カルトvsオタクのハルマゲドン/カマヤンの燻る日記

表現規制反対活動を昔していた。元エロマンガ家。元塾講師。現在は田舎で引きこもりに似た何か。

『PARADISE LOST』天竺浪人、「クレイドル」

ものすごく久しぶりにエロマンガを購入して読んだ。天竺浪人の名を見たからだ。天竺浪人は最も優れたエロマンガ家の一人だと思う。繊細な内面の表現としてのエロマンガ、という流れがあり、天竺浪人はそういう流派の一つの到達点と言える。この『PARADISE LOSThttp://www.coremagazine.co.jp/comic/comic/tenjiku_ronin/収録の「クレイドル」は大河ロリ鬼畜監禁マンガ。被害者の少女の内面、その母親の内面が淡々と描き込まれ、加害者の少年、加害者の男の内面は読者からは被害少女を通じてしか見えない。内面の交差がスリリングで、「さあ、どうなる?」というところで残念ながら未完となっている。掲載誌が休刊となったからだ。どう着地させる構想だったのだろう。天竺浪人の凄みはその切なさにあり、その切なさを描く繊細さが天竺浪人をジャンル作家に留めているのかもしれない、と思う。
全く余計な話だけど、「マンガ規制反対運動」を自分がやり始めた頃、webで、「実際に運動するんじゃなくて、自分は作品でもって戦う」という臆病者のおためごかしをお腹いっぱい読んだが、そう言える資格がある人はそうは言わない。天竺浪人は言える資格のある作家であり、そして天竺浪人なら絶対にそんなことを口にしない。それを口にする痛みを天竺浪人は誰よりも強く感じるだろうから。

感じるところのあった同志は   にほんブログ村 政治ブログへ  をクリックされたし。