っているとしたら、それは大間違いなのでありますよ。端的に言って、人間が無収入に近い状況でいったいどのくらいの期間活動していられるかということを考えれば、タイムリミットは自ずと分かるのであります。この先何年も続けられるわけがないのであります。我々の最前線は比類なく強いのでありますが、補給が絶無なのであります。しかも当事者なのは本当は即売会や出版社なのでありまして、最前線はそれに比べたら当事者度は低いのでありまして、当事者が善意のボランティアである前線に要求と依存をしているのはおかしいのであります。最低限補給するか、補給しないのなら自分が前線に立つべきであります。
と、多少なりとも最前線を経験した身として言わせていただきます。
自分達で行けないのなら、今現在最前線で頑張っている人々を、もっと大切にしろ。AMIが潰れたように、そう遠くなく最前線は潰れておかしくない。
もちろんこれは上記『「声なき声」をきけ』の天野恵一(あまの・やすかず)書評と深い関係があります。