カルトvsオタクのハルマゲドン/カマヤンの燻る日記

田舎の生活とか、政治関係とか、表現規制のこととか

甲斐犬との散歩と野生動物

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我が家には甲斐犬が一頭いる。現在10歳(今年になって保健所に登録されている年齢を確認した)。人間年齢に換算するとだいたい40歳くらい。
元々、山梨県奈良田という秘境に住む老父の友人から狩猟用に老父が入手した。老父が狩猟用に甲斐犬を飼うようになってだいたい35年くらい。記憶する限りでは現在の犬で甲斐犬としては6頭め。それ以前は祖父の代からポインター犬を飼っていた。老父が狩猟をしなくなったのと、我が嫁が猫毛アレルゲンと犬毛アレルゲンがあるので(嫁は動物が嫌いなわけではない)、我が家で犬を飼うのはたぶんこの犬で最後になる。
昨年までは2頭いたが、もう一頭のほうは昨年老衰死した。
現在買っている甲斐犬は、狩猟犬としての才能が高いのだが、老父が衰えてから飼いだしたので、狩猟経験がほとんどない。高い才能を生かさないままペットとして生涯を終える運命にある。

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甲斐犬は一日中走り回っていても平気な体力があるのだが、綱に一日中繋ぎっぱなしだ。
家庭内や家庭外で色々あって、俺が毎日散歩に連れて歩くようになった。

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12月初め頃、甲斐犬を散歩させていたら、我が家のすぐ近くの茂みに甲斐犬がバッと飛び込んだ。猫のような何かを噛み抑えた。タヌキだった。我が家の近くでタヌキを殺されても困るので、甲斐犬を引きはがし、タヌキを逃がした。

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その数日後、散歩コースの湖畔遊歩道を甲斐犬と歩くと、じっ、と湖とは反対側を甲斐犬が見つめて動かなくなった。どうしたんだろう、と視線の先を見た。湖畔は遊歩道を挟んですぐ山になっている。その山に、大きなカモシカがいた。わ。こんな近くにカモシカがいるのか、と、ちょっと感動した。そのまま通り過ぎようか、と思ったが、ちょっともったいない気がしたので、携帯で写真だけ撮った。

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その数日後、散歩コースの湖畔遊歩道の茂みの中に、甲斐犬が突然飛び込んだ。紐の長さギリギリで俺が紐をたぐったので獲物に届かなかった。猫のような何かが甲斐犬から逃れ、大急ぎで山へ逃げた。狐のようだった。サイズが小さかったので子狐だったのだろうと思う。

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つい数日前、散歩コースの湖畔遊歩道の別の茂みの中に、甲斐犬がまた突然飛び込んだ。獲物をがっちり咥え込んだ。タヌキの喉笛に牙が入っている。いやいやいや。こんなところでタヌキを仕留められても困る。どうにか甲斐犬が咥えているのを離させた。タヌキはケガしていたが生きていた。興奮したままの甲斐犬を引きずり、いつもの散歩コース終点まで行き、戻ってくるとさっきタヌキを仕留めようとしたところの水辺でタヌキが水を飲んでいた。甲斐犬はそれに気づかなかったようなので、そのままスルーした。

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俺の住んでいるところは、人間より野生動物の方が多い。

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ところで甲斐犬と散歩して気づいたが、人間の視野に野生動物が見えても甲斐犬が気づかないこともけっこうある。単純に目の高さが人間の方が高いので、人間の方が視野が広い。なので人間と犬のペアというのは、狩猟採集時代、実にうまく機能したペアだったのだろうし、老父のように狩猟をするときもうまく機能するのだろう。

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野生動物と言えば、これからの季節、俺の住んでいるところは、鹿との交通事故がわりとしょっちゅう起きる。
猟友会が老齢化し、我が老父のように害獣駆除能力と資格を持つハンターが減り、鹿や猪といった害獣は増えている。

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猟銃と言えば、たしか昨年、その前の年だったかもしれないが、老父は猟銃所持更新をやめた。
更新しないと、猟銃を誰か狩猟仲間に譲渡するか、さもなければ物理的破壊するしかないそうだ。銃身に鉛を詰めて美術品として飾るとかそういうことはできないのだそうだ。
俺が狩猟免許をとればいいじゃないか、そうすればこの猟銃を持っていられる、と、その際駐在さんに熱心に勧められた。
俺の村は俺より若い人間が少ないので、害獣駆除のために狩猟免許取るのもアリかなあ、とか少しだけ考えたが、俺は狩猟に毛ほども興味がないし、たぶん狩猟が好きにはならないし、俺より若い人間が村で少ないとは言っても俺よりは狩猟に向いている若い人間が村に絶無なわけではないから、俺が狩猟免許を取るという選択肢は捨てた。
老父の猟銃は老父の狩猟仲間へ譲渡することとなった。