カルトvsオタクのハルマゲドン/カマヤンの燻る日記

表現規制反対活動を昔していた。元エロマンガ家。元塾講師。現在は田舎で引きこもりに似た何か。

嫁の誕生日前後

1

11月22日、嫁の誕生日の前日、些細なことから老母と喧嘩になる。感情のエスカレートの応酬が止まらない。あまりに喧嘩が酷くて、嫁が涙を浮かべる。
家族だけでは収拾がつかない。老母が信仰する新興宗教の相談所へ行くということで老母と私と合意する。老母が相談所に電話して予約する。
この日、私は地元観光協会の研修が、嫁は翌日の文化祭に出品する華道の作品作りの集まりの予定があった。私のほうの予定をキャンセルし、嫁に留守番してもらい、老父と老母と私とで車で1時間ほどのところにあるその新興宗教の研修所へ行く。家を出たのが午前9時半頃、研修所へ着いたのが午前10時半頃。
相談員は若い男性だった。3人で来たことに相談員は驚いていた。相談者は1人だろうと思っていたのだ。さっくり状況を老母から相談員が聞いた後、まず老母と相談員が一対一で対話し、私と老父は施設で待つことになる。
老母とは常に険悪な私だが、老父とは別に仲が悪いわけではないので、一緒に日向ぼっこしたり煙草を吸ったりして時間を潰す。
12時半頃、老母と相談員との話が終わる。老父と老母は食事に行き、私と相談員が対話する。
以前、東京にあるこの新興宗教の相談所へ行ったときには老母に似たタイプの学のないおばはんが相談員で私は精神ダメージを受けたことがあった。http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20090914/1252857283 ので警戒しつつ話するが、この若い男性はあのおばはんよりはかなりよく練れた人で、話の聞きだし方が巧かった。メンタルクリニックで診断してもらった話http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20110110/1294671564とか、老母との関係とかについて話す。メンタルクリニックでの臨床心理士は「母親とはなるべく会う時間を減らすほうがいいし、別居するほうがいい」とアドバイスしていた、と相談員に告げる。「他人は暖かい、親族は冷たい」という私の感覚を告げる。響いた模様。*1
午後2時頃老父母が戻る。3人と相談員と軽く話をする。父母二人でいる間に老母が老父に散々愚痴ったようで、老父はそれをコピーして相談員に私をなじる言葉を吐く。
相談員が言う。私との対話時間と対話回数を最も多く取るべきだと思うが、今日は父母との対話をこの後したいと。
私は外へ行き、自動車で食堂を探し、食事をする。時間潰し用に持ってきた『日中アヘン戦争』を読み進める。午後4時くらいで父母と相談員の話が終わる。「別居できるようになると思います」と別れ際に相談員が私に告げる。
往路にはいつものようにムダに多弁だった老母が、復路では妙に言葉数が少なかった。山中湖のキャンプ場を見学していきたいと老母が言い、そこに寄り、見学させてもらう。
安い寿司を4人分購入し、それを夕食とする。
帰宅後、脳内を、相談員へ語った老母に対する複雑な感情が言葉になって暴走し止まらなくなり、何時間も一人で老母との関係についてずっと考え続ける。ちくしょう、久しくなかったのにまただ。と思う。老母が私のことを考えた時間の数万倍の時間、私は老母について考えている。これはアブノーマルだ。そういったことも含め、老母についての言葉が延々脳内で暴走し、止まらなくなる。こういうことは中学生くらいからずっとあった。何万時間考えたところで解答がないことは分かっている。しかし自分の意志ではこの思考暴走が止まらない。

2

11月23日は嫁の誕生日だった。勤労感謝の日に生まれたんだな、と、改めて気づく。私は国語と社会の塾講師をしていたくせに国民の休日の知識が弱い。
村の文化祭が村の小学校の体育館で行われていた。嫁の華道の作品も出品されていたので、嫁と見に行く。一通り見て帰宅したのち、嫁と老母とで文化祭へ行く。
嫁の父母も誘って外食をしようという提案を数日前に老母がし、嫁の父母に打診するが、嫁の父母は遠慮したりして、ウチの4人だけで外食する。ビールをけっこう飲んだ。帰宅した。
パソコンに向かう。階上の老父母の寝室で、老母の物音がする。そのたびに体がこわばる。
酔いが回ってきて激烈眠くなり、そのまま居床寝をする。午前2時ころ目を覚ます。たぶん3時間くらい寝ていた。風呂に入り、布団に入る。
布団の中で、また老母についての思考暴走が始まり、眠れない。PCに向かって気持ちを落ち着けようとしても、本を読もうとしても、思考暴走によって本などまともに読めない。私の人生はこの、老母に関する思考暴走によって莫大な時間とエネルギーが消耗させられた。午前4時ころ布団に入り直し、目を瞑る。

3

11月24日午前7時、目覚まし時計が鳴る。体を起こすが、目が覚めきらない。8時半くらいまで布団にうずくまる。この日は私の休日にすると嫁と決めていた。本を持って家を出た。
車を運転中、老母に関する思考暴走が止まらない。図書館に寄る。世界史のコーナーの品揃えの貧弱さを確認し、寂しさを覚える。何冊か借り、喫茶店へ。老母についての思考暴走と格闘しながら本を読む。3時間ほど粘り、ファミレスへ。そこでも3時間ほど粘る。
歴史関係の本は因果関係が比較的はっきりしていて、情緒とか団欒とかそういったものがあまり書き込まれていず、今こことは違う時と場所について述べられているので、老母についての思考暴走への処方箋となりうるのかな、とか思う。塩野七生を読んでいるうちに思考暴走が収まる。私はホームドラマとかそういうのが苦手だ。老母についてのトラウマが刺激されて思考暴走が始まるから。
午後5時頃帰宅。自宅の居心地の悪さについて思考暴走する。
夕食後、老父が言う。「今夜から別居する」
え? と思った。老父の言葉には寂しさが滲んでいた。引き留めたい感情に駆られた。だが老父を引き留めると老母も引き留めることになるので言葉を飲み込んだ。老父が自動車に乗り、離れに向かった。
私はレジの閉めを行った。老母も離れに行ったのかな、と思ったが、ずいぶん後になって階上から降りてきた。自動車に乗り、老母は離れへ向かった。
後味が悪かった。

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文章の内容に全くそぐわない画像を選んでしまったことをちょっと後悔

日中アヘン戦争 (岩波新書)

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