2012年衆院選、現時点の雑感
http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20121120/1353378426 の続き。
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枝野幸男支持者で民主党支持者な私だが、今回の解散・選挙は、野田佳彦の「独善」ぶりが気に入らず、ちっとも燃えない。
燃えないながら、選挙ウォッチャーとして雑感を。
政党が乱立するのは望ましいことだ。と私は思う。多様な国民の意見を反映するには、政党数は、少なくとも選挙の際は多いほうが、国民にとって選択肢が多くなるので望ましい。と私は思う。
これで選挙方式が比例代表制だったら、選挙ウォッチャーとしてはそれなりに今回の選挙はワクワクだった。選挙結果はかなり「右」に広がるだろうけど。
小選挙区中心だと、大政党以外は原則として吹き飛ばされてしまうので、政党が増えても選挙結果にあまり影響を与えないんだよね。だから、それもあってウォッチャーとしては燃えない。
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維新の会 候補者相次ぎ辞退の理由は600万円の金?
http://dot.asahi.com/wa/2012112000013.html
「新党なので政党交付金がなくカネがない。ポスター、チラシ代など広報費100万円と小選挙区と比例区の供託金計600万円などを振り込むように候補者たちに通達すると、『希望選挙区にならなかったので、辞退したい』という申し出が相次ぎ、『候補者が足らん』と幹部から聞きました」(維新関係者)」
以前書いてそこそこブクマいただいたように、日本の選挙の供託金は高すぎる。http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20120121/1327139005
バカ高い供託金と小選挙区という二つのハードルで、日本の選挙制度は新党や庶民が政治に参入するのを拒んでいる。
この二つのハードルを越えるのは並大抵のことではないので、橋下新党「維新」をマスコミがえらく持ち上げていたのを聞いても、どうやって二つのハードル越えるつもりなんだろう、と思っていた。
選挙資金は石原新党「太陽の党」とくっつくことで、ある程度橋下新党「維新」は目処がついたようだが、石原新党「太陽」の政党助成金は平沼「たちあがれ日本」の政党助成金の流用だというのに、平沼「たちあがれ」を拒んだ場合、橋下「維新」はどう選挙資金を工面するつもりだったんだろう。不思議。そういうことは考えていなかったのかな。不思議。
二つのハードルで拒まれているのは「左」側も同じで
http://senkyo.mainichi.jp/news/20121122k0000e010218000c.html#
衆院選:「緑の党」候補者擁立を見送り 資金間に合わず
毎日新聞 2012年11月22日 15時00分
脱原発を掲げる政治団体「緑の党」が、衆院選の候補者擁立を見送る方針を固めた。資金集めが間に合わず、比例代表での立候補に必要な1人当たり600万円の供託金が確保できなかったという。
バカ高い供託金・小選挙区・候補同士の公開討論禁止http://togetter.com/li/262579 ・インターネットによる選挙活動への過剰制限、といった複数の障壁が日本の「選挙」と「政治」を間違いなく内容の貧しいものにさせている。
たとえば「海賊党」や「老人党」のような政党は、日本では生まれるのは、まず無理だ。つまんねえよなあ。
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さて日本のこの貧困な選挙制度で勝利するためには、少しでも政党のサイズをあらかじめ大きくしておくこと、が極めて重要だ。サイズが小さいと制度で弾かれる、そういう選挙制度だ。
現在、主なプレーヤーは以下の通り。
1;民主党 ふつうに考えれば与党だからかなり有利なんだが、野田佳彦の「独善」によって離反者を続々出し、小選挙区での候補者に不足している。野田佳彦は前回選挙の「マニフェスト」とは相反する増税への信任を有権者に求め、かなり多くの人が懸念し反対しているTPPについて国民への説明意欲をほとんど持たずに、候補者にはTPP推進しなければ公認しないと要求している。一応脱原発。表現問題的には表現規制反対派議員のコアの人々がいるので、その人たちを落とさないこと。
2;自民党 民主党が不人気だから、大方の予想ではこの選挙の結果与党に返り咲くのが当然と思われていた。が、安倍晋三という、頭の良くない、あまり人気のないボンボンを総裁にしたことで、勢いを減らしている。選挙期間中に安倍晋三の露出回数が増えることで自爆リスクがたいへんに増える。安倍晋三は「極右のプリンス」と支持者からは思われているので、極右票を石原・橋下「維新」と奪い合うことになる。原発推進。
3;維新 マスコミの寵児橋下とマスコミの寵児で霊友会票その他宗教票をがっつり持つ石原慎太郎http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20101203/1291374268による、マスコミが煽るところの「第三極」。実態は「三角コーナー」と言われる。全小選挙区に候補者を立てると息巻いていたしマスコミも煽っていたが、供託金と選挙資金を自腹で用意できる候補者が日本にそんなにいるとはちょっと思えない。「維新」が頑張るほど安倍自民党の票が削られることになるので、せいぜい頑張っていただきたい。橋下は「選挙期間中は脱原発のふりをしていたい」というマスコミ映え戦略を持っていたようだが、石原慎太郎は「核こそ男のロマン」とさらけ出したので、脱原発票がここに流れるのはたぶんない。良かった。
4;公明党 自民党補完組織。創価学会専用。だいたい800万票くらい動かす。
5;共産党 脱原発・反TPPの受け皿にある程度なるので、今回はそれなりに集票すると予想される。集票して下さい。共産党は今はかなり柔らかくなったけど長年の独善体質が「左派」の票をずいぶんこぼしている。基礎票は400万票くらい。
6;「国民の生活が第一」+「大地」+「社民」+「反TPP」+「減税」 という合体に、なったのかな? まだ二つくらいに分かれていたかな? 小政党が選挙協力しあっても相互にあまり力にはならないが、選挙協力しないよりはずっとマシなので、頑張ってほしい。脱原発・反TPP。たぶん。左派と小澤支持者の票が集まれば、こっちが「第三極」になるかな?
これらプレーヤーがどの程度集票するかなどの予測はまた次回。
ところでこの第6勢力、小沢一郎「国民の生活が第一」グループは、現在の選挙制度と公選法の縛りに最も苦しめられる勢力だから、公選法改正を共通の選挙公約にしてほしいところである。小選挙区制にした主犯は小沢一郎だから、小選挙区制で小沢一郎が苦しめられるたびにざまあみろと思うのだが、さらに比例区削減とか小沢一郎が言っているのが意味分からない。お前の勢力が一番減らされるのに。http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20120117/1326807155 http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20120120/1327056287
あ、供託金没収緩和案を蹴ったのも小沢一郎だったな。http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20120121/1327139005 この際、もう過去は問わないから、公選法改正を小沢「生活」グループで選挙公約してほしいと思う。
[11/23 09:20]「みんなの党」をカウントし損ねた。
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