選挙分析
http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20050914#1126636755の続き。
いい選挙分析の記事を見つけたので、以下に貼っておく。
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=97269
今回の衆院選の結果について、マスコミの報道は「自民圧勝」一色である。だが、それは「事実」なのだろうか? 彼らの報道には選挙結果を分析する重要なファクターが捨象されている。それは、「得票数」である。その中でも「死票」の分析は、非常に重要である。まず、比例区の数字から分析してみよう。
- -
●衆院党派別得票数(比例代表)
議席 得票数
自民 77 2389万
民主 61 2104万
公明 23 899万
共産 9 492万
社民 6 372万
国民 2 118万
日本 1 164万
大地 1 43万
合計 180 6781万与党 100 3488万(51%)
野党 80 3294万(49%)
合計 180 6781万
- -
ほとんど、与党、野党の得票数は拮抗していることがわかる。しかし、得票数を議席数に配分される過程で、5分5分の数字が与党多数になってしまったのだ。
次に、小選挙区の数字の分析に移る。
- -
●衆院党派別得票数(選挙区)
議席 得票数
自民 219 3252万
民主 52 2480万
公明 8 98万
共産 0 494万
社民 1 100万
国民 2 43万
日本 0 14万
大地 0
諸派 0 2万
無所属 18 324万
合計 300 6807万与党 227 3350万(49%)
野党 55 3133万(46%)
無所属 18 324万( 5%)
合計 300 6807万
- -
得票数と獲得議席数のアンバランスは、比例よりもひどい。与党の得票数は半数に満たないのに、獲得議席数は4分の3を越える。
気の毒なのが、共産党で、500万票を集めながら、獲得議席はゼロ。得票数が5分の1の公明党が、8議席を集めているのに比べれば、いかに不公平かがわかる。
分析で明らかなのは、庶民の半分は「反小泉」だ、ということである。自民は、決して過半数の支持など受けていないし、庶民の意識は「圧勝」とは程遠い。(前回の選挙と比べても、ほんの数パーセントしか、得票率は動いていない。)
なのに、一部の政治集団が、国政を牛耳ることになる。今回の選挙の結果は、はっきりいって、制度の生んだ「数字のマジック」そのものである。こんな裏事情を知っているはずのマスコミの「与党圧勝」報道は、60年前の大本営発表と同じものだと、庶民は心得ていたほうがよいのではないだろうか。
※蛇足だが、選挙における死票の分析は、政治ジャーナリズムの基礎中の基礎なのに、マスコミはどこも大きくやっていない。これでは、マスコミは小泉翼賛の報道機関そのものではないか。
また、現在の選挙制度が、いかに民意を捻じ曲げる制度であるかが、今回の選挙でよくわかる。小選挙区制は2大政党制を前提・目標として導入されたが、イギリスやアメリカのような、国民が階級分離(資産家vs労働者)、思想分離(中央集権vs政府不信)している国を、日本国民が別に目指しているわけではないと思うのだが・・。
選挙分析をキャッチコピー化すると、以下の記事がいい。
http://d.hatena.ne.jp/MeMoMa/20050913
現在、野党の敗北の反省にかこつけて、データから観る総選挙の実像とは異なるものをマスコミ等が、国民の間に刷り込もうとしています。〔略〕
得票数においては、自公の与党が3488万票をとり、その他野党が3294万票をとった。これが事実です。これだけが事実です。