『清沢洌評論集』
戦前戦中最高のリベラリスト清沢洌(きよし)の創作、「甘粕と大杉の対話」『清沢洌評論集』から。
大杉栄と大杉の妻子を殺害した甘粕正彦大尉は小菅刑務所で瞑想している。そこに大杉栄の亡霊が登場する。
大杉 俺は君〔甘粕〕たちの頭脳をコンバートメント式頭脳とでも呼びたいと思っておる。そんな名前があるかどうかは知らないが、君らの頭脳には戸か抽出しがついていて、これは国体、これは政治、これは科学、これは産業と智識の袋を別々に入れ、これを別々に使用する、そしてかつてそれを混き交ぜて自分のものとすることを知らないのだ。(93p)
大杉の口を借りて清沢洌が言わんとしているところが伝わるかな?
- 作者: 清沢洌,山本義彦
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2002/09/18
- メディア: 文庫
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